ももクロのクリスマスライブ、通称「ももクリ」は、初のホールワンマンとなった2010年の東京・日本青年館公演以来の恒例行事。結成当時よりの念願だった「NHK紅白歌合戦」への出場が決定した彼女たちにとって、今回の「ももクリ」は激動の1年を締めくくるライブであると同時に、記念すべき紅白出場前最後のステージとなった。
ライブのオープニングは昨年同様、メンバー5人が格闘技イベント「PRIDE」の勇ましいオープニングテーマと、同じく「PRIDE」でおなじみレニー・ハートの絶叫コールに合わせて登場する。まずはスクリーンに映し出される映像と見事にシンクロしたダンスで観客の心をつかみ、続けざまにももクロの入場曲「overture」が流れると場内のボルテージは一気に急上昇。公演2日目は布袋寅泰がサウンドプロデュースを手がけた最新シングル曲「サラバ、愛しき悲しみたちよ」で華々しく幕を開けた。
冒頭のMCでは、まずリーダー百田夏菜子が改めて紅白出場決定をファンに報告。会場に集まったファンからは大きな拍手と歓声が送られた。玉井詩織は「いいかお前らー!」で始まる恒例の煽り文句で「“紅白の向こう側”に行くパワーと勇気を私たちに届けられるかー? お前らのその声とその熱を力に変えてすっごいコンサートを見せてやるからなー!」とすでにエンジン全開の観客をさらに盛り上げる。5人はその言葉どおりの熱いパフォーマンスを畳み掛けるように披露した。
7曲目に歌われた「僕等のセンチュリー」は今回のライブのために作られた新曲で、作詞・作曲はROLLYと長谷川智樹によるもの。この曲は後半に披露された高橋久美子(ex. チャットモンチー)作詞の新曲「空のカーテン」や小西康陽によるリミックスを含む会場限定シングルとして発売された。シングルはキングレコードの特設サイトでも通信販売で購入が可能なので、会場に足を運べなかった人もぜひチェックしておこう。
ライブ中盤、メンバーが一旦ステージを去ると、スクリーンには暗闇に浮かぶ悪の総帥「南国ピーナッツ」が映し出され、ステージ上にはロボット兵士、キラーリボン、ダンス怪人、セクシーキャット、カンフー・Xを名乗るいかにも悪役然とした謎のキャラクターたちが現れた。彼らの目的は、ももクロがクリスマスをイメージして作り上げた“ネバーランド”的世界観をめちゃくちゃにすること。スクリーンには「そうはさせないわ!」とももクロの5人をイメージしたキャラクターが登場し、悪役たちとバトルを繰り広げる。しかし5人のキャラが発射したミサイルは敵に回避され自分たちの元へ。危機を脱すべくスクリーン上の5人が宇宙船に乗り込むと、実際のメンバーがアリーナ天井に吊るされたUFOに乗って登場。宙を舞いながら「ワニとシャンプー」を歌うという派手な演出で会場を沸かせた。
また後半は、昨年の「ももクリ」でクリスマスソング「サンタさん」の曲中に人体切断マジックを披露した高城れにが、またしてもマジックに挑戦。密閉された箱に玉井を閉じ込めたまま宙に浮かせたり、箱の中から玉井以外のメンバーを次々と登場させたり、自身もいつの間にか着ぐるみのトナカイへ身代わりの術を見せたりと大技を連発した。彼女のマジックも今後「ももクリ」の定番となりそうだ。
そしてクライマックスの「行くぜっ!怪盗少女」では曲の途中で再び南国ピーナッツが現れ、メンバーを中年男性の姿に変えてしまう。中年ももクロを演じたのは、パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ。5人は腰痛や老眼など中年ならではの不具合で思うようなパフォーマンスができなくなってしまったが、ファンの声援を力に変えて南国ピーナッツを撃破し元の姿に。百田のえびぞりジャンプも華麗に決まり見事フィニッシュ。すると今度はステージ奥から南国ピーナッツの正体、
春の横浜アリーナ、夏の西武ドームに続き3度目の登場となったしげるは、過去2公演と同様に名曲「愛のメモリー」を歌いながらメンバーも知らないサプライズ情報を発表。今回しげるが告げたのは、来年4月に行われる「ももクロ春の一大事2013」の情報だった。「春の一大事」も「ももクリ」同様恒例のライブシリーズで、次回は3度目の開催。2010年には中野サンプラザ、2011年には横浜アリーナ2DAYSとやはり拡大の一途をたどるこのシリーズだが、次回は埼玉・西武ドーム2DAYSが決定。また、しげるはメンバーへしたためた“ラブレター”を読み上げ「ももクロと色黒、クロでつながる者同士、同じ黒組として心からエールを送ります」とももクロの紅白出場を祝福。「ただこれだけは言わせてください! 紅白出場はゴールではない! スタートラインなんです!」と熱い言葉を届けた。
本編のラストナンバーは、2010年の「ももクリ」で1曲目に歌われた「走れ!」。スクリーンにはあの日大泣きしながら歌ったメンバー5人と当時在籍していた早見あかりの6人によるパフォーマンス映像がシンクロする。時間の流れとメンバーの成長を感じさせる演出で、ももクロ激動の2012年はにぎやかに締めくくられた。
