スチャダラパーの35周年を電気グルーヴとレキシが祝福!サプライズゲストRHYMESTERとあの曲のセッションも

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スチャダラパーの主催イベント「YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025 presents チャンピオン・カーニバル スチャダラパー35周年シリーズファイナル」が12月6日に神奈川・横浜BUNTAIで開催された。 本公演は、“祝祭”をコンセプトに掲げ2日間にわたって実施された「YOKOHAMA UNITE 音楽祭」の一環として行われたもの。1日目はスチャダラパー、2日目は佐野元春が出演した。

スチャダラパーと電気グルーヴ

スチャダラパーと電気グルーヴ

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スチャダラパーがアリーナクラスの会場で主催イベントを行うのは今回が初となる。会場の横浜BUNTAIは、アントニオ猪木vs藤波辰爾、ジャンボ鶴田vs天龍源一郎など今も語り継がれる名勝負が繰り広げられたプロレスファンの聖地として知られている(当時の名称は横浜文化体育館)。イベントにはスチャダラパーと長年交流のある電気グルーヴ、対バン形式では初競演となるレキシが出演。スチャのデビュー35周年を祝うにふさわしい豪華なマッチメークを楽しむべく、会場には超満員の観客が詰めかけた。

レキシ&ANIの「今夜はブギー・バック」

レキシ

レキシ [高画質で見る]

イベントのトップバッターを務めたのはレキシ。ライブの始まりを告げるホラ貝が鳴り響き、バンドメンバーとともにレキシがステージに登場する。レキシは「きらきら武士」でライブを開始。「武士」コールで、のっけから場内に一体感を作り上げる。続く「ギガアイシテル」で「こんばんは、ケビン・コスナーです!」というお決まりの挨拶をキメると、「会場を楽園にしていこうかな!」という言葉に続けてRIP SLYMEの楽曲の一節を観客とシンガロング。その後も随所にJ-POPの名曲をアドリブで織り交ぜながら観客をレキシの世界に問答無用で引き込んでいく。ビニール製のイルカ“ヨシオ”を抱え、「ラッセンのイルカ来たー、フォー!」と永野ばりにシャウトしたレキシは次曲「KMTR645」をスタート。曲中でイルカのヨシオが客席に投げ込まれると、観客たちの頭上をヨシオが元気に泳ぎ回る、レキシのライブでおなじみの光景が繰り広げられた。

レキシ

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レキシ

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ラストの「狩りから稲作へ」では演奏の途中でスチャダラパーのANIがステージに登場。「出てきてくれたということは?」とANIにセッションを提案したレキシは、「ANIさんとしゃべってる途中でしょうが!」とバンドを一喝して演奏を中断する。話し合いの結果、「心のベストテン第一位の曲」こと「今夜はブギー・バック」のセッションがスタート。レキシとANIによるナイス&スムースなラップの掛け合いに拍手喝采が寄せられる。続けてバンドが「マツケンサンバⅡ」を演奏すると2人は陽気なサウンドに乗せてステージ狭しと華麗なステップを披露。最後にANIをステージから送り出したレキシは「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?」というフレーズに続けて、「スチャダラパーが好きー!」と熱唱し、スチャへのリスペクトを全力で伝えてライブを終えた。

ANI(スチャダラパー)とレキシ。

ANI(スチャダラパー)とレキシ。 [高画質で見る]

ANI(スチャダラパー)とレキシ。

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怒涛のノンストップパフォーマンスで魅せた電気グルーヴ

電気グルーヴ

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2番手は電気グルーヴ。まずはサポートメンバーのSUGIURUMN(DJ)、吉田サトシ(G)が持ち場に着きオープニングテーマ「へびントロ」でライブがスタートする。続けて、スチャダラパーをオマージュした電気グルーヴのロゴがステージ後方のスクリーンに映し出され、石野卓球とピエール瀧がステージに登場すると大きな歓声が上がる。2曲目の「Missing Beatz」へとシームレスに突入すると、ダンサブルなサウンドとスクリーンに映し出されるイマジネイティブなVJとが相まって場内のテンションが一気に高まっていく。青い照明が点滅して「モノノケダンス」がスタート。禍々しい雰囲気が会場を覆い、重厚なキックがフロアを揺らす。なお「モノノケダンス」のVJには巨大なモノノケがBUNTAIを破壊するというご当地ネタが盛り込まれていた。

