「DDA」開幕直前、東京ゲゲゲイのMIKEY「私の心キャッチしたこの5人観て」

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12月9日から11日まで、東京芸術劇場 シアターイーストにて上演される「DANCE DANCE ASIA」の公開リハーサルが、11月下旬の某日、都内のスタジオにて行われた。

Team MIKEYの稽古の様子。

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Team MIKEYの稽古の様子。

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「DANCE DANCE ASIA」は、ストリートダンスをキーワードに、日本と東南アジアほかを代表するダンサーが共演する公演。日本からは東京ゲゲゲイのMIKEYこと牧宗孝、フィリピンからはVince Mendoza、ベトナムからはLION Tが参加し、多国籍ダンサーで構成されたチームを率いて、それぞれ30分程度の作品を上演する。各チームとも、9月から10月にマニラやハノイで1回目のクリエーションを行っており、このたび東京で再集結。12月の東京公演に向けて、作品のさらなるブラッシュアップを目指す。取材に訪れた11月下旬は、Team MIKEYとTeam LION Tが同じスタジオの別部屋でそれぞれ稽古を行っていた。

Team MIKEYの稽古の様子。

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Team MIKEYの稽古の様子。

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まずはTeam MIKEYのスタジオへ。東京ゲゲゲイの自己紹介ソング「TG」が流れる中、MIKEYに指名されたダンサーの1人がその日のウォーミングアップのリーダーになり、全員で同じ動きのアップを行う。10代が2人、20代が3人で構成されるTeam MIKEYのメンバーは、全員小柄、髪の色もさまざま、顔にはどこかあどけなさが残る。稽古中は全員で意見を交わしながら動きを確認し、そんな彼らの様子をMIKEYはあまり口出しせずに眺めたり、稽古場の端でヘッドフォンをしながら体をほぐしたりして、メンバーの自主性を尊重している様子だった。

Team MIKEYの稽古の様子。

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Team MIKEYの稽古の様子。

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稽古の合間に、MIKEYに話を聞いた。今回MIKEY作品に出演する5名のダンサーは、それぞれ台湾、フィリピン、日本、マレーシアで活躍中の若手実力派だ。もともとアジアとのつながりがあったMIKEYが、以前から気になっていたダンサーに声をかけて実現したユニットだという。メンバーは皆仲が良く、一緒によく遊んだりもするが、「文化の違いを感じることもありますね」とMIKEY。「日本にいると宗教の話とかはあまりしませんが、メンバーの中にはクリスチャンもいれば、クリスチャンが嫌いな人もいる。時々そういう話で口論になることもあります。でもそんな彼らが一緒に、ショーをやってるんですよねぇ(笑)」と笑顔で語る。また今回使用する楽曲は1曲を除き、メンバーそれぞれの好みをリサーチしてMIKEYが作曲した。「音楽と彼らの踊りを融合するには、このタイミングでジャンプできるかとか、音楽を作る側がダンスができないと難しいと思うんです。今回はそんな音作りも1つひとつ面白かった」と、楽曲へのこだわりも十分だ。さらにTeam MIKEYのアピールポイントを尋ねると、「お客さんがどう感じるかはわからないのだけれど」と前置きしながら「1つだけ真実があるとしたら、この5人は確実に私の心を動かしたアジアのダンサーだということ。うまいダンサーやカッコいいダンサーはいっぱいいるけど、心が揺れるダンサーって私の場合、すごく少なくて。その中で、私の心をキャッチした5人が今回集まったというのはミラクルなことだし、彼らがどんなものを観せてくれるのか、自分自身が一番楽しみです。建前じゃなくて心の底から、この5人をぜひ観てほしいですね」と言葉に力を込めた。

LION T

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Team LION Tの稽古の様子。

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続けてTeam LION Tのスタジオへ。メンバーそれぞれがウォーミングアップを終えると、1本のタイヤを使ったシーンの稽古が行われた。最初は音をつけずに、男性ダンサー4人で振りを確認する。30分近く経ってその確認が終わり、いざ音楽を流してシーンを通すと、実際にはわずか3分程度の動きだったことが判明。本作がいかに緻密に作られているかがうかがえる瞬間だった。振付・演出を手がけるLION Tは、約80名ものメンバーで構成される、ベトナム初のヒップホップダンスグループBIG TOEのリーダーで、ダンスを通して社会の向上を目指す振付家。彼は今回の作品「CHAIRS」を、「ストリートダンスとビートボックスを融合させることで、いまのベトナムに生きる人々を描き出す作品」と説明している。その言葉通り、時にパントマイム的な動きで、人と人の出会いや衝突などが表現されるシーンがあり、多様な人々が暮らす、熱気に満ちたベトナムの日常が、作品から立ち上がるようだった。

Team LION Tの稽古の様子。

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なお、この取材から数日後、Team VINCEのメンバーも来日し、稽古が開始。フィリピンのVince Mendozaは、バトルやコンテストでいくつものワールドタイトルを得ている実力派だ。今回振付・演出を手がける「Hilatas(君を導く光)」は、自らの半生をベースに、ストリートやコンテンポラリー、アクロバットなどの要素を盛り込んだ作品となる。メンバーにはフィリピン、シンガポール、マレーシアなどのダンサーが名を連ね、日本からは松田尚子が出演する。

アジアのストリートダンス界を賑わす注目の振付家とダンサーが集結する「DANCE DANCE ASIA」。新たなダンスの風を感じに、ぜひ劇場を訪れてみては。

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「DANCE DANCE ASIA-Crossing the Movements-」

2016年12月9日(金)~11日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

演出・振付:牧宗孝 MIKEY from 東京ゲゲゲイVince Mendoza “Crazybeans”、LION T

出演

Team LION T(C2Low、HOSHITO、Jackson Boogie J、Maitinhvi、MARIN、Michael Sim)、MK(ヒューマンビートボックス)

Team VINCE(Khenobu、Bboy Allen、Rhosam V.Prudenciado Jr.“Sickledsam”、Salt、Bird、松田尚子)、Carlo Bernardino(ベース、クビン)

Team MIKEY “BLACK LIP BOYS”(El-John、Renz、TeDoubleDy Teddy、A-Yao Ninja、kEnkEn)

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