2月2日からスタートした、計59本にわたる全県ツアー「1-2-3 TOUR 2013」のファイナルにあたるこの日のライブは、関西では初の単独アリーナ公演。会場には約9000人ものファンが駆けつけ、5カ月におよんだ長期ツアーのフィナーレをお祝いした。
THE BAWDIESのメンバーはSAM & DAVE「SOUL MAN」が鳴り響く中ステージに登場すると、ニューアルバム「1-2-3」のオープニングナンバー「DANCE THE NIGHT AWAY」から勢いよくライブをスタートさせた。バンドは5カ月にわたるツアーの疲れを感じさせない、アグレッシブな歌と演奏で会場を盛り上げていく。1曲歌い終えたROY(Vo, B)が「ロックンロールパーティに必要なものは、ワクワクする気持ちだけです!」と叫ぶと、TAXMAN(G, Vo)の力強いギターリフから2曲目「LONELY MAN」に突入。JIM(G)はステージ上を激しく動き回り、ギターソロでは客席を積極的に煽る。続く「ROCK ME BABY」では曲のリズムに合わせて観客が大きくジャンプを繰り返し、早くもこの日最初のピークを迎える。ヒットシングル「JUST BE COOL」ではTAXMANがステージ脇の花道でギターをプレイ。「LEMONADE」では両花道後方に設置された円形のスクリーンにメンバーの表情が映し出され、会場はピースフルな空気に包まれた。
6曲を終えたところで、ROYが再び挨拶。「楽しいね! 全国全県ツアー59本目……まだまだパーティはこれから!」と観客を煽ると、今度はソウルフルな「LISTEN」で会場をダンスフロアへと一変させる。今回のツアーからコーラスに加わる頻度が増えたMARCY(Dr)も安定したプレイとコーラスワークで楽曲に華を添え、TAXMANは「お前ら準備はいいか!」と叫んでから自身のボーカル曲「TAKE A CHANCE」を歌唱した。
続くMCではROYが「もう1回言っていいですか……楽しいね!」と再び発言。続けて「この『1-2-3』というアルバムは、ロックンロールのピュアな魅力を伝えたいと思って作ったアルバムなんです。それをライブで伝えなきゃ意味がないと思って始めたツアーなんです」と、観客に新作と今ツアーの趣旨を説明した。そしてバンドのルーツであるTHE SONICSとの出会いについて語ってから、THE SONICSの「PSYCHO」をカバー。本家にも負けないエネルギッシュな演奏を大阪城ホールに響かせた。
ライブ中盤では「SAD SONG」「SHA LA LA」といったスロウ / ミディアムナンバーで観客を一度クールダウンさせつつ、バンドはアッパーな「RED ROCKET SHIP」で再び会場を熱狂の渦に巻き込む。TAXMANが歌う「B.P.B」を筆頭に「I BEG YOU」「A NEW DAY IS COMIN'」で盛り上がりは再度加速し、ROYの「たこ焼き? 串カツ? ホットドッグ、めしあがれ!」の合図に続いて披露された「HOT DOG」でライブはこの日2度目のピークを迎えた。
「HOT DOG」の演奏が終わるとステージ上では若干のセットチェンジが行われ、メンバーはアコースティックギターなどを持って登場。ベースを置いてタンバリンを持ったROYは椅子に座り、「ロックンロールの炎を囲んで、キャンプファイヤーみたいになってるわけですから」と言って、横浜アリーナ公演でも披露したアコースティックセッションを開始した。JIMとTAXMANはアコースティックギター、MARCYはスタンディングドラムという小編成で、彼らは「I'M IN LOVE WITH YOU」「LOVE YOU NEED YOU」の2曲をプレイ。いつもより繊細なサウンドと演奏で表現された2曲に対し、観客は温かい拍手を送った。
アコースティックコーナーが終わると、4人はバンド編成によるライブを再開。まずはMARCYによるアグレッシブなドラムソロから「EMOTION POTION」になだれ込む展開で観客を魅了すると、「IT'S TOO LATE」「YOU GOTTA DANCE」といったライブの定番曲が立て続けに演奏される。そして彼らは最後に「SING YOUR SONG」を力強く演奏し、ライブ本編を終えた。ROYの「ありがとうございました!」という挨拶にあわせて、4人は客席に向けて深々とお辞儀をし、最高の笑顔を見せながらステージを降りていった。
