5月に東京・Bunkamura シアターコクーンで上演される「渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾『切られの与三』」の製作発表が本日4月13日に東京都内で行われ、松竹株式会社の安孫子正取締役副社長、株式会社東急文化村の中野哲夫代表取締役社長、演出を務める
「切られの与三」は、「切られ与三」の通称で親しまれている三世瀬川如皐の江戸世話物「与話情浮名横櫛」を原案とした作品。少年時代に観劇した「与話情浮名横櫛」に感銘を受けて以来、かねてより本作に挑戦したかったという串田は「これまでの『コクーン歌舞伎』では、俳優の皆さんから上演演目を提示してもらうことが多かったが、今回は僕のほうから提案しました」と、上演に至った経緯を明かす。またシアターコクーンと歌舞伎の関係についても言及し、「歌舞伎小屋のような賑わいのある劇場にしたい、というコンセプトがもともとあって。見た目は歌舞伎小屋と真逆かもしれませんが、シアターコクーンという劇場には、人と人の関わりを大切にするという歌舞伎の精神が息づいています。そのことを今改めて実感しています」と感慨深げに述べた。
補綴として参加する木ノ下は「戦々恐々としております……(笑)」と恐縮しつつ、「『コクーン歌舞伎』の魅力は、古典作品を扱っていながらも、過去と現在が地続きになっているように感じられるところ。そこに毎回感動します」と熱い思いを吐露。また与三郎役を勤める七之助は「『コクーン歌舞伎』は父(故・十八世中村勘三郎)が残してくれた宝物の1つです」と笑顔を見せ、「与三郎は、立役の俳優からすると演じてみたい役の1つだと思います。この作品の上演が発表されたとき、真っ先に声をかけてくださったのが過去に与三郎を演じられた現・松本幸四郎さんと片岡愛之助さんだったので、やはり特別な思い入れがある役なのでしょうね。お二人から『与三郎の傷はこうやって書くんだよ』とレクチャーしていただきました(笑)」と自身が演じる与三郎について語った。
「コクーン歌舞伎」初参加となる梅枝が演じるのは、与三郎の相手役であるお富。「七之助の兄さんの相手役ということで、本作を観たお客様に『七之助さんの女形が観たかったな』と言われないよう、一生懸命勤めてまいります」と冗談交じりに意気込みを述べた。
また、音楽面でどのように作品を立ち上げていくのかと問われた串田は「現段階では“疾走”という言葉が頭に浮かんでいる」とコメントし、ピアノを使用したジャズ調の音楽を盛り込む予定であることを明かす。さらに「今までの『コクーン歌舞伎』ではピアノを使ったことがなかったので、ピアノと歌舞伎がどんな化学反応を起こすか楽しみ」と期待を込めた。さらに木ノ下は脚本の構成について、「“傷”がテーマになってくると思います。社会全体の傷を、与三郎が請け負っているという読み方ができるような本にしたい」と構想を語った。
「渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾『切られの与三』」は、5月9日から31日までBunkamura シアターコクーンで上演。
「渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾『切られの与三』」
2018年5月9日(水)~31日(木)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
作:瀬川如皐作「与話情浮名横櫛」より
補綴:
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ようやく木ノ下さんのコメントが✨
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