「エリザベート」開幕!新シシィの望海風斗&明日海りお、稽古場からは“早く帰る”井上芳雄&古川雄大が意気込み

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ミュージカル「エリザベート」が昨日10月10日に東京・東急シアターオーブで開幕。去る9日にはエリザベート役の新キャストとなる望海風斗明日海りお、東京公演にトート役で出演する古川雄大井上芳雄が初日前囲み取材に応じた。

左から古川雄大、望海風斗、明日海りお、井上芳雄。

左から古川雄大、望海風斗、明日海りお、井上芳雄。

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ミュージカル「エリザベート」は、脚本・歌詞をミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲をシルヴェスター・リーヴァイが手がけ、1992年にオーストリア・ウィーンで初演された。日本では1996年に宝塚歌劇団が初演。2000年に初演された東宝版「エリザベート」は今年で25周年を迎える。

ミュージカル「エリザベート」より。

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ミュージカル「エリザベート」より。

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「エリザベート」の東京公演はこれまで、現在休館中の東京・帝国劇場で上演されてきたが、今回は東急シアターオーブにお目見えする。劇場空間の変化によって、客席からの見え方や客席降りを含む演出などが作品をより身近に感じさせる一方で、舞台上では変わらぬ重厚な“愛と死の物語”が立ち上げられた。劇中では、自由を愛した皇后エリザベートと、黄泉の帝王“トート=死”、そして皇帝フランツの思いが、やがて迎えるハプスブルク帝国の滅亡に向かって描き出される。エリザベートの幼少期から晩年までをつづる本作で、望海は好奇心旺盛で何も知らない無垢な少女が、大人にならざるを得ない状況で生き抜く過程を丁寧なグラデーションで見せ、明日海は可憐な少女が芯に秘めた強さを放出する様を力強く演じた。2019年よりトート役を演じている古川は繊細かつ魅惑的に、トート役10年目となる井上は深く豊かに響く歌声で、それぞれ“人ではない”キャラクターを体現し、会場を圧倒する。また、ルキーニ役の尾上松也黒羽麻璃央は、傍観者的な気楽さでどっしりと構える松也、ギラギラとした表情で狂言回しを演じる黒羽と、役へのアプローチの違いを見せ、多彩な出演者を有するカンパニーのWキャストの醍醐味を示した。

本公演にはそのほか、 山崎育三郎(北海道・大阪・福岡公演のみ)、田代万里生佐藤隆紀伊藤あさひ中桐聖弥未来優希涼風真世香寿たつきらが出演する。

望海風斗

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囲み取材に登場した望海は、初日を迎える心境を「お客様の温度感がわからないので、1つひとつ落ち着いてやっていく」と吐露。明日海は「初めてシシィ(エリザベート)役で出演させていただくので、いっぱいいっぱいですが、完璧な『エリザベート』の世界が仕上がりつつあり、アツい舞台に近づいています。私自身、まだまだ調整を続けて初日に向かいたい」と語った。そんな2人のコメントを受けて、古川は「お二人ともそれぞれ違うタイプで、たくさん刺激をいただきました。稽古最終日には新しい“エリザベートカンパニー”が出来上がったと実感したので、多くの方に愛していただけたら」とコメント。井上は「新しいシシィのお二人を迎え、新鮮な気持ちでお稽古を重ねて来ました。渋谷の『エリザベート』がどのようになるのか、お客様の反応を含めて楽しみ」と期待に声を弾ませる。

明日海りお

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稽古場でのエピソードを聞かれると、望海と明日海は宝塚音楽学校時代に寮で同室だったことについて触れ、「(「エリザベート」の稽古期間は)夢を見て音楽学校に入ったときの自分たちの姿や当時の気持ちを思い出すような時間でした。さゆみちゃん(明日海)が演っているのを観てうるうるしてしまったり、通しが終わって戻って来たら(明日海が)泣いていたり」(望海)、「わからないことを相談したり、感想を言い合ったり、また2人で過ごせることが幸せでした。公演が始まり、自立しなければならないと思うと、急に寂しい」(明日海)とコメントした。

