三浦涼介、主演作「オイディプス王」開幕に「愛を返していきたい」新木宏典とは猫トーク

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パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」が、本日7月8日に東京・パルテノン多摩 大ホールで開幕する。これに先駆け昨日7日、取材会とフォトコールが行われた。

パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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「オイディプス王」は、知らずして実父を殺し、実母と夫婦関係になったオイディプス王が、破滅の道をたどる姿を描くソポクレス作のギリシャ悲劇。石丸さち子が演出を担う今回の上演版では、主演の三浦涼介がオイディプス役を務める。このほかの出演者には、先王ライオスの妻でオイディプスの母、のちにオイディプスの妻となるイオカステ役の大空ゆうひ、イオカステの弟クレオン役の新木宏典のほか、浅野雅博外山誠二吉見一豊今井朋彦が出演。さらに、悠未ひろ大久保祥太郎、相馬一貴をはじめとする16名の俳優やダンサーが、コロスを担当する。

パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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フォトコールでは、オイディプスのもとにクレオンが訪れてから、オイディプスが自分の犯した罪に勘付くまでのシーンが披露された。明かりがつくと、ステージの前面に横並びになったコロスたちが客席をじっと見つめ、ただならぬ雰囲気を作っている。そこへ、新木演じるクレオンが現れ、コロスたちは道を空けてひれ伏した。新木は、あらぬ疑いをかけられたことに対して、オイディプスへの憤りを語る一方、その口調や、コロスの言葉に耳を傾ける姿から、王族としての威厳や誠実さを感じさせた。続いて、階段の踊り場から、三浦演じるオイディプスが登場。三浦は、鋭い眼光と威圧的な声色を用い、クレオンが裏切り者だと激しく非難する。2人が口論を繰り広げていると、大空演じるイオカステが現れ、2人を仲裁。大空は慈愛のこもったまなざしで、夫をなだめる妻を演じた。一方、三浦は、イオカステとの会話の中で、自分こそが先王殺害者であることに気付いたオイディプスの動揺を、繊細な仕草や態度で表した。

左から石丸さち子、三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典。

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フォトコール前に行われた取材会には、石丸、三浦、大空、新木が登壇。三浦は「稽古では、素晴らしいスタッフやキャストの皆さんについていく形でしたが、千秋楽まで皆さんを連れていくという強い気持ちで、作品に向き合いたいと思います。これまでたくさんの役者さんがオイディプス王を演じていますが、僕らしさを出せれば良いな」と初日に向けて意気込んだ。

大空は「“私たちが今”作り上げる、新鮮な『オイディプス王』をお届けしたいと思います」、新木は「約2500年前の作品が今でも演劇として形になっていることは、本作が(ギリシャ悲劇の)最高峰である証。そんな芝居ができることに感謝して、挑みます」とそれぞれに思いを述べる。

パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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石丸は「本作が紀元前から上演され続けている理由が、稽古をしてよくわかりました。今を生きる俳優たちの心と身体を通して本作を観ると、死ぬまで何が起きるかわからないという、不条理で理不尽で不公平な時代を、人々がずっと生き抜いてきたことを実感します」と本作の魅力を語った。

パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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取材会では、稽古場でのエピソードを尋ねられる場面も。「作品が重いので、稽古場では雑談するようなテンションにはならなかったですよね(笑)」と、三浦と大空に目配せした新木は「保護猫を引き取るか悩んでいる、と涼介くんに相談したら、『(新木はインドアなのに)余計、外に出なくなりますよ』と言われた」と休憩中のエピソードを明かした。

最後に、登壇者が観客に向けてメッセージを送った。石丸は「ギリシャ悲劇なので多少難しい言葉も出てきますが、心配はありません。俳優たちが生き生きと演じている姿を、実際に目の当たりにしていただければ、今を生きる皆様も知っている感情が伝えられているとわかるはず」と言葉に力を込める。

パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」より。

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新木は「視覚的な激しさはないものの、それだけ僕たちが内側に秘める感情が熱い作品です。僕らの身体から静かに流れ出す汗と共に、皆さんが抱えるフラストレーションも浄化されていくと思います。“静かに燃える”この作品を、楽しんでもらえたら」と期待を述べる。大空は「当初は『本作にどのように挑めばいいのか』といった疑問がありましたが、不思議なことに、セリフを発した瞬間にそれらの疑問が消えて、生命力のようなものが湧き上がってきました。お客様にも、そんな刺激的な非日常を体験していただけると思います」とアピールした。

左から石丸さち子、三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典。

左から石丸さち子、三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典。[拡大]

最後に、三浦が「1カ月の稽古で、皆様からたくさんの愛をいただきました。今度は僕が返していかなければと思っています。人生をかけて、『オイディプス王』に向き合います。千秋楽まで、お客様への愛を込めて演じますので、ぜひ足をお運びください」と呼びかけ、取材会を締めくくった。

上演時間は休憩なしの約2時間。東京公演は7月17日まで行われ、その後19日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される。なお一部公演ではアフタートークが開催される。

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パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念「オイディプス王」

2023年7月8日(土)~17日(月・祝) 
東京都 パルテノン多摩 大ホール

2023年8月19日(土)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:ソポクレス
翻訳:河合祥一郎
演出:石丸さち子

キャスト

オイディプス:三浦涼介
イオカステ:大空ゆうひ
クレオン:新木宏典

預言者テイレシアス:浅野雅博
羊飼い:外山誠二
コリントスの使者:吉見一豊
神官・使者:今井朋彦

コロス:悠未ひろ大久保祥太郎、相馬一貴、岡野一平、津賀保乃、林田航平、小田龍哉、丸山厚人福間むつみ / 皆川まゆむ、笠井瑞丈鷹野梨恵子、嶋崎綾乃、モテギミユ、栗朱音、藤村港平

久米俊輔、渡邊美咲子、ハーン琴子、田伏諒音、竹内禎、竹内紬

※久米俊輔、渡邊美咲子、ハーン琴子は東京公演のみ、田伏諒音、竹内禎、竹内紬は兵庫公演のみ出演。

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読者の反応

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しゅりん @shley_mm

「オイディプス王」初日おめでとうございます㊗️
千穐楽まで無事に演じ抜き、愛を全うできますように🙏
私は🚄でパルテノン🏛️にGOです! https://t.co/PMvEdk7dBW

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