稲垣吾郎が“慈悲の精神”を持つ死刑執行人を熱演、白井晃演出の「サンソン」幕開け

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稲垣吾郎の主演舞台「サンソン ールイ16世の首を刎ねた男ー」が、本日4月23日に東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で開幕する。これに先駆け、昨日22日に公開ゲネプロが行われた。

舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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これは、18世紀フランスに実在した死刑執行人シャルル=アンリ・サンソンの実話をベースとした新作公演。脚本を劇団☆新感線の中島かずき、演出を白井晃、音楽を三宅純が手がける。中島、白井、三宅は稲垣がベートーヴェン役で主演した「No.9 ー不滅の旋律ー」でもタッグを組んでいた。

舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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耽美で荘厳な音楽と共に幕が開くと、場面は1766年、フランス・パリの高等法院法廷。舞台の三方を囲んだ3階建てのセットは、シーンによって裁判所、ヴェルサイユ宮殿、バスチーユ監獄、そして処刑場に見立てられる。冒頭、稲垣扮するシャルルは、群衆をかき分けながら、マントをひるがえして颯爽と登場した。シャルルはパリで唯一の死刑執行人として民衆に忌み嫌われながらも、国の裁きの代行者“ムッシュー・ド・パリ”と呼ばれる誇り高い男。とある貴婦人から訴えられた裁判で、彼は処刑人という職業の重要性を聴衆に説き、1人の弁護人もいない中、裁判の勝利を手にする。

舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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1774年、ルイ15世が死去し、ルイ16世がフランス国王に即位。国は大きく揺れ、シャルルのもとに次々と罪人が送り込まれる。日々の鬱憤を溜め込んだ貴族や民にとって、処刑見物は一種の娯楽となっていた。心に“慈悲の精神”を持つシャルルは、処刑の残虐性と責務の間で、自身の仕事の在り方に疑問を抱き始める。1791年、すべての死刑囚が斬首となることが決定されると、シャルルは罪人に苦痛を与えずに済む断頭台の製作に取りかかり……。

稲垣は、当時世襲制だった処刑人の4代目としてのプライドを胸に、真摯に職務に向き合うシャルルの誠実さと、内心は死刑廃止論者であることの葛藤を演技の端々ににじませる。苦悩を抱えながらも冷静に刑を執行する、稲垣の鬼気迫る熱演に注目だ。また中村橋之助は、国民たちの境遇に心悩ませる若き王・ルイ16世の優しさと強さを、どっしりとした立ち居振る舞い、セリフ回しで体現。作中では、フランス革命によってもたらされた2人の抗いがたい悲運の行方が語られる。

舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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本作では、チェンバロ職人・トビアス役の橋本淳、蹄鉄工の息子・ジャン=ルイ役の牧島輝、若きナポレオン役の落合モトキ、のちに革命家となるサン=ジュスト役の藤原季節、ジャンの恋人・エレーヌ役の清水葉月らが若々しいエネルギーで舞台に華を添える。シャルルは、彼らと出会うことで、己の価値観を揺さぶられ、法律と罰則について考えを深めていくことになる。

舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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さらに、“ギロチン”の語源とも言われるギヨタン医師役の田山涼成、シャルルの父・バチストと、革命家・ロベスピエール役の榎木孝明が説得力ある演技で脇を固めた。激動の時代に人々の“死”を見届けてきたシャルルの行く末とは……。

上演時間は25分の途中休憩を含む約2時間25分。東京公演は5月9日まで行われ、21日から24日まで大阪・オリックス劇場、6月11日から13日まで福岡・久留米シティプラザにて上演される。神奈川・KAAT神奈川芸術劇場での追加公演は6月25日から27日まで。神奈川公演のチケットは5月29日10:00に販売開始される。

稲垣吾郎コメント

舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」ゲネプロより。

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久しぶりの新作舞台になり、良い緊張感で稽古を続けることができました。

フランス革命期に実在した死刑執行人“サンソン”は、僕がぜひ演じてみたいと思っていた人物でもあります。

重い時代の中でも、社会を良くするために職務に忠実に生きた、サンソンという人物を精一杯演じたいと思います。

白井晃コメント

当初、この様な時世の中で、これほどエネルギーを必要とする作品を作ることが本当にできるのか、大きな不安を持ちながら創作は始まりました。民主政治の源流となったフランス革命の熱と、その時期に実在したサンソンという死刑執行人の苦悩の物語を語るには、余りにも状況が不向きのような気がしたからです。

ムッシュー・ド・パリと呼ばれたひとりの男がたどった人生は、今の私たちからはおよそ想像できないほど過酷なものだったはずです。しかし、その人生に迫ろうとキャスト、スタッフが懸命にリハーサルを積み重ねるうちに、人が集まり創造するという演劇の持つエネルギーが、私たちをどんどん前へと引っ張ってくれ、初めあった不安は少しずつ消えていきました。そして、今、死神のように恐れられたシャルル-アンリ・サンソンの、心の奥底に流れる優しさに触れることができた気がします。フィクションの中にあるリアルを作り出す為に、献身的に惜しみなく力を発揮してくれた、キャスト、スタッフの結束力がもうすぐ実を結びます、きっと。

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舞台「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」

2021年4月23日(金)~5月9日(日)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

2021年5月21日(金)~5月24日(月)
大阪府 オリックス劇場

2021年6月11日(金)~6月13日(日)
福岡県 久留米シティプラザ

2021年6月25日(金)~27日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場

原作:安達正勝「死刑執行人サンソン」(集英社新書)
脚本:中島かずき
演出:白井晃
音楽:三宅純

キャスト

シャルル=アンリ・サンソン:稲垣吾郎

ルイ16世:中村橋之助

トビアス・シュミット:橋本淳
ジャン=ルイ・ルシャール:牧島輝
ナポリオーネ・ブオナパルテ:落合モトキ
ルイ・アントワーヌ・サン=ジュスト:藤原季節
エレーヌ:清水葉月

デュ・バリー夫人:智順
マチュラン・ルシャール:藤田秀世
グロ:有川マコト
ラリー・トランダル将軍:松澤一之

ジョセフ・ギヨタン:田山涼成

シャルル=ジャン=バチスト・サンソン / マクシミリアン・ロベスピエール:榎木孝明

伊藤壮太郎、今泉舞、岡崎さつき、小田龍哉、久保田南美、熊野晋也斉藤悠、高橋桂、内藤好美、中上サツキ、中村芝晶、奈良坂潤紀、成田けん、野坂弘畑中実古木将也、まりあ、村岡哲至、村田天翔、ワタナベケイスケ、渡邊りょう

※高橋桂の「高」ははしご高が正式表記。

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※2021年4月26日追記:4月28日から5月9日までの公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

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