ミュージカル「エリザベート」は、脚本・歌詞をミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲をシルヴェスター・リーヴァイが手がけ、1992年にオーストリア・ウィーンで初演された。日本では1996年に宝塚歌劇団が初演。2000年に初上演された東宝版「エリザベート」は今年25周年を迎える。なお、井上は東京公演のみ、山崎は北海道・大阪・福岡公演のみに出演する。
製作会見ではまず、望海と明日海が登壇。パネルを覆っていたベールを引き、公演の新ビジュアルを公開した。望海は「初めて皆様の目に触れたということでドキドキしていますが、同時にいよいよ始まるんだと実感しています」と言葉に力を込め、明日海は「『エリザベート』には皆さんの中にすでに“こういうもの”というイメージがあると思いますので、それに近づけるよういろいろと相談しながら作ったビジュアルです。無事にお披露目できてよかった」と安堵の表情を浮かべた。
稽古の様子について、明日海は「望海とはお稽古の進みが一緒なので、1人ずつやる場面ではどちらが先にやるかを毎回じゃんけんで決めています(笑)」と明かし、「長年受け継がれてきた“型”のようなものがあるので、そこに自分がどうハマっていくかや、自分のオリジナリティをどう出すかといったことを日々模索しています」と語る。望海は「小池先生はもちろん、過去公演から参加されている共演者の方々にもアドバイスをいただきながら、各シーン手探りで稽古しています」と試行錯誤しながら役に向き合っている様子を伝えた。
そんな望海と明日海について、山崎は「『私だけに』のシーンの稽古中、静まり返った稽古場で全キャスト・スタッフに集中して観られているお二人の姿を観ていたら泣けてきたんです。これまで覚悟を持って舞台に立たれてきたお二人の生き様が浮かんできて、グッときてしまって。このお二人が演じるエリザベートは本当に素敵だと思います!」と力強く太鼓判を押す。また、古川も「お二方のシシィはそれぞれ全然違う魅力がある」、井上は「お二人が『これはどうしてこういう動きなの?』などと1つひとつ向き合っている姿が新鮮で、現場に新しい風を吹かせてくださっている」と印象を述べた。
古川は「トート役は3度目ですがやはり難しく、不安はあります。僕は普段から寝言を言うタイプで、その途中に自分で気づいて目覚めるのですが、今日は人生で初めて『愛と死の輪舞』を歌いながら起きました。(夢の中で)いっくん(山崎)が僕に歌い出しの合図を出してくださり……」と回想し、「寝ているときも稽古に励んでいるので、本番はきっと大丈夫です」と自身の発言を締めて、笑いを誘った。
2000年の東宝版初演時、自身もルドルフ役で舞台デビューした井上は「今回の出演者の中で25年前にも出ているのは僕だけで、どうりでみんなが僕に丁寧に接してくれるなと思った(笑)」と場を和ませ、「新しいルドルフ役の(伊藤)あさひくんと(中桐)聖弥くんはお二人とも25歳。初演の年に生まれた方と共演することに時の流れを感じましたし、当時僕がヒーヒー言いながら歌っていた曲を軽々と歌っているようにも見え、豊かな人材が生まれているのを感じます」と話す。
山崎は、12月の北海道公演から本番に加わるため、「稽古期間から2カ月空いて本番を迎えるのは初めてのことなので、過去に出演したミュージカルの中で一番緊張するのではと思っています。僕は2005年にルキーニ役で初めて本作に出演させていただきましたが、トート役としては2020年公演が全公演中止、2022年公演も途中で中止になり、悔いが残っていました。今年は三十代最後の年でもあるので“サンキュー!”の気持ちで、全部を出し切りたい」と意気込みを語った。
会見では、小池が「東宝版初演の製作会見がオーストリア大使館で行われ、井上くんが間違えて“オーストラリア”大使館に行ってしまったことも(笑)」と当時の井上の初々しいエピソードを明かし、井上が「オーストリア大使館とオーストラリア大使館って結構近所なんですよ」と照れながら弁明する場面も。また「エリザベート」という作品について、小池は「時代に呼応して、作品が持つ新たな側面が表れるので、輝きが色褪せない。今の時代では、エリザベートが皇室になじまない物語というだけなく、一個人が社会や世界とどう向かい合うかというテーマが内包されていることがよく見えてくると思います」と語った。
ツアー公演で楽しみなことを記者に問われると、山崎は「雄大と食事に行けたら。昔は何回誘っても断られていたんですが、近年は来てくれるようになり、前回共演した
ミュージカル「エリザベート」は10月10日から11月29日まで東京・東急シアターオーブ、12月9日から18日まで北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru、29日から来年1月10日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、19日から31日まで福岡・博多座を巡演する。
ミュージカル「エリザベート」
開催日程・会場
2025年10月10日(金)〜11月29日(土)
東京都 東急シアターオーブ
2025年12月9日(火)〜18日(木)
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2025年12月29日(月)〜2026年1月10日(土)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2026年1月19日(月)〜31日(土)
福岡県 博多座
スタッフ
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:
出演
エリザベート:
トート:
フランツ・ヨーゼフ:田代万里生 / 佐藤隆紀
ルドルフ:伊藤あさひ / 中桐聖弥
ルドヴィカ / マダムヴォルフ:未来優希
ゾフィー:涼風真世 / 香寿たつき
ルイジ・ルキーニ:尾上松也 / 黒羽麻璃央
マックス:田村雄一
ツェップス:松井工
エルマー:佐々木崇
ジュラ:加藤将
シュテファン:佐々木佑紀
リヒテンシュタイン:福田えり
ヴィンディッシュ:彩花まり
朝隈濯朗 / 安部誠司 / 荒木啓佑 / 奥山寛 / 後藤晋彦 / 鈴木大菜 / 田中秀哉 / 西尾郁海 / 福永悠二 / 港幸樹 / 村井成仁 / 横沢健司 / 渡辺崇人 / 天野朋子 / 彩橋みゆ / 池谷祐子 / 石原絵理 / 希良々うみ / 澄風なぎ / 原広実 / 真記子 / 美麗 / 安岡千夏 / ゆめ真音
トートダンサー:五十嵐耕司 / 岡崎大樹 / 澤村亮 / 鈴木凌平 / 德市暉尚 / 中村拳 / 松平和希 / 渡辺謙典
Swing:三岳慎之助 / 傳法谷みずき
少年ルドルフ:加藤叶和 / 谷慶人 / 古正悠希也
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