今年もアジカンがリスペクトする洋楽アーティストや、親交の深い邦楽アーティスト、フレッシュな新人などさまざまな出演者が顔を揃えた「NANO-MUGEN FES.」。初日の15日、トップバッターとして登場したDr.DOWNERは初出演とは思えない堂々とした演奏で会場を盛り上げる。途中では高橋"JEDI"ケイタ(G)が約80メートルのシールドを引きずりながらステージを降り、スタンディングエリア後方で豪快なギターソロを披露。彼ららしい自由奔放なパフォーマンスに、会場は大いに沸き返った。
続くMATES OF STATEは、ポップなサウンドと美しいハーモニーを会場中に響かせる。「この曲は
SPACE COWBOYが華麗なDJプレイでフロアを沸かせた後は、
FOUNTAINS OF WAYNEのライブは、強力なアンサンブルでオーディエンスの心をつかみ、場内の熱気をさらに高めていく。名曲の数々で会場を盛り上げ、ライブが終わると客席からはアンコールを求める声が上がっていた。洋楽勢のラストを飾ったFEEDERのステージでは、アジカンから後藤正文(Vo, G)が2曲参加するサプライズも。タカ・ヒロセ(B)はMCで「僕がイギリスに渡って20年くらい経つんだけど、戻ってくると“洋楽の人”として扱われて。そういうのをバンドレベルでぶち壊そうとしたのが『NANO-MUGEN』でありアジカンだと思います」と語り、彼らの姿勢を称賛した。トリを務めたアジカンは、7月25日リリースのニューシングル「それでは、また明日」から往年の名曲まで、幅広いセットリストを展開。後藤は「さっきタカさんも言ってくれたけど、ずっといろんなジャンルの壁とかなくなったらいいなと思って続けてきたので、このあったかい雰囲気はすごくうれしいです」と、観客に向けて語りかけた。
また会場4階のバー「GUESTReALM」ではPHONO TONESのライブが行われたほか、シークレットで後藤正文(Vo, G)の弾き語り演奏、2日目に出演する岩崎愛とアジカンの伊地知潔(Dr)、PHONO TONESの宮下広輔(Pedal Steel)によるライブも実施された。後藤はリリースが発表されたばかりのアジカンのニューアルバム「ランドマーク」から、喜多建介(G)が作曲したという新曲を演奏し、居合わせたファンを喜ばせていた。
2日目のトップバッターは
3組目に登場したのは、こちらも「NANO-MUGEN」初出演となる
15:00からスタートしたGUESTReALMでのステージは、トップバッターとしてPHONO TONESが登場。開始早々に入場規制がかかり、熱気に満ちあふれたライブが展開された。続く岩崎愛のステージでは伊地知らがサポートで参加。Keishi Tanakaはアコギの弾き語りでシンプルなライブを行った。一方のメインステージでは、初日から引き続きの出演となったFOUNTAINS OF WAYNEが前日とは異なるセットリストでフロアを魅了。続くMOTION CITY SOUNDTRACKはこの日限りのアコースティック編成で、日本のファンを喜ばせた。また、
フェスもいよいよ佳境に突入。昨年の「SUMMER SONIC 11」以来の来日となるSUEDEは、往年のヒットナンバーを次々に演奏していった。ブレット・アンダーソン(Vo)は激しいアクションと力強いボーカルで観客を惹きつけ、ラストナンバー「Beautiful Ones」ではフロアまで降りて観客とコミュニケーションを図った。約1時間にわたるSUEDEのパフォーマンスを経て、いよいよ2日目のトリを飾るASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブがスタート。「サイレン」から始まったアジカンのステージは、「ソラニン」「君の街まで」「ループ&ループ」「リライト」などヒットシングルを多数含む選曲で進行していった。ライブの合間には後藤が「35歳にもなると人生折り返した感があって。自分もいつか亡くなってしまうからこそ、こういうところで一瞬でも『いいな』っていう気持ちをみんなと共有できることをうれしく思います」と、真剣に語る場面も。そして、「こうやってどんどん音楽を好きな人を増やして、音楽好きの領土を広げれば、日本はもっといい国になると思います」と言ってから、バンドは「マーチングバンド」を力強く奏でてステージを降りた。
アンコールでは、チャットモンチーの橋本絵莉子をゲストボーカルに迎えた「All right part2」や、水色&ピンクのパーカーを着用したダンサーを交えた「踵で愛を打ち鳴らせ」を披露。最後は、後藤の「また会いましょう、どうもありがとう」の言葉に続いて演奏された「転がる岩、君に朝が降る」で、2日間にわたる「NANO-MUGEN FES.2012」を締めくくった。
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音楽ナタリー @natalie_mu
NANO-MUGEN FES.熱狂の2日間「ジャンルの壁をなくしたい」 http://t.co/L80ULea7