かまって、きゃりー、RIP、しゃちほこら個性派Xmas競演

2012年12月25日 14:27 167 1 音楽ナタリー編集部

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昨日12月24日、東京・Zepp Divercity TOKYOにてunBORDE主催のライブイベント「unBORDE X'mas PARTY」が開催され、所属アーティスト9組が約7時間にわたるパフォーマンスを繰り広げた。

神聖かまってちゃん

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きゃりーぱみゅぱみゅ

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イベントの最後に行われたオーディエンスとの記念撮影。

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イベントのオープニングDJを務めたのはDJ Fumiya。まだ客もまばらな13:00の開場時から遊び心あふれるプレイでフロアを温め、途中からはRIP SLYMEのメンバーであるSU、RYO-Zも加入する。そして14:00の開演時刻を少し過ぎた頃、おもむろにPESとILMARIも登場し、シークレットゲストであるRIP SLYMEのライブが始まった。

unBORDE所属アーティストで最もキャリアの長いRIP SLYME。彼らのサプライズライブは「Good Day adidas original remix by DJ FUMIYA」から「Good Times」へとなだれ込み、フロアはどんどんにぎわいを見せていく。RYO-Zは「unBORDEのクリスマスライブですよ！これからヤバいラインナップがいっぱい出てくるから！」と煽り、最後に「真冬ですが今夜が熱帯夜になりますように！」と前置きして5人で「熱帯夜」をパフォーマンスした。

驚きいっぱいのオープニングアクトを経て、本編のアクト1番手として登場したのはandrop。大きなスネアの音と閃光で強烈な印象を与える「MirrorDance」から「AM0:40」「ShowWindow」と次々にアッパーなロックチューンを連投していく。内澤（Vo, G）は「せっかくクリスマスにこうやって集まったんだからさ、わかんないバンドかもしれないけどみんなで一緒に盛り上がっていきましょう」と挨拶。そんな控えめな言葉とは裏腹に、フロアの盛り上がりは増すばかり。「これからもunBORDE、そしてandropをよろしくお願いします」というMCを挟んで、終わりに「音楽の力を信じてできた曲」だという「Rainbows」をエモーショナルに歌い上げた。

高橋優は、冒頭から「面倒臭ぇ」と叫ぶのが印象的な1曲「ボーリング」からスタート。「今日はクリスマスパーティということですが、パーティに参加する機会なんてあんまりなかったので今ここにいるのが不思議であります。けれども皆さんに届くよう1曲1曲心を込めて精一杯歌わせていただきます!!」と、ハッキリと物を言う“高橋優節”はこの日も健在。中盤では、ライブ初披露となる「I LOVE YOU」を届ける。本人曰く「人生史上、こんなにちゃんと愛とか絆に向き合って曲を書いたのは初めて」というこの曲の内容や、彼の愚直なパフォーマンスに、場内は大きな感動に包まれる。高橋は「2013年も皆さんに最高の笑顔が訪れますように」という願いを込めて「福笑い」を最後に演奏した。

次のバンドじゃないもん！の前には、出番を控える神聖かまってちゃんのの子（Vo, G）がサンタクロース風の格好でステージ袖から出てくるというハプニングが。の子はマイクを持って「俺トリだから最後まで帰んなよ！これ（バンドじゃないもん！）はあんま観なくていいから！これはトイレ休憩にして」と話し、すぐに立ち去る。自由なレーベルのカラーを象徴する出来事だったが、バンモン！のみさことかっちゃんはこれに一切触れずパフォーマンスを行っていった。

2人はデビューミニアルバム「バンドじゃないもん！」の収録曲「バンもん！のテーマ」「パヒパヒ」や、2月6日に1stシングルとしてリリースする「ショコラ・ラブ」を演奏。彼女たちにとって史上最大規模のライブ会場だけに、「私たちが『バンバンバン！』と言ったら『バンドじゃないもーん！』と返してください！」というお決まりのコールでは多くのオーディエンスが拳を上げてレスポンスした。

