2022年にスタートし、今年で3回目を迎える「デザインミュージアムジャパン」。今回はNHKの8地域放送局ディレクターと第一線で活躍するクリエイターがタッグを組み、日本各地の“デザインの宝物”を探す。櫻井は過去2回でもナビゲーターを担当。今回も“デザインの宝物”を映像と現物で体験し、その魅力を伝える。
参加するクリエイターは、ROTH BART BARONの映像などを手がける映像工芸作家の菱川勢一、グラフィックデザイナーの佐藤卓と菊地敦己、現代美術家の宮永愛子、建築家の塚本由晴、インテリアデザイナーの五十嵐久枝、プロダクトデザイナーの深澤直人、デザイナーの宮前義之といった錚々たる面々。櫻井と参加クリエイターからのコメントも到着し、その中で櫻井は「日本全国にあるデザインの宝物を探す旅には、懐かしさや新たな発見がところどころに潜んでいます。そんなワクワクを視聴者の皆さまにお届けし、共に体感できたらと思います。どうぞ宜しくお願い致します」とコメントしている。
また5月15日から25日に東京・国立新美術館にて、この番組と関連した展覧会「『DESIGN MUSEUM JAPAN 展 2025』~集めてつなごう 日本のデザイン~」が開催される。
NHK Eテレ「デザインミュージアムジャパン」
2025年5月11日(日)9:00~9:45
<出演者>
スタジオ出演者:櫻井翔(ナビゲーター) / 五十嵐久枝(インテリアデザイナー)、深澤直人(プロダクトデザイナー) / 森下絵理香(NHKアナウンサー)
ナレーション:
櫻井翔 コメント
3回にわたってお送りしてきた“デザインミュージアムジャパン”が、一つの節目を迎えます。これまで、大変著名なデザイナーの方々に、ご出演頂きました。ときに伝統工芸、ときに最新技術、と幅広い、様々なジャンルと皆さまが触れ合う様子は、とても豊かで贅沢な時間でした。日本全国にあるデザインの宝物を探す旅には、懐かしさや新たな発見がところどころに潜んでいます。そんなワクワクを視聴者の皆さまにお届けし、共に体感できたらと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
参加クリエイターコメント
菊地敦己(グラフィックデザイナー)
「ほうろうの生活用品」“デザイナーなし”の温かいデザイン(栃木 / 栃木県)
僕自身、自宅でも仕事場でも日々愛用している「ほうろう」。使うことの実感を持った方がデザインしているに違いない、日頃から感じていたそういった信頼を栃木市の工場でのぞき見ることができました。製造上の理由で、この容器にはひっかかりが必要だよね、だからとっ手をつけてみた。うん、悪くない。使い手の必要と、作り手の方法が地続きであることによる、無理のなさ。これこそが、ものをつくることの源泉だと思います。
宮永愛子(現代美術作家)
「フォント」 明朝体と京都の新しく古い関係(京都 / 京都府)
リサーチを行うまで深く考えていなかった〈フォント〉。でも、子どものプリントの一文字一文字にしても誰かが選んだものだと愛おしくなりました。今回、生まれ育った京都で、スティーブ・ジョブズがデジタル製品のために選んだ文字の〈個性のない個性〉に感動し、そのルーツのような350年前の明朝体の版木を知りました。いろいろなものの元には〈小さなデザインの始まり〉があり、生活が豊かになればなるほどそのデザインも少しずつ発展し、私たちはその続きに生きていると思っています。
塚本由晴(建築家)
「かき氷を生んだランドスケープ」(天理 / 奈良県)
