ニンゲン御破算が15年ぶりに“再誕”、阿部サダヲ「このあと15年以上やらない」

シアターコクーン・オンレパートリー2018「ニンゲン御破算」が、昨日6月7日に東京・Bunkamura シアターコクーンで開幕した。

松尾スズキが十八代目中村勘三郎（当時・中村勘九郎）に当てて書いた2003年上演の時代劇「ニンゲン御破産」をもとに、新たに阿部サダヲ主演版として制作される本作。勘三郎が演じた加瀬実之介役を、当時の勘三郎と同年齢になる阿部が演じ、阿部が演じた灰次役を岡田将生が務める。このほか共演者には多部未華子、荒川良々らが名を連ねた。

時は幕末。大の芝居好きの加瀬実之介（阿部）は、人気狂言作者・鶴屋南北（松尾）、河竹黙阿弥（ノゾエ征爾）のもとへ弟子入りを志願していた。しかし南北に「あなた自身の話のほうが面白そうだ」と言い放たれた実之介は、自分や自分の人生に関わってくる“ニンゲン”たちの物語を語り出し……。なお、幕末どさくさ社中による邦楽の生演奏も、本作の見どころの1つとなっている。

開幕に際し松尾は「今回は作品の本質的なものを伝えたいという思もあり、物語だけで自立出来るよう求心力を心がけました」とコメント。阿部は観客に「この作品はこのあと15年以上やらないと思うので（笑）、このチャンスを逃さないように」と来場を呼びかけている。上演時間は途中休憩ありの約3時間10分。東京公演は7月1日まで行われ、その後、7月5日から15日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。

松尾スズキ コメント

初演の時は、カオスな演出で観客をけむに巻くのが面白かったのですが、今回は作品の本質的なものを伝えたいという思もあり、物語だけで自立出来るよう求心力を心がけました。
「本格的時代劇」というには脚本がぶっとんでいる部分もありますが、細部のリアリティから逃げないよう、きちんと江戸時代という事を頭に認識させて演出し、役者もそれによく応えてくれました。
松尾流、日本初のオリジナル幕末エンターテインメントに仕上がったのではないかと思います。
皆さんぜひ観にいらしてください。

阿部サダヲ コメント

本作の見どころ

江戸時代の芝居小屋を彷彿とさせるセットがカッコいいです。そのセットにプールのように水をはっている部分があって、
そこへ人が飛び込んで行くだけでも面白いなと思います。また、今回は生演奏が入っていて、邦楽の笛や鳴りものの和の音が作品の世界観に合って効いていてカッコいいです。

観客へのメッセージ

初演の時より分かり易くなっていると思いますし、再演ではありますがリニューアル感を強く感じて、初めて観る方も、もちろん初演を観ている方も面白くご覧いただけると思います。そして、阿部サダヲとしてこんなに出ずっぱりでこんなにセリフを喋っている舞台は初めてなのでそれも見て頂きたいです。この作品はこのあと15年以上やらないと思うので（笑）、このチャンスを逃さないように。

岡田将生 コメント

初日を迎えるにあたっての手応えや心境

手応えではありませんが、僕自身新しい役をやらせて頂けているので無我夢中にやるつもりですし、稽古は裏切らないと思うので、灰次という役を100%以上やりきろうと思っています。

本作の見どころ

仇討ち隊の皆様。素敵です。

観客へのメッセージ

最後にどんでん返しがあります。観たあと必ず劇場から出た時に頭から最初の芝居を一つずつ思いだして繋げていくはずです。楽しみにしていてください。

多部未華子 コメント

初日を迎えるにあたっての手ごたえや心境

ドキドキしていますが、賑やかで華やかで、なんだかお祭りのようで、わたしもとても楽しみです。

本作の見どころ

登場人物すべての行く末。

観客へのメッセージ

日常生活を忘れるくらい世界観にどっぷり浸って、楽しく観劇できますように。

荒川良々 コメント

初日を迎えるにあたっての手ごたえや心境

僕はただただ一生懸命やるだけです。

本作の見どころ

お客さんに実際観て決めて頂きたいです。

観客へのメッセージ

上演時間が長めなので、体調を整えて観に来てください。