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“2.5次元のトップランナー”4人がトーク、松田誠「佐藤流司は同志」

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左から佐藤流司、松田誠。

左から佐藤流司、松田誠。

インタビュー集「2.5次元のトップランナーたち」(集英社)の刊行を記念したトークイベントが昨日3月17日に東京都内で行われ、演劇プロデューサーの松田誠、演出家の茅野イサム、作曲・編曲家の和田俊輔、「ミュージカル『刀剣乱舞』」の加州清光役で知られる佐藤流司、そして著者の門倉紫麻が登壇した。

昨年2018年12月に発売された「2.5次元のトップランナーたち」は、松田、茅野、和田、佐藤のインタビューや、松田と佐藤の対談、マンガ家・古屋兎丸による描き下ろしマンガとインタビューを収録した書籍。今回のイベントでは、2.5次元ミュージカルにおいて各セクションで活躍する4人が、「2.5次元のトップランナーたち」でそれぞれが語った内容を交えながら、ざっくばらんにトークを繰り広げた。

「関係者として、2.5次元作品のどんなところに魅力を感じるか」と問われた和田は「2.5次元は“省略の芸術”というか……作品の本質を捉えたうえで取捨選択する力に優れていますよね」と分析。松田は「やっぱり見たことがない画を作れるのが楽しいですよね。茅野さんも和田さんも小劇場出身だからわかってもらえると思うんですが、ある程度予算があって作りたいものを具現化することができる、というのは演劇人にとって非常にありがたいことなんですよ」と述べる。茅野も松田の意見に賛同しながら、「演出家としては、俳優とキャラクターがスパークする瞬間を見られるのがとても刺激的」とコメント。佐藤は「2.5次元は若手俳優の登竜門でもありますが、人々の目に多く触れるぶん、ハイリスクハイリターンな側面もあると思っていて……」と率直な意見を述べつつ、「キャストもスタッフもお客さんも熱量がすごいですよね。自分含め!」と実感を語る。

さらに佐藤からは、昨年フランス・パリで上演された「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞2018 巴里~」での出来事や、昨年末に放送された「第69回NHK紅白歌合戦」の裏話も飛び出した。

続いて公演のチラシについてトークするコーナーへ。松田が、自身がこだわったという「犬夜叉」や「ミュージカル『刀剣乱舞』」のチラシを例に挙げ、「ビジュアルには製作陣の作品に対する“本気度”が表れるし、お客さんもそこをよく見ていますよね」と述べると、「犬夜叉」と「ミュージカル『刀剣乱舞』」、いずれも演出を手がけた茅野が「チラシのビジュアルは稽古に入る前に撮るので、俳優がまだ役になっていない状態なんです。そこが難しいところ」「チラシのイメージがクリエーションに影響する場合もありますよね」と返答。

また松田は、佐藤がうちはサスケ役を務めた「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」のチラシを見ながら、「流司はいつもは冷静だけど、サスケを演じていたときは役に飲まれてたよね。ずっとピリピリしてた」と当時を振り返る。同作の音楽を手がけた和田が「流司くん、めちゃめちゃ怖くてブルブルしてました(笑)。あのときは言えなかったけど、流司くんのサスケ、本当によかったよ!」と佐藤に呼びかけると、佐藤は「ははは! ありがとうございます。サスケは常にエネルギーを放出できる役だったので、演じていて気持ちよかったですね。俺、お芝居をやる中で“怒り”を表現することが一番楽しいって感じるかもしれない」と明かした。

イベント後半、「2.5次元の今後の展開」について話がおよぶと、松田は「“2.5次元バブル”なんて言われていたりしますが、今ようやくスタート地点に立てた気がしていて。これからもみんなでがんばっていきたいですよね」と決意を新たにし、茅野は「2.5次元に興味を持ってくださったお客さんがほかのジャンルの演劇を観ることによって、演劇の裾野が広がったらいいなと思います」と展望を語る。続く和田は「音楽の世界では往往にしてあることなのですが」と前置きして、「“2.5次元バブル”が弾けてなくなるのではなく、ジャンルの垣根自体がなくなって、2.5次元のエッセンスが演劇界全体に浸透していったらいいですよね」と笑顔を見せる。最後に佐藤が「若手俳優というのは賞味期限があるものなので、できるうちに新しいことをどんどんやって、その先を切り開いていかないといけない」と真摯に述べると、松田は「2.5次元について真剣に考えてくれるから、流司は本当に頼もしい。俺らは俳優とプロデューサーっていうより“同志”に近いよね」と佐藤の肩に優しく手をかけた。

終盤には、4人が観客の質問に答える“お悩み相談”のコーナーも。「就活に対するアドバイス」「大事な仕事の前に必ずやっているルーティーンは?」「がんばれないとき、どう対処しているか」「俳優として、クリエイターとして、ファンに何を求めているか」といった質問に、4人は冗談を飛ばして会場を和ませながら、自身の経験を交えつつ、1つひとつの質問に真剣に答えていた。

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