2000手に及ぶ殺陣「瞑るおおかみ黒き鴨」に青木玄徳「一筋縄ではいかない」

「瞑るおおかみ黒き鴨」が、本日9月1日に東京・天王洲 銀河劇場にて開幕。公演に先がけ、ゲネプロと囲み取材が行われた。

「もののふシリーズ」第2弾となる本作では、明治初期、新政府軍と旧薩摩藩士族の間で起こった西南戦争を軸に、新たな時代を生きる男たちの生き様が描かれる。劇中では、青木玄徳演じる斎藤一と松田凌演じる中村半次郎を中心に、キャストたちが約2000手に及ぶ激しい殺陣を披露。目まぐるしく展開する各キャラクターの回想シーンを経て、それぞれが自身の“もののふ”としての在り方を見つめ直していく。

緊張感あふれる戦闘シーンのみならず、佐伯大地演じる大山巌と内海光司演じる山縣有朋が、随所で披露するコミカルな掛け合いにも注目だ。さらにお笑いコンビ・響の長友光弘演じる西郷隆盛ならではの見せ場もあるので、ファンは楽しみにしておこう。また斉藤秀翼演じる村田新八によるアコーディオンの演奏や、大澄賢也演じる大久保利通のダンスも見どころの1つとなっている。

囲み取材に応じたのは、青木、内海、長友、松田、荒木宏文、大澄の6名。主演を務める青木は、前作「武士白虎 もののふ白き虎 ‐幕末、『誠』に憧れ、白虎と呼ばれた若者達‐」と比較して、「前回は、“若い魂”を持った少年や青年たちの話でしたが、今回は濃厚な大人のストーリー。一筋縄ではいかない作品になりました」と自信を見せる。続く長友が、「僕は座長として……」と意気込みを語ろうとすると、「長友さん、座長じゃないでしょ！」と一同から鋭い突っ込みが。「小学生の頃からずっと『西郷隆盛に似てる』と言われてきました。ずばり適役じゃないかなと思っています。かわいくて、カッコいい隆盛を演じられれば」と照れながら語った。

松田は、「前作に引き続き、熱き男たちの物語という芯の部分は変わらない」と今作を評し、「舞台上に立ち現れるものだけではなく、言葉の裏に隠された思いを表現できるように、丁寧に作り上げてきました」と創作の過程を振り返る。また物語の鍵を握る土方歳三役の荒木は、「回想シーンによって西南戦争の前後の時代を行ったり来たりするので、その時々の心境の変化に注目して観てもらえれば」と注目シーンを挙げた。

内海は、「若くてパワフルなみんなに刺激をもらいながら毎日稽古をしていました」と貫禄を見せつつ、「『こういうコメントをすると好感度が上がるよ』と（佐伯）大地くんが教えてくれたので」と一同の笑いを誘う。また大澄は本作の見どころについて、「今の日本では、幸せなことが当たり前だったりしますが、混沌とした時代の中で、国を良くしようと戦い抜いた男たちのドラマに注目してほしいです」と力強く語った。

「瞑るおおかみ黒き鴨」は、9月1日から11日まで東京・天王洲 銀河劇場、9月19・20日に大阪・森ノ宮ピロティホール、9月22日に福岡・北九州芸術劇場 大ホールにて上演。さらに大千穐楽を“スペシャル公演”として上演することが、脚本・演出の西田大輔より発表されている。