牧は、1934年8月18日にバレエダンサーである牧幹夫と橘秋子の長女として東京に生まれ、4歳で初舞台を踏んだ。1954年、アメリカに留学し、アレクサンドラ・ダニロワに師事。帰国後の1956年には母・秋子と共に牧阿佐美バレヱ団を設立。以降は「コッペリア」初演にて日本人で初めて外国人ダンサーを相手に全幕舞台に主演するなど、活躍する。1968年には振付家デビューし、「ブガク」「トリプティーク」「シルク・ロード」を発表。牧阿佐美バレエ団では数々の作品の日本初演のほか、日本の歴史が題材の「飛鳥物語」をもとにした「飛鳥 ASUKA」など、オリジナル作品を多数制作した。
現役引退後は橘バレヱ学校校長として後進の指導に力を入れ、国内外で活躍するバレエダンサーを育成。1999年から2010年までは東京・新国立劇場の舞踊芸術監督として古典バレエの改訂振付などを行う。2001年に開所した新国立劇場バレエ研修所で所長を務めたほか、海外のバレエ学校でゲスト教師、ローザンヌ、ニューヨークなどの国際バレエコンクールで審査員を担った。
1987年に芸術選奨文部大臣賞、東京新聞舞踊芸術賞、舞踊批評家協会賞を受賞し、1996年に紫綬褒章を受章。2008年には文化功労者に選ばれる。
新型コロナウイルス感染拡大防止に鑑み、葬儀は団員と近親者のみで密葬の儀が執り行われ、後日お別れの会が実施される。
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びします。
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牧阿佐美バレヱ団主宰、舞踊家・振付家の牧阿佐美が死去
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