古川雄大

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記者からWキャストとして、個性をどう意識しているかと問われると、井上が「古川くんは言われた振りをしない」と告白。それについて古川は「今回は、いろいろなものを削ぎ落として、内から出てくるものを落とし込んでみようと甘えさせていただきました。振りを含め、自分なりのトートができたと思います。お互いあえて違う方向性にするのではなく、結果的に三者三様になった」と述べる。また、歴史ある作品である「エリザベート」の稽古場は「すべてを受け止めてくださる」(望海)包容力がある一方で、井上と古川は“独特な緊張感”もあることを明かす。「今でこそ近い年齢の方がたくさんいますが、昔は大御所の方も多くいて、帰りたくて仕方がなかった」と言う古川に対し、井上は「僕は今もすぐ帰りたい。一番早く帰る僕と古川くんは、帰りのエレベーターでいつも一緒になります」と続け、場を和ませた。

井上芳雄

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最後に、初日に向けて望海は「どのようなものになるのか、私たちが一番ドキドキ、そわそわ、ワクワクしています。お客様に楽しんでいただけるよう、1回1回を大切に演じたい」、明日海は「どんなミュージカルとも違う、唯一無二の作品。私も大好きで、思い入れのある作品です。素敵な出演者の皆さんとの化学反応がシアターオーブで繰り広げられますので、ぜひ楽しんでいただきたいですし、私も必死に、心を込めて演じたいと思います」とそれぞれ述べて、取材を締めくくった。

ミュージカル「エリザベート」の上演時間は休憩ありの約3時間。東京公演は11月29日まで。その後、12月9日から18日まで北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru、29日から来年1月10日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、19日から31日まで福岡・博多座でも上演される。なお既報の通り、11月29日12:00開演の東京公演千秋楽と来年1月30日17:00開演回と31日12:00開演回の福岡公演が、au Live Streaming、TELESAでアーカイブ付きでライブ配信される。さらには2025年版キャストのBlu-ray発売が決定した。

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ミュージカル「エリザベート」

開催日程・会場

2025年10月10日(金)〜11月29日(土)
東京都 東急シアターオーブ

2025年12月9日(火)〜18日(木)
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru

2025年12月29日(月)〜2026年1月10日(土)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2026年1月19日(月)〜31日(土)
福岡県 博多座

スタッフ

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎

出演

エリザベート:望海風斗 / 明日海りお
トート:古川雄大 / 井上芳雄(東京公演のみ) / 山崎育三郎(北海道・大阪・福岡公演のみ)
フランツ・ヨーゼフ:田代万里生 / 佐藤隆紀
ルドルフ:伊藤あさひ / 中桐聖弥
ルドヴィカ / マダムヴォルフ:未来優希
ゾフィー:涼風真世 / 香寿たつき
ルイジ・ルキーニ:尾上松也 / 黒羽麻璃央
マックス:田村雄一
ツェップス:松井工
エルマー:佐々木崇
ジュラ:加藤将
シュテファン:佐々木佑紀
リヒテンシュタイン:福田えり
ヴィンディッシュ:彩花まり
朝隈濯朗 / 安部誠司 / 荒木啓佑 / 奥山寛 / 後藤晋彦 / 鈴木大菜 / 田中秀哉 / 西尾郁海 / 福永悠二 / 港幸樹 / 村井成仁 / 横沢健司 / 渡辺崇人 / 天野朋子 / 彩橋みゆ / 池谷祐子 / 石原絵理 / 希良々うみ / 澄風なぎ / 原広実 / 真記子 / 美麗 / 安岡千夏 / ゆめ真音
トートダンサー:五十嵐耕司 / 岡崎大樹 / 澤村亮 / 鈴木凌平 / 德市暉尚 / 中村拳 / 松平和希 / 渡辺謙典
Swing:三岳慎之助 / 傳法谷みずき
少年ルドルフ:加藤叶和 / 谷慶人 / 古正悠希也

公演・舞台情報

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【会見 / 公演レポート】「エリザベート」開幕!新シシィの望海風斗&明日海りお、稽古場からは“早く帰る”井上芳雄&古川雄大が意気込み(舞台写真あり)
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