石野卓球(電気グルーヴ)

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ピエール瀧(電気グルーヴ)

ピエール瀧(電気グルーヴ) [高画質で見る]

「The Big Shirts」「Upside Down」といったアップチューンを立て続けに届けた電気グルーヴは、ここぞとばかりのタイミングで「Fallin' Down」をドロップ。高揚感あふれるビートに観客たちは心地よさそうに体を揺らす。「ガリガリ君」ではピエール瀧がカエルのオブジェをうやうやしく掲げ、ハットの上に乗せるなどカオティックなパフォーマンスを披露。「B.B.E.」では卓球と瀧がカニのはさみを模したグローブを装着し、石野の「カニー!」というシャウトに合わせて観客がピースサインを掲げるというシュールなシーンが展開された。ラストは「人間大統領」。MCを挟まず、怒涛のノンストップパフォーマンスを繰り広げた卓球と瀧は笑顔で颯爽とステージをあとにした。

電気グルーヴ

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35年の歴史を感じさせたスチャダラパー

スチャダラパー

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この日の主役、スチャダラパーは1990年に発表した「スチャダラパーのテーマ Pt.2」でにぎやかにライブをスタート。Boseの「セイ、オイース!」というコールに観客たちも即座に「オイース!」のレスポンスを返す。「ノーベルやんちゃDE賞」を披露したのち、サイドMCのロボ宙とサポートギタリストのKASHIFをステージに迎え入れたスチャは「FUN-KEY-WORD」「MORE FUN-KEY-WORD」といった初期曲をテンポよく届けていく。中盤に向かうブロックでは、LUVRAWのトークボックスをフィーチャーした「リンネリンネリンネ」、SHINCOのスクラッチが炸裂した「CHECK THE WORD」、KASHIFの哀愁漂うギターが印象的な「ライツカメラアクション」などバラエティ豊かな楽曲がステージを彩った。最新曲「ビート道」を経て、おなじみのフレーズが鳴り響くと「B-BOYブンガク」のパフォーマンスへ。硬質なビートに乗せてBoseとANIがタイトなラップの掛け合いを展開し、スクリーンに投影される「ANI BOSE SHINCO」の名を観客たちが大合唱する。「From 喜怒哀楽」「ULTIMATE BREAKFAST & BEATS」を届けた3人は再びLUVRAWをステージに呼び込むと「今夜はブギー・バック(LUVRAW REMIX)」を披露。続けて哀愁漂う「Pointless 5」でメロウなムードを作り上げ、35年というキャリアをギュッと凝縮したかのような新旧織り交ぜた絶妙の選曲で観客を楽しませていく。

Bose(スチャダラパー)

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ANI(スチャダラパー)

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SHINCO(スチャダラパー)

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サプライズゲストRHYMESTER登場

スチャダラパーからのライムスター

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いよいよライブは終盤へ。「最後に向かって、これはもうスッと行きますか。じゃあ、この曲をやります!」というBoseの合図で「Forever Young」のイントロが流れると、サプライズゲストのRHYMESTERがステージに登場。“スチャダラパーからのライムスター”名義で2020年にリリースした同曲のリリックさながら“海千山千頭抜けたキャリア”を持つ2組は、エネルギッシュかつエンタテインメント度の高いパフォーマンスで観客を興奮の渦に巻き込んだ。スチャダラパーは1988年、RHYMESTERは1989年と、ほぼ同時期に結成された2組。歌唱後のMCでは、宇多丸が同じようなヒップホップ感を持つスチャダラパーに対して、若き日の自分が嫉妬とシンパシーを同時に抱えていたことを回想した。続けて宇多丸は、興奮冷めやらぬ客席に向けて「このまま終わりでいいんですか⁉」と問いかける。そして「俺たちもスチャの曲に参加するからには、ひと味加えなきゃいけないと思って、とある楽器を持ってきたんです。原曲にこの楽器が入ってるんで」と観客に告げ、RHYMESTERの3人によるカズーのイントロ演奏から「GET UP AND DANCE」へ。本編のラストで飛び出した思いもよらぬセッションに、会場はこの日最大の盛り上がりを見せた。

スチャダラパーからのライムスター

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SHINCO(スチャダラパー)とDJ JIN(RHYMESTER)。

