3つの“拡張”を掲げ、ダンスハウス・DaBYがグランドオープンに向けて意気込み

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Dance Base Yokohama(DaBY)のオンラインプレス発表会が、昨日5月21日に行われた。発表会にはDaBYアーティスティックディレクターで愛知県芸術劇場シニアプロデューサーの唐津絵理、DaBYダンスエバンジェリストで振付家・ダンサーの小尻健太、DaBYアソシエイトコレオグラファーで振付家・ダンサーの鈴木竜がリモートで登壇し、DaBYの説明や今後の展望などを語った。

Dance Base Yokohamaのエントランス。

Dance Base Yokohamaのエントランス。

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Dance Base Yokohamaオンラインプレス発表会の様子。

Dance Base Yokohamaオンラインプレス発表会の様子。

DaBYは、一般財団法人セガサミー文化芸術財団が運営・管理する、プロフェッショナルなダンス環境の整備、およびダンスに関連するクリエイターの育成に特化した事業を企画・運営するためのダンスハウス。4月23日にオープンする予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、開業が遅れている。唐津は「このような状況でもできることを模索し、オンラインでの会見を実施することにしました」と述べ、まずDaBYの空間について説明した。

Dance Base Yokohama平面図

Dance Base Yokohama平面図

Dance Base Yokohamaのアクティングエリアの様子。

Dance Base Yokohamaのアクティングエリアの様子。

歴史的建造物の復元建築、神奈川・KITANAKA BRICK&WHITEの3階に位置するDaBYは、窓などの開口部や柱の位置、天井高などはそのままに、ボックス・イン・ボックスの構法で空間が構成されている。創作活動はもちろんダンスクラスやショーイング、ワークショップなどにも使用できるアクティングエリア、ライブラリーなどのアーカイブエリア、さらにシャワールームや倉庫などから成り、什器はダンサーが自分で移動できるように可動式になっている。

Dance Base Yokohamaのアクティングエリアの様子。

Dance Base Yokohamaのアクティングエリアの様子。

Dance Base Yokohamaのアーカイブエリアの様子。

Dance Base Yokohamaのアーカイブエリアの様子。

唐津は、「劇場が“ハレ”の場だとすれば、ダンスハウスは“日常的な場所”。この空間で、ダンス界の現状の課題に対するたくさんの実験を行いたい。ダンスを拡張していきたい」と思いを述べる。そのうえで“ダンスの観客層を広げる”“専門的な人材を広げる”“若手の登用”という3つの“拡張”を掲げ、ダンスアーティストと観客、クリエイターをつなぐためのダンスエバンジェリストの創設や、ダンサーの相談窓口となるリーガルアドバイザーをスタッフに迎えること、さらに制作者などダンスに携わる若手の育成を積極的に行っていくことを語った。

またDaBYでは、“つくる、そだてる、あつまる、むすぶ”をコンセプトに、さまざまな事業を展開していく。具体的には“プロフェッショナルなクリエイターによるダンス作品の創作(レジデンス)”“プロのためのセミナーやワークショップの開講(プロラボ)”“一般の観客を対象にしたプログラムの実施(オープンラボ)”“国内外の劇場、アーティストとの関係性作り(ネットワーク)”に取り組む予定で、唐津は「海外のダンスハウスとは異なる、日本の状況に即した場にしていきたい」と展望を語った。

さらに唐津は、「ここまではコロナ以前に考えていたプロジェクトですが、ここからは今後についてのお話です」と前置きしたうえで、「当初DaBYは、ダンスに興味がある方たちが集まる場にしたいと考えていましたが、コロナにより“集まる”ことが難しくなり、方向転換を余儀なくされました。しかしそのことによって、オンライン上でのつながりも重要ではないかと再認識しています」と話し、中止になったオープニング記念イベント「TRIAD DANCE DAYS- 都市を振り付ける3日間-」に代わるオンライン企画「TRIAD INTERMISSION」や、インスタライブなどの配信企画「DaBY Channel」、さらに新型コロナウイルスで被害を受けたダンスアーティストにスタジオを無償提供するアーティストサポートを実施することを明かした。

小尻健太(c)Carl Thorborg

小尻健太(c)Carl Thorborg

続けてダンスエバンジェリストの小尻とアソシエイトコレオグラファーの鈴木が挨拶。小尻は「過去10年、日本とオランダを拠点に活動してきましたが、常にダンス活動の環境に苦労してきました。ヨーロッパと日本の(ダンサーを取り巻く)状況を簡単に比べることはできませんが、私がしてきたさまざまな経験を生かして、ダンサーが活動するための基盤作りをしつつ、ダンスを広く知っていただけるような活動をしていきたいです」と思いを述べる。鈴木は「(ダンサーにとって)プロフェッショナルな環境が整っているとは言い難い日本で、DaBYのアソシエイトコレオグラファーは大きく責任ある役職。身が引き締まる思いです」と緊張を見せつつ、「若手世代として、ダンスを取り巻く環境や新しいダンスの在り方を模索できるような活動ができれば」と思いを語った。

最後に唐津は、新型コロナウイルスを巡る昨今の状況を踏まえ、「自分のミッションを見直すと共に、ダンスの役割について改めて考える機会となりました」と話し、「これまで一緒に仕事をしてくださったたくさんのアーティストやスタッフの方々、さらにこれから未来にダンスに興味を持って、一緒にやりたいと思ってくださる方たちを広く巻き込む形で、新たな挑戦をしていきたいと思っています」と力強く語った。

なおDaBYのグランドオープンは6月中を予定しているが、緊急事態宣言の解除など周辺環境に鑑みながら決定される。さらに5月28日にスタートする「DaBY Channel」では、開設記念として金森穣と小尻による「DaBY talk Live vol.1」を5月23日に、近藤良平と鈴木による「DaBY talk Live vol.2」を5月28日にInstagramにて行うほか、6月27日には山本康介をゲストに招いた「Open Lab Vol.1」を開催する予定。「Open Lab Vol.1」の実施方法については今後の発表を待とう。

※小尻健太の「尻」はかばねに丸が正式表記。

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「DaBY Channel」プログラム

DaBY Channel 開設記念「DaBY talk Live vol.1」配信

2020年5月23日(土)21:00~
出演:金森穣、小尻健太

「DaBY talk Live vol.2」配信

2020年5月28日(木)21:00~
出演:近藤良平、鈴木竜

「Open Lab Vol.1」

2020年6月27日(土)
ゲスト:山本康介

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