もう一度観たいあの舞台 Vol.4 [バックナンバー]
稲葉賀恵・村角太洋が10年を振り返る
自分の中での門戸が開いた2作品、“次は生で”もう一度みたいあの舞台
2025年10月30日 17:00 11
ステージナタリーは2026年2月に10周年を迎えます。あなたはこの10年、どんな舞台に出会い、どんな舞台に心揺さぶられてきましたか?
このコラムでは、さまざまな舞台で活躍中のアーティスト10人に、舞台ファンとしての“10年の観劇ライフ”を振り返ってもらい、「もう一度観たい」と思う、心と記憶に刻まれた舞台作品を教えてもらいました。
アーティストたちの“客席からの視点”を糸口に、ぜひあなたの10年の観劇ライフも振り返ってみてください。
稲葉賀恵
どうしても1本に絞れず、2本あげます。2015年のヨーロッパ旅行にて、パリで当日券の列に並んで最後の1枚をゲットして観た映画監督ミヒャエル・ハネケ演出の「ドン・ジョバンニ」。オペラってもっとカジュアルに、自由に演出していいんだ、とオペラへの興味が芽生えた作品。
あと、そのあとロンドンに移動して観たマリアンヌ・エリオット、トム・モリス演出のミュージカル「War horse」。開幕直後でなかなか取れなかったチケット、ロビーで現地の人から譲ってもらった思い出付き。それまでやりたいと思っていてもなかなか手を出す勇気がなかった“音楽劇”“ミュージカル”に対して、自分の中での門戸が開いた2作品。
コロナ前に行った弾丸一人旅でしたが、演劇が大好きだという自信がついたからこそ、音楽や映画やもっとほかのジャンルに挑戦してもいいのかもしれないと思えた旅。
あの旅行から、少し自分の創作の自由度が増した気がします。
村角太洋
もう一度、三谷幸喜さんの「子供の事情」を観たいとずっと思っています。
劇場ではなくWOWOWで放送されていたのを観たので、正確には「“次は生で”もう一度みたいあの舞台」です。
10歳の子供たちを大人が演じるという面白さ、子供たちなりの、大人に勝るとも劣らない人間関係と事情の切実さなど、この作品の魅力は多くありますが、ラストシーンに心を鷲掴みにされました。
前述の通り映像で観ていたのですが、あることに気づいた時、生で観ていないことを凄まじく後悔しました。
そのラストは、かつて自分も10歳だったことを思い出すことのできる本当に素晴らしいものでした。
これまでの時間が全てフリだったのではと思うくらい。
拝見した全ての舞台の中で今でもダントツです。
とにかくこのラストを生で観てみたい、そうずっと思っています。
10年を振り返りますと、想像していたところを超えて多くの作品に関わらせていただいた感謝の10年であり、次から次へと新しいことにチャレンジさせてもらった勉強の10年でした。
どれも楽なことなどなく、出会いも別れもたくさんありましたが、間違いなくより演劇を好きになりました。
次の10年もそう思えるように、まだまだここからさらにますます!
バックナンバー
稲葉 賀恵 / Kae Inaba @kae_peony
【ステージナタリーさんに載せて頂きました】
この十年間でもう一度観たい舞台は?
というコラムに誘って頂きました!
この数年でミュージカルや音楽劇に挑んでみようと思うきっかけになった2作品を挙げました🎭
またヨーロッパ行きたいなあ☺️
ナタリーさま、
呼んでくださりとっても嬉しかったです✨ https://t.co/5amn7nuBVC