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PLATプロデュース桑原裕子「荒れ野」、平田満「役者人生で一番小道具が多い」

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穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース「荒れ野」フォトコールより。(撮影:伊藤華織)

穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース「荒れ野」フォトコールより。(撮影:伊藤華織)

愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLATがプロデュースする「荒れ野」が、明日11月30日に開幕する。これに先駆けて昨日11月28日にフォトコールと取材会が行われた。

穂の国とよはし芸術劇場の開館5年記念企画として上演される本作。同劇場の芸術文化アドバイザーを務めてきた豊橋出身の平田満が出演し、2018年4月より平田に代わりアドバイザーに就任するKAKUTAの桑原裕子が作・演出を手がける。

舞台は土壌汚染された地域の、とある団地の一室。正反対の人生を送ってきた2人の女性が一つ屋根の下で過ごすことになった一夜を舞台に、揺れ動く人間模様が描かれる。

フォトコールでは1幕のシーンを公開。街で起きた大規模火災を逃れ、新興住宅地から加胡路子(井上加奈子)が暮らす団地の一室に避難することになった、窪居哲央(平田)と哲央の妻・藍子(劇団青年座の増子倭文江)。そこに路子の部屋に風呂を借りに来ているケン一(In the Soupの中尾諭介)と窪居家の娘・有季(KAKUTAの多田香織)、団地の上の階に住む・石川広満(文学座の小林勝也)も顔をそろえ……。

ひょんなことから一室に集まった6人は淡々と日常会話を繰り広げるが、徐々に人間関係が浮き彫りに。それぞれが繊細な演技で息のあったやりとりを見せ、物語に可笑しみのある空気と緊張感を生みだした。

フォトコール後に行われた取材会には平田と桑原が登壇。作・演出を田村孝裕が担当した、同劇場のこけらおとし作品「父よ!」と、その再演以来3度目となる、同劇場とアル☆カンパニーの共同企画について平田は「今回は女性主導の作品にしたくて、作家は桑原さんがぴったりだと思いお願いしました」と経緯を語る。

桑原は本作について「まず“荒野のような街”というイメージがあり、土壌汚染で街自体が発展を止めてしまった土地に、対極にある団地と新興住宅地がある画を思い浮かべました。ある家族が、かつて住んでいた団地に戻ってくる。そこで社会的なステータスや枠組みにとらわれない自由な人種と出会い、自分たちが固めていた鎧みたいなものが剥がされていくさまを描きたかったんです」と述べた。

桑原の演出について平田は「一つひとつのこだわりがとても細かいです。何度かやっているとそのこだわりがとても大事なことに気付いて、普通の日常会話ですが、ちょっとした引っかかりがあとで効いてくるんですよね」とコメントし、「おまけに僕の役者人生の中で一番小道具が多いんです」と告白し、記者たちの笑いを誘った。

桑原は初タッグを組む平田について「人の心の微細な揺らぎを、(観る人が)すごく共感できる形で見せることができる俳優さんです」と絶賛。平田が「登場人物6人というのは、アル☆カンパニーでは最大人数なんです。それぞれの関係が二重三重になっているので、一番いいときのスペインサッカーみたいに、『誰がどう動いてるの?』という動きが求められます。サッカーはゴールを決めればいいのですが、僕らは失敗もしなきゃいけない」と話すと、桑原は「ときどき自分でオウンゴールをしなきゃいけないんですよね」と返し、平田は「そうそう! それが楽しんですけどね」と笑顔を見せた。

公演は11月30日から12月6日まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース、12月9・10日に福岡・北九州芸術劇場 小劇場、12月14日から22日まで東京・SPACE雑遊にて。なおステージナタリーでは、本作の特集記事を展開中。平田と桑原が創作への思いを語っている。

穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース「荒れ野」

2017年11月30日(木)~12月6日(水)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース

2017年12月9日(土)・10日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 小劇場

2017年12月14日(木)~22日(金)
東京都 SPACE雑遊

作・演出:桑原裕子
出演:平田満、井上加奈子、増子倭文江、中尾諭介、多田香織、小林勝也

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