シス・カンパニー公演「近松心中物語」が、本日1月10日に東京・新国立劇場 中劇場にて開幕する。
秋元松代原作、蜷川幸雄演出により1979年に初演された「近松心中物語」。今回演出を担当するのは、2009年に上演されたシス・カンパニー主催公演「怪談 牡丹燈籠」と、13年の「今ひとたびの修羅」を手がけた劇団☆新感線・
開幕に際し、演出のいのうえは「気心の知れた堤くんやりえちゃんたちと一緒に、僕たちのリズムとやり方で、新しい『近松心中物語』が作れたのではないか、と思っています」と手応えを語り、堤は「信頼できるメンバーたちと創る現代演劇としての『近松心中物語』を皆さんにお見せしたいです」とコメント。宮沢は「最初に創られた蜷川さんをリスペクトしながら、私たち全員が同じ熱量で新しい物語を成立させれば、お客様の記憶に深く刻まれる作品にできる、と思っています」と思いを明かした。公演は2月18日まで。
いのうえひでのりコメント
「いのうえは、あの『近松』をどう見せてくれるのか……」という皆さんからの無言のプレッシャーをヒシヒシと感じながら、日々稽古に臨んできました。何と言っても、「近松心中物語」は、まさに「蜷川スペクタクル演出」の真骨頂であり、「蜷川歌舞伎」とも言える様式美がありました。そこはあえて抵抗せず、リスペクトしながら、僕なりの形で継承したいと考えています。物語の主軸は、二組のカップルが心中へと向かうまでのシンプルでストレートな話。
とてもスピーディな展開に笑いもあります。それを気心の知れた堤くんやりえちゃんたちと一緒に、僕たちのリズムとやり方で、新しい「近松心中物語」が作れたのではないか、と思っています。
堤真一コメント
「愛を貫くために死を選ぶ」という決断が、現代のお客様に果たして納得していただけるのか、、、
それが稽古前に考えていた課題でした。物語自体もシンプルで、出会ってすぐに恋に落ちて、身請けのために公金に手を付けて、心中へと突き進むという三段跳び的な唐突感もある展開(笑)。もちろん、りえちゃんが美しいので、一目惚れの設定には一番説得力がありますが(笑)、忠兵衛の心情面では、僕自身の中でロジックをきちんともって、忠兵衛と梅川の心の動きに真実味をしっかりと見せられるよう心がけて稽古を積み重ねてきました。いよいよ開幕です。いのうえさんと信頼できるメンバーたちと創る現代演劇としての「近松心中物語」を皆さんにお見せしたいですね。
宮沢りえコメント
秋元松代さんの台詞はとても綺麗でストレート。いのうえさん演出の独特の“魅せる”表現の仕方もあり、稽古に入る前までは、実は、少し気恥ずかしさも感じていたんです。これを自分のものにするには、相当のパワーが必要だと覚悟していました。でも、稽古を重ね、堤さんたちと台詞を重ねていくうちに、これは、梅川の人生の中で、心から血を流しながらも清らかな水のように出てくる言葉なのだと、自然に腑に落ちてきました。忠兵衛・梅川の純愛を、私たちの演技で感じてもらえるようにしたいですね。また、最初に創られた蜷川さんをリスペクトしながら、私たち全員が同じ熱量で新しい物語を成立させれば、お客様の記憶に深く刻まれる作品にできる、と思っています。
シス・カンパニー公演「近松心中物語」
2018年1月10日(水)~2月18日(日)
東京都 新国立劇場 中劇場
作:秋元松代
演出:
出演:
※高柳絢子の「高」ははしご高が正式表記。
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