続くアンコールではジャケットを脱いだ4人が、ファンに向けて1人ひとり感謝の言葉を口にしていく。TAXMANが「僕たちがこういうロックンロールスタイルになったのは、大阪のみんなのおかげだと思ってます」と言うと、続けてJIMはマイクを通さぬ肉声で「ありがとう!」と叫び観客を喜ばせた。ROYは「ロックンロールはこういうものだとまっすぐ伝えたいだけ。みんなはそれをまっすぐ受け取ってくれた。これがロックンロールパーティだと思うんです!」と再び感謝の気持ちを伝えてから「1-2-3」を披露。曲のオープニングではフロアに向けて金や銀のテープが放たれ、さらにパーティ感を演出する。
そしてJIMが「1日23曲くらい、59公演で1200~1300曲やったのかな? あと2曲、とりあえずケツ振ろうか?」と話すと、お約束となった尻振りから「SHAKE YOUR HIPS」に突入し、会場は巨大なダンスホールへと一変した。フロアが最高の笑顔で埋め尽くされると、今度はROYが「幸せです。ロックンロールはこんなに温かいものなんだと、改めて思いました。せっかくパーティに来たんだから、自分の中にあるものを空にして、出し切って帰ってください。全力全開でシャウトしてくれますか?」と語り、59本のツアーを締めくくる「KEEP ON ROCKIN'」を演奏し始める。曲の合間ではバンドの演奏を止めて、観客の手拍子やコールアンドレスポンスが繰り返され、会場はこの日一番の一体感を見せた。そして最高の盛り上がりの中、2時間以上にわたる最高のロックンロールパーティは幕を閉じた。
ステージ上に並んだ4人は再び深々とお辞儀をし、TAXMANは「59本、多いなと思ったけど、終わってみたらあっという間でした。また新しいレコードを作って戻ってきます!」と宣言して恒例の“ワッショイ”でバンド史上最長のツアーを締めくくった。その後もメンバーは左右の花道を行ったり来たりしながら、観客とコミュニケーションを取り続ける。ツアーの終了を惜しむように、ゆっくりと1人、また1人とステージ袖にメンバーが消えていき、最後の最後にROYは「あんたら、マジでサイコーだ!」と叫んでステージから去った。
なおTHE BAWDIESは7月下旬から「JOIN ALIVE」「FUJI ROCK FESTIVAL '13」など数々の夏フェスに出演。ロングツアーを終えてさらにひと回り大きくなった彼らの姿を、各地で目にすることができそうだ。
THE BAWDIES「1-2-3 TOUR 2013」
2013年6月28日(金)@大阪城ホール セットリスト
01. DANCE THE NIGHT AWAY
02. LONELY MAN
03. ROCK ME BABY
04. CAN'T STOP GROOVIN'
05. JUST BE COOL
06. LEMONADE
07. LISTEN
08. I WANT YOUR LOVE AGAIN
09. TAKE A CHANCE
10. PSYCHO [THE SONICSカバー]
11. SAD SONG
12. SHA LA LA
13. RED ROCKET SHIP
14. B.P.B
15. I BEG YOU
16. A NEW DAY IS COMIN'
17. HOT DOG
18. I'M IN LOVE WITH YOU [Acoustic]
19. LOVE YOU NEED YOU [Acoustic]
20. EMOTION POTION
21. IT'S TOO LATE
22. YOU GOTTA DANCE
23. SING YOUR SONG
<アンコール>
24. 1-2-3
25. SHAKE YOUR HIPS
26. KEEP ON ROCKIN'
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