ドナルカ・パッカーン令和八年公演 座・高円寺 日本演出者協会セレクション「『女の一生』―戦時下の初稿版完全上演―」が、4月8日から12日まで東京・座・高円寺1にて上演される。
ドナルカ・パッカーンは、
劇中では、孤独な少女だった布引けいが、拾われた商家の長男の妻として、時代の波に翻弄されながらも奮闘する様が描かれる。主人公・けい役を柿喰う客の
上演時間は休憩を含む約2時間40分。
ドナルカ・パッカーンによる企画意図
焼け野原から始まらない「⼥の⼀⽣」
森本薫「⼥の⼀⽣」の初稿版は戦時下に執筆されています。つまり当然のことですが有名な「焼け跡」からは始まりません。1942年1⽉1⽇、つまり、真珠湾攻撃のすぐ後の正⽉から始まります。「昭和⼗六年⼗⼆⽉⼋⽇……今はもう去年になってしまいましたがね。明治の⽇清戦争からこちら、数々の戦争のすべての元に突き当る⽇だったのです。私達は、もう⻑い間、この避けられない⽇の近づいてくる⾜⾳に⽿をすまして来たのです」これは主⼈公である⼥主⼈けいのセリフです。そう、「⼥の⼀⽣」は、なぜ今⽇本は戦争をしているのか、その理由を探り、⽬の前に繰り広げることで、戦争を「運命」化する国策劇なのです。
⽇本演劇界は、「焼け跡」から始まる戦後の書き直し版である「⼥の⼀⽣」を上演し続けることで、本来的には「加害」の物語として捉える必要性があった劇を「被害」の物語に転化し続けてきたのではないか。そしてそれはまるで今の⽇本における戦争への向き合い⽅の映し絵のようではないか。その思いが、「⼥の⼀⽣」―戦時下の初稿版完全上演―の動機です。
2019年のドナルカ・パッカーン上演では「加害」の物語としては⼀定の成果を収めましたが、より複雑で錯綜している初稿版に内在する「抵抗のよすが」までは辿り着けませんでした。2026年の再演では、「⼥の⼀⽣」に輻輳している「加害」の意味を丁寧に掬い上げながら、同時に「抵抗のよすが」を美学的に示すことを試みたい。(その美学的な参照項になるのは、⽊下恵介の映画「陸軍」である。おそらく「⼥の⼀⽣」に相当な影響を与えている。)
参考資料:以下に、初稿版についての考察を投稿しています。
森本薫『女の一生』|ドナルカ・パッカーン|note
ドナルカ・パッカーン令和八年公演 座・高円寺 日本演出者協会セレクション「女の一生」―戦時下の初稿版完全上演―
開催日程・会場
2026年4月8日(水)〜12日(日)
東京都 座・高円寺1
スタッフ
作:森本薫
演出:
⾳楽:河崎純
出演
:
※U-30チケットあり。
※鑑賞サポートあり。
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「女の一生」戦時下の初稿版をドナルカ・パッカーンが完全上演、主人公役は原田理央
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