EGO-WRAPPIN'恒例の「Midnight Dejavu」今年も盛況、結成30周年に向け「来年は盛りだくさんな1年になると思います」

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EGO-WRAPPIN'が主催する年末恒例のライブシリーズ「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」が12月20、21、23日に東京・東京キネマ倶楽部、26、27日に大阪・松下IMPホールにて行われた。本稿では23日に行われた東京公演の模様をレポートする。

EGO-WRAPPIN'(撮影:仁礼博)

EGO-WRAPPIN'(撮影:仁礼博)

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序盤からキラーチューン投入

オープニングDJの松田“CHABE”岳二が絶妙な選曲で、ひとしきりフロアを盛り上げたのち、森雅樹(G)が、サポートメンバーの伊藤大地(Dr)、真船勝博(B)、TUCKER(Key)、icchie(Tp)、武嶋聡(T.Sax, S.Sax, Flute)、後関好宏(A.Sax, B.Sax)、滝本尚史(Tb)とともにステージに登場。この日のライブはインストブギ「The Dirty Boogie」でクールに幕を開けた。中納良恵(Vo)がバルコニーから登場すると2曲目「サイコアナルシス」へ。ライブ終盤で披露されることの多いキラーチューンが早くも投入され、フロアは大盛り上がり。ハイテンションな演奏に乗せて、中納は激しくステップを踏みながらパフォーマンスを繰り広げる。続けて「Neon Sign Stomp」が届けられると禍々しくも妖艶なサウンドが場内に響き渡った。

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)

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森雅樹(G)(撮影:仁礼博)

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最初のMCでは、オダギリジョーが監督を務めた映画「THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」の話題に。この作品で森は劇伴を担当しており、オダギリの裁量で幅広い楽曲が採用されたことに感謝を述べるとともに、劇中で俳優の深津絵里がEGO-WRAPPIN'の楽曲「色彩のブルース」を歌唱したことについて「まさか、こんな日が来るとは」と感慨深そうに語る。続けて彼が「23、24歳であんな曲作ってたなんて渋すぎるわ」とつぶやくと、中納が「あの頃、私らどうなってたんやろう?」と即座に合いの手を入れ、そんな2人のやりとりに場内は和やかな雰囲気に包まれた。

芳醇な香り漂う楽曲の数々

序盤から中盤にかけたブロックでは、ジャジーで洒脱な「Crazy Fruits」、哀愁漂う「あしながのサルヴァドール」、アンニュイな雰囲気の「Room#1102」など、しっとりめのナンバーが用意され、それらの楽曲が放つ芳醇な香りを観客たちはじっくりと味わっていた。「Heart Beat」の演奏後には中納が一旦ステージから退場。ここで毎年恒例の森とサポートメンバーによる“鶯谷ブルーサウナーズ”によるコーナーに。バンドは先のMCでも話題に上がった映画「THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」にちなんで、同作のサントラに収録された「Emerald Cowboy」、映画「黒いオルフェ」のテーマソングであり2001年に発表されたThe Skatalitesのトリビュートアルバム「ジャスタレコード プレゼンツ 『スカ・ストック~トリビュート・トゥ・ザ・スカタライズ~』」でEGO-WRAPPIN'がカバーした「BLACK SUNDAY」という映画関連の2曲をスカアレンジでカバー。「BLACK SUNDAY」の曲中では中納がステージに合流し、みずみずしい歌声を響かせた。続く「サニーサイドステディ」ではロックステディのゆったりとしたリズムに観客たちが心地よく体を揺らし、「カーテンコール」ではセンチメンタルなサウンドとメロウな歌声が会場を優しく包み込んだ。

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)

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森雅樹(G)(撮影:仁礼博)

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怒涛の展開を見せた終盤ブロック

TUCKERが奏でるホラーテイストのシンセと森のアバンギャルドなギターが怪しく響き、「Nervous Breakdown」でライブは後半に突入。中納はおなじみの赤いランプを手にステージを歩き回りながら歌唱する。ここからEGO-WRAPPIN'はクライマックスに向けて「PARANOIA」「CAPTURE」「くちばしにチェリー」といったアップチューンを畳みかけるようにプレイ。怒涛のテンションで繰り出されるサウンドにモッシュ状態で盛り上がる観客たちに向けて中納は激しくアジテートを繰り返し、ステージとフロアが混然一体となり狂騒的な盛り上がりを見せた。メンバー紹介に続けて、森が「来年は盛りだくさんな1年になると思います」と、結成30周年を迎える2026年に向けた意気込みを述べるとフロアから大きな拍手が寄せられる。バンドは本編最後に「色彩のブルース」を届けてステージをあとにした。

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博) [高画質で見る]

アンコールでは中納と森がシンセとエレキギターのデュオ編成で「a love song」を演奏。ダブワイズされた中納の歌声が宙を舞った。ラストナンバーは映画「THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」の主題歌であるバラード「phosphorus」。楽曲が終盤に差しかかると羽のような雪がふわふわと場内に降り注ぎ、幻想的な雰囲気の中ライブはフィナーレを迎えた。

アンコールに登場した中納良恵(Vo)と森雅樹(G)。(撮影:仁礼博)

アンコールに登場した中納良恵(Vo)と森雅樹(G)。(撮影:仁礼博) [高画質で見る]

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博) [高画質で見る]

セットリスト

EGO-WRAPPIN'「Midnight Dejavu」2025年12月23日 東京キネマ倶楽部

01. The Dirty Boogie
02. サイコアナルシス
03. Neon Sign Stomp
04. Crazy Fruits
05. あしながのサルヴァドール
06. ニュースタイム
07. Room#1102
08. Heart Beat
09. Emerald Cowboy
10. BLACK SUNDAY
11. サニーサイドステディ
12. カーテンコール
13. Nervous Breakdown
14. PARANOIA
15. CAPTURE
16. くちばしにチェリー
17. 色彩のブルース
<アンコール>
20. a love song
21. phosphorus

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