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アンコールでANIと瀧のバトルが勃発

スチャダラパーと電気グルーヴ

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盛大なアンコールに応えてスチャダラパーが再びステージに登場。BoseとANIが観客に35周年の感謝を伝えるも、途中からANIは35周年とまったく関係のない、南野陽子主演ドラマ「スケバン刑事」の魅力を訥々と語り始める。デビュー以来変わることのないANIのマイペースな趣味人ぶりに場内が和む中、「ちょっと待った!」と現れたのはピエール瀧。「ちょっと、ちょっとちょっと!」「どんだけ~?」と挨拶代わりにビンテージギャグを披露した瀧は、続けざまに観客に向けて「皆さんに悲しいお知らせがあります」と語りかける。瀧曰く、自宅の庭に実った柿をANIが盗んでいったのだという。監視カメラで証拠もつかんでいるとすごむ瀧がANIの身体検査をしたところズボンのポケットから柿が発見されてしまう。さらにはDJブースの下からも柿が見つかり、ANIとSHINCOの松本兄弟に嫌疑が広がる。「この柿は会場近くの青果店で買ったものだ」とANIが弁明するも、瀧の怒りは収まらない。そんな一触即発の両者の間に割って入ったのはBose。「お前ら、そんなに揉めるんだったらラップで決着つけろよ」という彼の提案によりANIと瀧はラップバトルで白黒つけることに。ドープなリズムが鳴り響く中、先行を務めたANIは「ピエール瀧は3頭身 骨格自体が旧時代」と存在感たっぷりの瀧の体型をコミカルにあげつらう。一方の瀧は「ないないづくしのスチャダラANI モテない サエない 昭和くさい」とANIの昭和趣味を強烈にdisる。

ラップで対決するANI(スチャダラパー)とピエール瀧(電気グルーヴ)。

ラップで対決するANI(スチャダラパー)とピエール瀧(電気グルーヴ)。 [高画質で見る]

ラップで対決するANI(スチャダラパー)とピエール瀧(電気グルーヴ)。

ラップで対決するANI(スチャダラパー)とピエール瀧(電気グルーヴ)。 [高画質で見る]

一瞬のにらみ合いに場内の緊張感が高まるも、互いのスキルを認め合ったANIと瀧はハイタッチを交わしてあっさり仲直り。「最後はこれで行こう!」というBoseの呼びかけでスチャと電気は、“スチャダラパーと電気グルーヴ”名義で2005年にリリースした「聖☆おじさん」をパフォーマンス。2組の仲睦まじいパフォーマンスに観客たちが満面の笑顔で「聖☆おじさん!」コールを送り、ハッピーなムードの中、スチャダラパーの35周年イベントは大団円を迎えた。

「YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025 presents チャンピオン・カーニバル スチャダラパー35周年シリーズファイナル」の様子。

「YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025 presents チャンピオン・カーニバル スチャダラパー35周年シリーズファイナル」の様子。 [高画質で見る]

セットリスト

「YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025 presents チャンピオン・カーニバル スチャダラパー35周年シリーズファイナル」2025年12月6日 横浜BUNTAI

レキシ

01. きらきら武士
02. ギガアイシテル
03. KMTR645
03. 狩りから稲作へ

電気グルーヴ

01. へびントロ
02. Missing Beatz
03. モノノケダンス
04. The Big Shirts
05. Upside Down
06. Fallin' Down
07. ガリガリ君
08. B.B.E.
09. 人間大統領

スチャダパー

01. スチャダラパーのテーマ Pt.2
02. ノーベルやんちゃDE賞
03. FUN-KEY-WORD
04. MORE FUN-KEY-WORD
05. リンネリンネリンネ
06. CHECK THE WORD
07. ライツカメラアクション
08. ビート道
09. B-BOYブンガク
10. From 喜怒哀楽
11. ULTIMATE BREAKFAST & BEATS
12. 今夜はブギー・バック(LUVRAW REMIX)
13. Pointless 5
14. Forever Young(with RHYMESTER)
15. GET UP AND DANCE(with RHYMESTER)

<アンコール>

電気グルーヴ×スチャダラパー

01. ANI vs 瀧
02. 瀧 vs ANI
03. 聖☆おじさん

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りょー @ricknh5

4枚目の瀧の表情ジワる https://t.co/wVMjYkDkzY

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