アリーナ全体にこだまするアンコールの声を受け、再度ステージに上がった5人は「スターダストセレナーデ」「ツヨクツヨク」を熱唱。そして再びUFOに乗り込み、宙を舞いながら「ももクロのニッポン万歳!」を観客とともに大合唱した。最後のMCではメンバーが1人ひとり、会場の観客とライブビューイングによる生中継を観ている全国のファン、さらに今回のライブに参加できなかったファンにまで感謝の思いを伝えていく。百田はあふれそうになる涙をこらえながら「私たちは全然変わってないのに、会場がどんどん大きくなったり、すごいたくさんの人が私たちのことを応援してくれていたり。こうしてここに立たせてもらっているのもすごく不思議で……。たくさんの声援をいただけることが私たちの支えになっているし、たくさんの勇気をいただいています」とコメント。「今目の前にある『紅白歌合戦』という大きな壁も、やっと叶えられた大きな夢。いつも目の前にある壁は、いつも私たちの大きな夢でもあるんです」とこれまでの歴史を噛み締めながら話す彼女の姿に、場内では拍手喝采が巻き起こった。
ももクロは年明け1月28日より東京・東京キネマ倶楽部にて7日間連続のトークイベント「ももクロ試練の七番勝負 episode.3」を実施。3月には大阪、名古屋、札幌の3都市の大会場を回るツアーを開催し、4月13、14日に埼玉・西武ドームにて「ももクロ春の一大事2013」を行う。
ももいろクローバーZ「ももクロ試練の七番勝負 episode.3」
2013年1月28日(月)東京都 東京キネマ倶楽部
2013年1月29日(火)東京都 東京キネマ倶楽部
2013年1月30日(水)東京都 東京キネマ倶楽部
2013年1月31日(木)東京都 東京キネマ倶楽部
2013年2月1日(金)東京都 東京キネマ倶楽部
2013年2月2日(土)東京都 東京キネマ倶楽部
2013年2月3日(日)東京都 東京キネマ倶楽部
ももいろクローバーZ 春ツアー
2013年3月12日(火)大阪府 大阪城ホール
2013年3月13日(水)大阪府 大阪城ホール
2013年3月16日(土)愛知県 日本ガイシホール
2013年3月17日(日)愛知県 日本ガイシホール
2013年3月30日(土)北海道 北海道立総合体育センターきたえーる
2013年3月31日(日)北海道 北海道立総合体育センターきたえーる
ももいろクローバーZ「ももクロ春の一大事2013」
2013年4月13日(土)埼玉県 西武ドーム
2013年4月14日(日)埼玉県 西武ドーム
ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2012 ~さいたまスーパーアリーナ大会~」セットリスト
[1日目 2012年12月24日(月・祝)]
01. 走れ!
02. DNA狂詩曲
03. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
04. サラバ、愛しき悲しみたちよ
05. LOST CHILD
06. 全力少女
07. Wee-Tee-Wee-Tee
08. きみゆき
09. BIONIC CHERRY
10. ワニとシャンプー
11. Z女戦争
12. 労働讃歌
13. 黒い週末
14. 白い風
15. 僕等のセンチュリー
16. Chai Maxx
17. サンタさん
18. オレンジノート
19. Z伝説 ~終わりなき革命~
20. 行くぜっ!怪盗少女
21. ピンキージョーンズ
<アンコール>
22. 空のカーテン
23. コノウタ
24. 未来へススメ!
[2日目 2012年12月25日(火)]
01. サラバ、愛しき悲しみたちよ
02. Wee-Tee-Wee-Tee
03. 黒い週末
04. DNA狂詩曲
05. Z女戦争
06. Believe
07. 僕等のセンチュリー
08. CONTRADICTION
09. D'の純情
10. ワニとシャンプー
11. PUSH
12. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
13. 白い風
14. ミライボウル
15. 労働讃歌
16. ピンキージョーンズ
17. サンタさん
18. 空のカーテン
19. Chai Maxx
20. 行くぜっ!怪盗少女
21. 走れ!
<アンコール>
22. スターダストセレナーデ
23. ツヨクツヨク
24. ももクロのニッポン万歳!
リンク
- 週末ヒロイン ももいろクローバーZ オフィシャルサイト
- ももクリ2012 >会場限定シングル『僕等のセンチュリー』
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けいたろ。 @keitaro_303
再来年で10年ですね。
ももクロXmasライブ2DAYS「目の前の壁は大きな夢」 https://t.co/zJIwSZHgKk