ミュージカル「イヴ・サンローラン」始動に荻田浩一「孤独と苦闘モチーフに」

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来年2019年2・3月に上演されるミュージカル「イヴ・サンローラン」の製作発表が、本日10月30日に東京・フランス大使公邸で実施された。

左から海宝直人、東山義久。

左から海宝直人、東山義久。

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本作は、約40年にわたりファッション業界をリードした、フランスを代表するファッションデザイナー、イヴ・サンローランの生涯を描くミュージカル。荻田浩一が作・演出を手がけ、イヴ・サンローラン役は東山義久海宝直人がWキャストで演じる。このほか出演者には、伊東弘美皆本麻帆上原理生大山真志川原一馬神田恭兵奥田努和田泰右、さらに安寿ミラらが名を連ねた。

前列左から海宝直人、東山義久、安寿ミラ。後列左から川原一馬、上原理生、大山真志。

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本日の製作発表には荻田をはじめ、ローラン・ピック駐日フランス大使、フランス大使館文化参事官およびアンスティチュ・フランセ日本代表のピエール・コリオ、音楽を手がける斉藤恒芳、衣装を担当する朝月真次郎、さらにそれぞれスタイリッシュなモノトーンの衣装に身を包んだ東山、海宝、上原、大山、川原、安寿が登壇した。

左から海宝直人、ローラン・ピック駐日フランス大使、東山義久。

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ピック大使はサンローランについて「彼は栄華そのものの象徴で、常にクリエーションや美を追求していた方だと思う。ご自身もとても繊細で、素敵な人であったことは間違いありません」と所感を述べる。さらに大使は、サンローランの生涯のパートナーだったピエール・ベルジェが「イヴ・サンローランは、20世紀の女性の歩みに伴走し続けてきた人。女性の解放にとても関心があり、先に立っていた」と語ったことを挙げ、「20世紀に変わっていった女性たちをファッションの面から応援していたのかもしれない」と分析。ミュージカルの上演に向けては「日本の皆様に改めてサンローランを発見していただく機会になる」と期待を込めた。

荻田浩一

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荻田は本作の演出について「これから皆さんと作り上げていきたい」と話しつつ、サンローランの人物像を「彼はネガティブな部分も隠さずオープンにされていた方。繊細すぎる心とあふれすぎる才能で、心身をすり減らして作品を作っていた」と語り、「彼の孤独と苦闘が最大のモチーフになっていきそうです」と構想を明かした。

斉藤恒芳

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朝月真次郎(中央)

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楽曲を制作中だと言う斉藤は「こんなに早く筆が進むのは初めて」と快調ぶりを語り、「今ふうな楽曲と1960年代の雰囲気を混ぜて、楽しい感じにできたら」と展望を述べる。またファッションデザイナーの朝月はサンローランを「既製服の神様」と紹介し、「イヴ・サンローランに恥じない衣装デザインを、わたくしの人生最後の作品、くらいの気持ちで作らせていただきます!」と気合十分に述べた。

左から海宝直人、ローラン・ピック駐日フランス大使、東山義久。

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タイトルロールを務める東山は「イヴ・サンローラン役が僕だと聞いたときは、『えっ、誰がやるって?』と聞き直しました(笑)」と当時の心境を振り返る。海宝とのWキャストについては「“モードの帝王”と言われたサンローランにどういう光と闇があったのか、僕は僕なりに、海宝くんは海宝くんなりに役を生きていけたら」と海宝に視線を送った。東山と同じくイヴ・サンローラン役を演じる海宝は「イヴ・サンローランが歌うというのは想像していなかった」とオファーを受けた際の驚きを語る。Wキャストでの出演には「2人とも持ち味が違う。どうなっていくのか楽しみです」と期待を寄せ、「イヴ・サンローランの似合う男になれるようがんばりたい」と抱負を語った。

上原理生

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大山真志

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川原一馬

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ピエール・ベルジェ役の上原は「本国からさまざまなご後援をいただいて作品が動いている。実在の人物を演じますので、敬意を持って誠実に向き合って作っていきたい」と言葉に力を込める。続く大山は、ベルジェとクリスチャン・ディオールを役替わりで担当。出演に向けて、大山は「ベルジェはサンローランをずっと支え続けてきた人物。僕も彼のようにこの作品の支えになれる俳優として舞台に立ちたい」と意気込んだ。またサンローランのイメージを「彼にとって生きることとは、デザインすることだったのだと思う」と述べたのは川原。さらにディオール役を演じることに触れ、「歴史的にも素晴らしい功績を残しているディオールを演じられることで、身が引き締まる思い」と真剣な表情を見せた。

安寿ミラ

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ココ・シャネルほかを演じる安寿ミラは「フランスが好きなので30年近く訪問し続けていますが、そんな私がシャネルを演じられることがうれしい」と笑顔を浮かべる。実在の人物を演じることについては「シャネルさんの資料がたくさんありますので、これからさらに見聞を広めて演じられたら」と意気込みを述べた。

司会者からのクイズに正解した東山義久(左)と、東山に拍手を送る海宝直人(右)。

司会者からのクイズに正解した東山義久(左)と、東山に拍手を送る海宝直人(右)。[拡大]

司会者から「カリスマ性のある実在の人物を演じるにあたって心がけたいことは?」と質問されると、東山は「荻田さんから『義くん(東山の愛称)独特の“オラオラ感”を消してくれ』と言われまして……」と苦笑交じりにエピソードを紹介しつつ、「繊細に作っていきたい」と役作りを語る。また海宝はパリを訪ねた際にイヴ・サンローラン美術館を見学したと言い、「実際の仕事場を再現しているエリアもあって、彼のセンスや感覚は簡単には表現できないと思うんですが、パリのあの空気感を少しでも膨らませながら、役のイメージを作っていけたら」と抱負を述べた。

挨拶ののち、出演者全員が本作のテーマ曲を歌唱し、会見は和やかに終了。ミュージカル「イヴ・サンローラン」の公演は、19年2月15日から3月3日まで東京・よみうり大手町ホール、3月26日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて。チケットは、東京公演分が12月15日、兵庫公演分が12月9日に一般販売を開始する。

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ミュージカル「イヴ・サンローラン」

2019年2月15日(金)~3月3日(日)
東京都 よみうり大手町ホール

2019年3月26日(火)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作・演出:荻田浩一
音楽:斉藤恒芳

キャスト

イヴ・サンローラン:東山義久(Wキャスト) / 海宝直人(Wキャスト)

伊東弘美皆本麻帆 / 上原理生(Wキャスト)、大山真志(Wキャスト)、川原一馬(Wキャスト)、神田恭兵奥田努和田泰右 / 青木謙、RIHITO、中塚皓平、橋田康、小野沢蛍、中岡あゆみ / 安寿ミラ

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