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スピッツ、野外「横浜サンセット」で夏の終わり演出

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スピッツが本日9月14日、神奈川・横浜赤レンガパーク野外特設会場にて単独ライブ「スピッツ 横浜サンセット2013」を開催した。

この日の会場は海を一望できる絶好のロケーションで、ステージには赤い靴やイカリといったこの土地ならではのモチーフを取り入れたバックドロップが飾られた。スピッツはひさびさの野外ライブとなる本公演のために、これまでに発表した計14枚のオリジナルアルバムからまんべんなく選曲したセットリストを用意。赤レンガに集まった幅広い年齢層のファンを楽しませた。

開演を待ちきれない観客がその思いをハンドクラップで表現し始めた頃、ステージへ向かうメンバーを追った映像が舞台両脇の巨大ビジョンに映る。彼らは意気揚々と客前に姿を現して大歓声を浴びると、すぐさま1曲目「恋のうた」を演奏した。草野マサムネ(Vo, G)はシェイカーを振りながら涼やかな歌声を響かせ、夕暮れの横浜にゆったりとした空気を作り出していく。続く「涙がキラリ☆」では三輪テツヤ(G)と田村明浩(B)が観客を煽るようなアクションを見せ、「みそか」では心躍らせるリズムとメロディに反応してオーディエンスがいっせいに拳を上げてジャンプする。

草野は最初のMCで「こんばんは! スピッツです。今日は『横浜サンセット』へようこそ! うしろのほう見えますか? 草野です!」と挨拶。彼は直後の「ハチミツ」で一瞬歌詞が抜けてしまいバツの悪そうな顔をする場面もあった。次の「僕はきっと旅に出る」に続いては9月中旬のこの時期にぴったりの「夏が終わる」が披露され、あたりにはセンチメンタルなムードが漂う。草野はのちのMCで20年前にできた「夏が終わる」について「暑い夏を見越して作ったのに1993年は冷夏だった」というエピソードを明かし、「今日のためにあった曲だったのかな。よかったです、皆さんの前で歌えて」と話してファンの喝采を受けた。

日が沈み文字通り「サンセット」の時刻になってからは、「さらさら」「ルキンフォー」「運命の人」とシングル曲が続く。9月11日にリリースされたばかりのアルバム「小さな生き物」の中でもアッパーな「りありてぃ」を終えると、草野が今年結成26年目を迎えたことに触れ「26年も続けられてこんなに多くの皆さんの前で演奏できるなんて幸せです」としみじみと語る。横浜についての話題を繰り広げたあとに「ロックバンドだったら1曲目のときに『横浜ー!』って言うのかな?」と話すと、三輪が「言うバンドもいるけどスピッツは言わないバンドだね」と返して観客の笑いを誘った。

新作から切なくも優しいミドルナンバー「ランプ」が奏でられたあと、「ちょっと古めの曲を聴いてもらおうと思います」と懐かしの楽曲「アパート」が届けられる。「月に帰る」ではビジョンに映し出された半円の月が幻想的な空間を演出した。草野が気取った調子で「スピッツについてこい」と発言してからのブロックは、アップテンポなナンバーやライブ定番曲の連発に。演奏隊のプレイにもより熱がこもり、オーディエンスをいっそう踊らせていく。「メモリーズ・カスタム」では観客が左右に振る手の波が広がり大きな盛り上がりを見せた。そして草野が「忘れられない夜になりました。皆さん1人ひとりと三浦海岸あたりで語り明かしたい気分です」と感謝の気持ちを伝えたところで、彼らは「海を見に行こう」で本編を軽快に締めくくり、笑顔でステージをあとにした。

アンコールではメンバー紹介とともに1人ずつファンへ向けて発言する。崎山龍男(Dr)はこのライブが決定してから現地へ訪れたことを明かし、「自分なりにイメージしてたんだけど、それ以上のライブになって最高の気分です!」と喜びの声を上げた。そんな充実したライブの最後を飾ったのは「夢追い虫」。メンバーが退場したあとにステージ後方から盛大な花火が上がり、ライブは感動的な終幕を迎えた。

なおスピッツは11月より全国ツアー「SPITZ JAMBOREE TOUR 2013-2014 “小さな生き物”」を実施。ツアーは11月1日の千葉・市川市文化会館を皮切りに全53公演が予定されている。

※崎山龍男の「崎」は山へんに「立」と書いて「可」の異体字が正式表記。

スピッツ「スピッツ 横浜サンセット2013」
2013年9月14日 横浜赤レンガパーク野外特設会場 セットリスト

01. 恋のうた
02. 涙がキラリ☆
03. みそか
04. ハチミツ
05. 僕はきっと旅に出る
06. 夏が終わる
07. 小さな生き物
08. さらさら
09. ルキンフォー
10. 運命の人
11. りありてぃ
12. ランプ
13. アパート
14. 月に帰る
15. チェリー
16. 渚
17. 恋する凡人
18. 8823
19. メモリーズ・カスタム
20. 海を見に行こう
<アンコール>
21. ヒバリのこころ
22. ベビーフェイス
23. 夢追い虫

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