本当の愛って何?山田裕貴が“魂まで変わる”役作りで挑む「音楽劇 海王星」

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PARCO PRODUCE 2021「音楽劇 海王星」で主演を務める山田裕貴が、10月下旬に東京都内で取材に応じた。

山田裕貴

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「海王星」は、寺山修司が天井棧敷結成前の1963年に書いた、未上演の音楽劇。戦艦の船底にあるホテルを舞台に、主人公の灰上猛夫、その父・彌平、彌平の婚約者・魔子による悲恋の物語が描かれる。嵐で父・彌平を亡くし、落ち込む猛夫のもとに、彌平と再婚し、義母となるはずだった魔子が現れる。2人は、彌平の思い出を語り合ううちに惹かれ合っていく。しかし、死んだはずの彌平が生還して……。今回は演出を劇団俳優座の眞鍋卓嗣が務める。

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山田は「海王星」を読んだ感想を「人間の感情が入り乱れたストーリーですが、ストレートに『本当の愛って何だろう』と思いました」と語る。また山田は作中で魔子が言う「誰も、自分以外の人を作ることなんかできるものですか」というセリフを引用しながら、「この言葉は僕自身が人生で感じたこととリンクしました」「僕は父を尊敬していると同時に、コンプレックスもある。そこは猛夫に近いですし、猛夫を演じるにあたってプラスになると思います。言葉に表せない猛夫の感情を、声やちょっとした動作で表現していけたら」と述べた。

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寺山修司作品への印象については「僕が語るのは難しいのですが」と前置きしながら、寺山の小説を原作とした映画「あゝ、荒野」に出演した際のことを振り返って、「『あゝ、荒野』は愛を欲している人の話だった」とコメント。続けて「『海王星』もそうですし、根底に必ず“愛”がある作品を書かれる方なのかなという印象はありますが……どう思います!?」と記者に質問を投げかけて笑いを誘いつつ、「『海王星』では愛と憎しみが描かれています。僕は見返りを求めない無償の愛こそが、本当の愛情だと思う。でも憎しみも生まれているということは、“愛”ではなく“欲”だったのでは?とか、いろいろと考えさせられましたね」と思いを口にした。

本作は音楽劇となり、劇中には山田による歌唱も予定されている。これについて山田は「僕はとにかくカラオケが大好きで、(舞台で)歌える喜びがすごくある」と話し、志磨遼平(ドレスコーズ)による楽曲の魅力を「僕は楽譜が読めませんが、『次にこの音が来るんだ』『このタイミングで次の音が入るんだ』という面白さがある」と分析。さらに歌と演技のバランスについて「今回の音楽劇では歌を綺麗に届けることを重視するのか、それとも少し歌が乱れたとしても役の感情を乗せることを大事にするのか、その比率はどうなるのか。僕も演出の眞鍋さんに取材したいくらいですね」と笑い交じりに話した。

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役作りについて尋ねられると、山田は「いつも『魂まで変われ』『“俺”は消えろ』と思いながら、稽古に取り組んでいます。その人物について徹底的に考え、気持ちを知ろうとすることが役作りだと僕は思っていて。今回なら『灰上猛夫はこの言葉をどんな音で発するのか?』『どんな息をしてどんな歌を歌うのか?』ということを考えます。実際に芝居についてセッションをしたり、稽古したりする中で得た気付きも取り入れながら演じていますね」と明かした。

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さらに取材会では、山田が舞台の魅力について語る場面も。数々の映画やドラマに出演している山田は「映像と舞台とでは、野球とサッカーくらい違う」と言い、「僕は若輩者で、まだまだ舞台に立つことが怖い。だから魅力にはまだ気付けていないかもしれません。だけど舞台は、お客様の空気を感じられるのが良いなと思います。自分が発したセリフで会場がシーンと“真空”になったような感覚を肌で感じられるのは、舞台だからこそですよね」と思いを述べた。

公演は12月6日から30日まで東京・PARCO劇場で行われるほか、来年1月に大阪・富山・宮城・青森・愛知でも上演される。

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PARCO PRODUCE 2021「音楽劇 海王星」

2021年12月6日(月)~30日(木)
東京都 PARCO劇場

2022年1月8日(土)~10日(月・祝)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

2022年1月15日(土)・16日(日)
富山県 オーバード・ホール

2022年1月19日(水)
宮城県 東京エレクトロンホール宮城

2022年1月23日(日)
青森県 弘前市民会館 大ホール

2022年1月27日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

作:寺山修司
演出:眞鍋卓嗣
音楽・音楽監督:志磨遼平(ドレスコーズ)
出演:山田裕貴、松雪泰子、清水くるみ、伊原六花 / 佐藤誓、冨永竜、山岸門人、澤魁士、眼鏡太郎、野々山貴之 / 内田慈、坪井木の実、白木原しのぶ / 小山雲母、片桐美穂、金井美樹、島ゆいか、吉井乃歌 / 大谷亮介、中尾ミエ、ユースケ・サンタマリア

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