読売テレビプロデュース「わたしの星」の成果発表が、昨日8月5日に兵庫・城崎国際アートセンターにて行われた。
「わたしの星」は、
昨日の成果発表は、7月29日から城崎国際アートセンターにて行われていた、合宿の成果を披露するもの。舞台美術などは仮のものだが、本番さながらの衣装付き通し稽古となった。左右を客席に囲われた細長い舞台には白い円が2つ描かれ、一方の円の中心には脚立が置かれている。そこへ、童謡「海」のメロディをピアニカで奏でながら制服姿の女性が姿を現した。彼女は自分が2019年の女子高生であると客席に語りかけ、今からここに“未来の高校生”がやって来ると言う。そこへ楽器を持った高校生たちが姿を現した。
物語は登場人物それぞれのモノローグを挟み込み、さまざまな時間軸に飛びながら展開。みんなのまとめ役を担いつつも自分の弱さに悩む高校生、憧れのマイケル・ジャクソンのことしか考えられない高校生、家のために自分の夢を諦めようとしている高校生、好きな人に思いを伝えられずにいる高校生……など、物語が深まるにつれ、各人の複雑な内面が浮き彫りになっていく。
大阪版の特徴の1つは、関西弁をベースにしたセリフだ。特に、ラップに乗せて語られるモノローグ部分は、登場人物がストレートな思いを吐露するシビアな場面でありながら、どこか温かみを持ったセリフとして響く。また冒頭に登場した“2019年の女子高生”が実は幽霊で、彼女が“どこにもいけず、未来を傍観する存在”として描かれるのも大きな特徴となっている。
発表後、ハルト役の高橋遼大、フワ役の一森風和里、そして柴に話を聞いた。高橋は「高校生とプロが一緒に作品を作れることに惹かれ」、オーディションを受けたと話し、「これまでずっと歌とダンスをやってきたので、今後もそれだけをやっていきたいと思っていたのですが、この1、2カ月ずっと『わたしの星』の稽古を重ねてきたことで、演劇がやりたいなと思うようになって。この作品は、お客さんだけでなく、演じている僕の心も動かしていると思います」と作品への思いを語る。
一森は、「お客さんの反応で、自分の演技が変わることがわかった」と成果発表の手応えを述べ、10日後に控える初日に向けて「お客さんに観せられるものがもうできている。これを早く、たくさんの人に観せたいなと思います」と自信をのぞかせた。
「過去の『わたしの星』も公開稽古自体はやっていましたが、ここまで“完全通し(稽古)”を観てもらったことはなかったので、初日が1回開けた感触」と話す柴は、今回のチームについて「大阪の高校生たちは台湾の高校生とちょっと似ている。あっけらかんとしているというか、人にどう観られるかをあまり意識しない演技をします」と述べる。上演のたび、キャストに合わせて少しずつ書き換えてきた本作を「タレが熟成されている感じ(笑)」と表現し、「初演では小豆島や福島のことを考えて作ったのですが、昨年台湾で上演したこともあり、そこからはだいぶ意識が離れました。また今回、現在の大阪ということを意識して、2019年の大阪の高校生が幽霊として(未来を)見つめている、という視点を取り入れたことが大きな試みです」と続けた。初日に向けては、「演技のことでいっぱいいっぱいになっている状態を経て、初日にバッチリ合わせられるよう、準備していきたい」と力強く語った。
「わたしの星」本公演は8月15日から23日に大阪・読売テレビ 新社屋10hallにて行われる。
読売テレビプロデュース「わたしの星」成果発表
2019年8月5日(月)19:00~ ※イベント終了。
兵庫県 城崎国際アートセンター
読売テレビプロデュース「わたしの星」
2019年8月15日(木)~23日(金)
大阪府 読売テレビ 新社屋10hall
作・演出:
出演:オーディションで選ばれた高校生
※初出時、公演日程に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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