「新春浅草歌舞伎」の製作発表記者会見が、去る11月29日に東京都内で行われた。
「新春浅草歌舞伎」は、若手歌舞伎俳優の登竜門として東京・浅草公会堂で毎年行われていた恒例興行。新型コロナウイルスの影響で昨年から開催が見送られていたが、このたび3年ぶりに上演される運びとなった。今回は出演者総入れ替えの2部制で行われ、第1部には「双蝶々曲輪日記 引窓」「男女道成寺」、第2部には「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」(通称「吃又」)、「連獅子」が並んだ。出演者には
製作発表記者会見には松也、歌昇、巳之助、新悟、種之助、隼人、橋之助、莟玉、そして松竹の山根成之専務取締役が出席。リーダーである松也は、「新春浅草歌舞伎」を「出演することによって経験値が上がりスキルが磨かれていく、僕たちにとっては特別な公演」と表現しつつ、「3年ぶりということで、出演者・スタッフ一同、意気込むところがたくさんありますが、目的はこれまでと変わらず“お客様に楽しんでいただく”こと。いつも通り精進し、翌年につながるような『新春浅草歌舞伎』にしていきたい」と意気込みを述べた。
松也は「吃又」で狩野雅楽之助、「連獅子」で狂言師右近後に親獅子の精を演じる。役について、それぞれ「雅楽之助は初役で演じます。出番こそ少ないけど印象の強い役。きっちりと役の背景を意識しながら演じたい」「1カ月興行で親獅子を勤めさせていただくのは今回が2回目。親獅子として情感をしっかりと身体で表現したい」とコメントした。
歌昇は「吃又」で浮世又平後に土佐又平光起役を演じる。この役は中村吉右衛門から習い、弟・種之助との勉強会「双蝶会」で初めて演じたことを明かしつつ「今回が、播磨屋のおじさま(吉右衛門)が亡くなってから初めての『新春浅草歌舞伎』。個人的な感情や気持ちにもなってしまうかと思いますが、播磨屋という看板をけがさないように覚悟を持って演じていきたい」と言葉に力を込める。また「連獅子」の浄土の僧遍念を初役で演じることには「皆様を和ませる役目。兄弟で踊らせていただけるので、楽しみながら勤めたい」と語る。
巳之助は「出演する『男女道成寺』は、当家ゆかりの舞踊作品。共演する新悟さんには、坂東流の振りをお渡しすることになりますので、家元としての責任も感じています」と述べ、新悟は「『引窓』ではお早を演じますが、1人ひとりの登場人物への心情を大事に勤めたいです。『男女道成寺』は、巳之助兄さんに負けないよう食らいつきつつ、お客様に華やかな気持ちで帰っていただけるように勤めたい」と話す。
1993年生まれの種之助と隼人は、今回が二十代最後の「新春浅草歌舞伎」出演となる。種之助は「『吃又』のおとくを本興行で演じせていただくのは初めてなので、そういった意味でもうれしい。『連獅子』の宗論は、お客様にほっとしていただく時間にできれば。いずれの役も、今まで勉強してきたものを1つの形にしていく気持ちでやっていきたい」と笑顔を見せる。隼人は「新春浅草歌舞伎」への思いを「高校生の頃から出させていただいて、さまざまな役に挑戦させていただいた」と述べ、「『引窓』で今回憧れていた十次兵衛を勤めさせていただけることがうれしい。お役は(片岡)仁左衛門さんに教えていただきます。のびのびと勤めたい」と語る。
橋之助は「『引窓』の濡髪は、父(中村芝翫)も勤めているお役。父にしっかりと教えてもらいます。『新春浅草歌舞伎』では、踊りで出演することが多かったので、お芝居で大きなお役を演じさせていただけてうれしい」と話し、莟玉は「『吃又』の修理之助は、今回で4回目。『双蝶会』でのお二人(歌昇と種之助)のお芝居は客席から『素敵だな』と拝見しておりましたので、そこに修理之助として入っていけることがうれしい。また、『連獅子』は、歌舞伎の世界に入る前から憧れていた演目。仔獅子を演じるにあたり、松也兄さんを親と思って、思い切りぶつかっていきたい」と語った。
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「新春浅草歌舞伎」
2023年1月2日(月・振休)~24日(火)
東京都 浅草公会堂
第1部
一、「双蝶々曲輪日記 引窓」
南与兵衛後に南方十次兵衛:
濡髪長五郎:
女房お早:
母お幸:上村吉弥
二、「男女道成寺」
白拍子桜子実は狂言師左近:
白拍子花子:坂東新悟
第2部
一、「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」
作:近松門左衛門
浮世又平後に土佐又平光起:
女房おとく:
土佐修理之助:
土佐将監光信:中村吉之丞
将監北の方:中村歌女之丞
狩野雅楽之助:
二、「連獅子」
作:河竹黙阿弥
狂言師右近後に親獅子の精:尾上松也
狂言師左近後に仔獅子の精:中村莟玉
法華の僧蓮念:中村種之助
浄土の僧遍念:中村歌昇
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