パスピエもバンもん！と同じく、Zepp規模のステージに立つのは初。大胡田なつき（Vo）のガーリーボイスと成田ハネダ（Key）の中毒性の高いフレーズを武器に「電波ジャック」「チャイナタウン」「デモクラシークレット」と曲を重ねる。成田は「パスピエ、このライブが年内最後になります。今年CDを買ってくれたりライブに来てくれた人、どうもありがとうございました。来年もひとつよろしくお願いします」と言葉少なめに挨拶し、バンドのキラーチューン「トロイメライ」「最終電車」で“パスピエの2012年”を締めくくった。

続いてチームしゃちほこの登場を前に、フロアでは色とりどりのペンライトが灯る。場内が暗転すると「2012年12月24日。マッチ売りの少女ならぬCD売りの少女がいた……」というアナウンスが流れ、三角帽にパジャマを着たメンバー6人が現れて小芝居を始めた。「みんな、がんばってCD売らないと竜馬さん（unBORDEのレーベルヘッド）に怒られちゃうよ。クリスマスイブに中学生を働かせる怖いレーベルなんだぞ!? unBORDEは！」など業界へのグチを赤裸々につづったセリフを連発した後、unBORDEに捧げるオリジナル曲「お願い！unBORDE」や本日発売されたライブ会場限定シングル「乙女受験戦争」、定番曲「トリプルセブン」を披露。場内がしゃちほこファンの熱気にあふれる中、メンバーは「さむーい。CD、売れなかったね……。なんだかもう眠くなっちゃったー」と再び“CD売りの少女”の設定に戻り、パフォーマンスは終了した。

近藤夏子は、インディーズ時代から歌い続けている「リハーサル」や、自分の母親に向けて書いた「ヒーロー」、この日にぴったりのナンバー「ジンジンジンジングルベル」の3曲をキーボード弾き語りとサポートギターで披露。関西弁のハツラツとしたMCでオーディエンスを元気付けた。なお彼女はこの日、幕間に会場内で流れる舞台裏の中継番組でMCを務め、そこでも明るいキャラクターを発揮していた。

続いては、きゃりーぱみゅぱみゅのライブ。彼女は「メリークリスマス！きゃりーぱみゅぱみゅでーす！」と勢い良く登場し、イントロ「ぱみゅぱみゅレボリューション」からすぐに「ファッションモンスター」を披露する。MCでは「さっき代々木（第一）体育館でライブをしてきて、クリスマスイブにライブが2本あるんですけど、皆さんとこうして過ごすことができてすごく幸せな日になりました！」と多忙なイブであることを告白。さらにunBORDEについて「いろんなジャンルのアーティストがいる素敵なレーベル」と説明した。ラストは代表曲「PONPONPON」「つけまつける」で盛り上がり、観客全員のジャンプが波のようなうねりを作り出した。

個性豊かなラインナップのトリを飾ったのは神聖かまってちゃん。の子は「一緒に過ごそうぜ、今宵のクリスマス。ハッピーだぞ俺は！」と上機嫌な様子で、隣にいるmono（Key）から「お前の格好が一番浮かれてるよな」とツッコまれる。「あるてぃめっとレイザー！」「自分らしく」「コンクリートの向こう側へ」「おっさんの夢」と順調に楽曲を重ねる中、依然としての子は「全くもって気分良いぜ。なぜかっていうとクリスマスに叫べることが！」とテンションの高さをアピール。そして「unBORDEっていうなんかよくわかんないレーベルの、なんかよくわかんないイベントのトリになって、なんかよくわかんないけど来年はもっと盛り上げるから。もっと有名になるから覚えとけよ！うしろの奴ら！」と言葉を放ち、「ロックンロールは鳴り止まないっ」を演奏した。

の子は曲中に2度ギターを投げ捨てて「こんなもんには惑わされねーよ」と連呼。演奏し終えると、我に返ったように穏やかな口調で「演奏中にメンバーから暴言がありましたが、代わりにお詫び申し上げます。本当にすいませんでした。あとで裏できつく言っときます。今日はクリスマスなんかに惑わされずに盛り上がってくれてありがとう。それだけ！」と話した。

フィナーレでは、RIP SLYMEおよびチームしゃちほこ以外の出演アーティストがステージに集結。ファンへのクリスマスプレゼントとしてそれぞれサイン入りカラーボールをフロアに投げ入れ、記念撮影を行って初のunBORDE主催イベントを締めくくった。