春らしい華やかな演目ずらり「三月大歌舞伎」が開幕

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「三月大歌舞伎」が昨日3月4日に東京・歌舞伎座で開幕した。

「三月大歌舞伎」では尾上菊五郎中村吉右衛門片岡仁左衛門坂東玉三郎をはじめとする豪華な面々が登場する。第1部「猿若江戸の初櫓」は江戸歌舞伎の幕開きを晴れやかに描いた舞踊劇。初世(猿若)勘三郎の働きが認められ、芝居小屋の開場が許されるさまをつづる。本作では中村勘九郎が猿若を快活に、中村七之助が出雲の阿国をはつらつと勤める。続く舞踊「戻駕色相肩」では、尾上松緑扮する堂々とした浪花の次郎作、片岡愛之助扮する粋な吾妻の与四郎、中村莟玉扮する愛らしい禿たよりが、大坂、江戸、京の廓の様子を踊る。舞台には錦絵のような華やぎが立ちのぼるが、次郎作と与四郎の意外な正体が明かされるシーンにも注目したい。

第2部には義太夫狂言の名作「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」と河竹黙阿弥の「雪暮夜入谷畦道 直侍」がお目見え。前者では我が子を平敦盛の身代わりにする熊谷直実の武将としての生きざまを仁左衛門が知勇あふれる姿で魅せる。後者は江戸の蕎麦屋での風情とあでやかな色模様が楽しめる作品。尾上菊五郎が御家人崩れの遊び人・片岡直次郎を、中村時蔵が傾城・三千歳を演じる。

第3部は「楼門五三桐」からスタート。「絶景かな、絶景かな」で始まる大盗賊・石川五右衛門の名せりふで有名な場面で、中村吉右衛門が五右衛門役を、松本幸四郎が真柴久吉役を勤める。2人のこの配役での共演は今回が初。続いて昨日の初日では坂東玉三郎が斑女の前、中村鴈治郎が舟長に扮する幻想的な「隅田川」(Aプロ)が上演された。玉三郎はこのたび、初めて歌舞伎座で「隅田川」を勤める。「隅田川」は「上 雪 / 下 鐘ヶ岬」(Bプロ)の地唄二題と日替わりで上演される。公演は3月29日まで。

「三月大歌舞伎」

2021年3月4日(木)~29日(月)
東京都 歌舞伎座

第1部

一、猿若江戸の初櫓

作:田中青滋

猿若:中村勘九郎
出雲の阿国:中村七之助
若衆:澤村宗之助
若衆:市川男寅
若衆:中村虎之介
若衆:片岡千之助
若衆:中村玉太郎
若衆:中村鶴松
福富屋女房ふく:市川高麗蔵
福富屋万兵衛:坂東彌十郎
奉行板倉勝重:中村扇雀

二、戻駕色相肩

浪花の次郎作:尾上松緑
禿たより:中村莟玉
吾妻の与四郎:片岡愛之助

第2部

一、一谷嫩軍記 熊谷陣屋

熊谷次郎直実:片岡仁左衛門
源義経:中村錦之助
熊谷妻相模:片岡孝太郎
梶原平次景高:片岡松之助
堤軍次:坂東亀蔵
藤の方:市川門之助
白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清:中村歌六

二、雪暮夜入谷畦道 直侍

作:河竹黙阿弥

片岡直次郎:尾上菊五郎
三千歳:中村時蔵
寮番喜兵衛:嵐橘三郎
亭主仁八:市村橘太郎
暗闇の丑松:市川團蔵
按摩丈賀:中村東蔵

第3部

一、楼門五三桐

石川五右衛門:中村吉右衛門
右忠太:中村歌昇
左忠太:中村種之助
真柴久吉:松本幸四郎

二、隅田川(Aプロ)

斑女の前:坂東玉三郎
舟長:中村鴈治郎

二、上 雪 / 下 鐘ヶ岬(Bプロ)

「雪」
芸妓:坂東玉三郎

「鐘ヶ岬」
清姫:坂東玉三郎

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