ミュージカル「ファントム」が、本日11月9日に開幕する。それに先駆け、昨日11月8日に囲み取材とゲネプロが行われた。
ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」を原作に、アーサー・コピットが脚本、モーリー・イェストンが作詞・作曲を手がけた本作は、1991年にアメリカで初演されたミュージカル。2014年にファントム(エリック)役を担当した
まず劇場に入ると、ロビーには作品の舞台となるフランス・パリをイメージした街灯やオルゴールが飾られており、観客は場内に入る前から「ファントム」の世界観を楽しむことができる。また上演前には、
この日行われたゲネプロでは、加藤がファントム(エリック)、愛希がクリスティーヌ、廣瀬がシャンドン伯爵を務めた。本作の見どころは、“人間”エリックとしてのファントムだ。加藤は、理知的でありながらも感情の起伏が激しく、自分をうまくコントロールできないエリックを、少年のような繊細さを湛えた芝居で立ち上げた。愛希は、“歌の先生”であるエリックを尊敬しながら、エリックの心の純粋さに対し、母性的な愛情を抱くクリスティーヌを表情豊かに演じる。劇中でたびたび披露される、エリックとクリスティーヌのデュエット「You are music」では、エリックにとって唯一の希望の光であった“音楽”で気持ちを通わせる2人の姿を、加藤と愛希は時に楽しく、時に悲しく、時に切なく歌い上げ、観客の心を揺さぶった。
廣瀬は、クリスティーヌに惹かれるシャンドン伯爵をロマンチックに表現。シャンドン伯爵がパリの夜道でクリスティーヌに愛を告げるシーンでは、廣瀬は軽快なダンスや深く響く歌声で、まるで映画のワンシーンのような幻想的な空気を作り出す。カルロッタ役の
ゲネプロ前に行われた囲み取材には、加藤、城田、愛希、木下、廣瀬、木村が扮装姿で登場。まず城田は「ちょっと言葉にできない謎の感情と戦っています」とやや緊張気味に話し始め、「実は僕自身の稽古が足りていなくて。だから演出家ではなく役者としての不安要素があるのですが(笑)、でも作品としては完璧です!」とコメント。さらに「演出と主演を両立させるのは初めての経験で、人生で一番大変でした。最高のクオリティを追求したいが故に葛藤した部分がたくさんありましたが、とにかくできることはすべてやりました。2019年で一番輝かしくて、愛に満ちていて、希望と絶望が入り混じった、最高のエンタテインメントができたと自負しております」と仮面越しに笑顔を見せた。
続いて司会が「演出家としての城田はどうだったか」と加藤に問いかけると、突然城田が加藤に耳打ちを始める。耳打ちが終わると、加藤は「素晴らしかったです。こんなに素敵な人は世の中にいないと思います(笑)!」と城田から言われたままの言葉をよく通る声で答え、報道陣の笑いを誘う。司会の質問に対し、加藤は改めて「彼は『ファントム』という作品を非常に愛しているので、そんな彼についていくことが作品をよくするうえで一番の近道だろうというのは、ここにいる僕らだけではなく、この作品に関わる全員が思っていたこと。彼にはそういう、“人を引っ張る”演出家としての力があるんです」とはっきり言い切った。
城田を「愛にあふれた人」と表現した愛希は、「私も『城田さんについていこう』という気持ちだけで稽古をしてきました。さっきご自身の稽古時間が足りず不安だとおっしゃっていましたが、それは、それだけ私たちに時間を費やしてくださったということ。とても感謝しています」と微笑み、木下は「稽古期間から本番までをあっという間に感じたのは、今回が初めて。ものすごく充実した時間でした。城田さんは自分が一番にエネルギーを出して、みんなを引っ張ってくださった。その大きく頼もしい背中を見ながら、必死に走ってきました」と稽古を振り返った。
廣瀬は、同い年であるという城田について「ただただ尊敬しかない」と語りつつ、「誰よりも大変なポジションなのに、誰よりもパワフルでエネルギッシュにカンパニーを引っ張っていってくれた姿に感動しました。明日、初日が明けますが、お客さんはもちろんですけど、僕としてはまず初めに城田優を感動させたい」と意気込みを述べる。木村は「稽古が始まる前に、(城田から)『余裕がなくなったら、みんなに厳しい言葉をかけてしまうこともあるかもしれない』って話をされていたんですけど、結局最後までいつも笑顔で現場にいてくれました。そんな優くんに、本番を通して成長した姿を見せたいですね」と城田に視線を送ると、城田は「……何なんですかね、この会見。ただただ褒められて恐縮なんですけど……(笑)」とむず痒そうな表情を浮かべ、報道陣を和ませた。
最後に城田は「約2年前から始まったプロジェクトですが、今日という日まで、毎日毎日熟考して作り上げてきました。本作の大きなテーマは“愛”ですが、劇中ではさまざまな愛の形が描かれているので、どんな方でも楽しめる作品だと思っています。僕が愛してやまないこの作品を、僕が一体どう描いたのか。劇場で体感してください」と観客に呼びかけ、会見を締めくくった。
上演時間は20分の休憩込みで、約3時間を予定している。東京・TBS赤坂ACTシアター公演は12月1日まで行われ、その後、12月7日から16日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演される。
ミュージカル「ファントム」
2019年11月9日(土)~12月1日(日)
東京都 TBS赤坂ACTシアター
2019年12月7日(土)~16日(月)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
原作:ガストン・ルルー
脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:
キャスト
ファントム(エリック):
クリスティーヌ・ダーエ:
フィリップ・シャンドン伯爵:
カルロッタ:
アラン・ショレ:
ジャン・クロード:
ルドゥ警部:
ゲラール・キャリエール:
アンサンブル:安部三博、伊藤広祥、大塚たかし、岡田誠、五大輝一、Jeity、
少年エリック:大河原爽介 / 大前優樹 / 熊谷俊輝
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