「かき氷の聖地」として人気が高い奈良。ここには日本最古の氷室神社があり、氷について記した木簡も出土していると聞き、「どうやって昔の人は氷を手に入れたんだろう?」と思いました。氷を保存する「氷室」は雨が集まりにくい尾根の上に掘った竪穴を、熱を伝えない茅で覆ったものでした。そして氷を作る「氷池」は尾根の日陰になる北側の谷にありました。冬に氷を採り夏まで保管できる条件が揃った地形が、かき氷を結節点に、朝廷文化に結び付く、まさに「事物連関型のデザイン」です。人間の意思とは関係なく動く自然物の“ふるまい”を人間が有効に活用している。現代のランドスケープデザインにも、こういう広がりを期待しています。
五十嵐久枝(インテリアデザイナー)
「魔法瓶」ガラス職人たちの情熱が生んだ〈特産品〉(大阪 / 大阪府)
勤務先の大学へコーヒーを持って行くなど、日々魔法瓶を愛用しています。思い出をたどると、祖母が毎朝魔法瓶をお湯で満たすのを手伝っていた小さい頃から、キラキラした内部の輝きに魅了されていました。今回、大阪のガラス職人と魔法瓶の関わりを知りましたが、特に心惹かれたのはガラスを熱して溶かす容器〈るつぼ〉。窯にすっぽり入り誰の目にも触れることはないのに、本当に美しく仕上げられている。この〈つるぼ〉で作られるガラス製品は綺麗なものとして生まれる運命をバトンタッチされていると感じました。
菱川勢一(映像工芸作家)
「大漁旗」漁師たちを鼓舞する魂のデザイン(米子 / 鳥取県)
以前に三重県で「この地域最後の大漁旗職人が店をたたむ」とたまたま聞き、仕事そっちのけで撮影させてもらったことがあります。その経験もあったので、鳥取に手染めで大漁旗を作り続けている方がいると知って、ぜひ!とリサーチに向かいました。代々伝わる基本的な図案を基にしながら、贈る相手を思ってデザインを決める究極のオリジナル。命がけで海に向かう者を盛大に送り、安全を祈るという“気持ちの表れ”に胸が震えました。贈られた船主の方が「お祝いのお金より大漁旗」と語られる言葉に、大きくうなずきました。
深澤直人(プロダクトデザイナー)
「石州瓦」 瓦が生み出す町の〈雰囲気〉(大田 / 島根県)
島根県西部で生産される石州瓦は、三州瓦(愛知)、淡路瓦(兵庫)と並び、日本三大瓦のひとつ。地元産の土を高温で焼き締める瓦は、雪深く、日本海の荒波にさらされ、しばしば台風の通り道にもなる厳しい環境に耐えられる頑丈な瓦です。特徴は地元の石を素材としている釉薬由来の赤茶色。誰が「赤い瓦の街並みを作ろう」と呼びかけた訳でもないのに結果として形成された赤い瓦の街並みは、町に独特の〈雰囲気〉を作り出しています。
宮前義之(デザイナー)
「街路市」市300年続くコミュニケーションのデザイン(高知 / 高知県)
コロナ禍を経て、私たちは「服をどう届けるか」という問いに、これまで以上に向き合うようになりました。そんな折、江戸時代から 300 年以上にわたり続く高知の街路市の存在を知り、そこにはきっと、コミュニケーションの原点とも呼べる形があるのではないかと惹かれました。実際に訪れてみると、そこにはただ物を売り買いするだけではない、親密であたたかなやりとりが息づいていました。顔を合わせて言葉を交わす、互いを思いやる関係性。その風景のなかに、デザインの本質を見た気がしました。<デザイン>とは、単にモノをつくることではなく、人と人とが交わるところに生まれるもの。そして、それが暮らしを豊かにし、時を越えて受け継がれていくのだと思います。高知の街路市は、そのことを静かに、しかし力強く教えてくれる場所でした。
佐藤卓(グラフィックデザイナー)
「スナック」〈間〉をつなぐ本能のデザイン(宮崎 / 宮崎県)
「宮崎には日本一のスナック街〈ニシタチ〉がある」とNHK宮崎ディレクターからお誘いを受けました。人口あたりのスナック数が日本で一番多い、という話です。スナックとデザイン。一見相いれないものですが、聞いた途端、心をつかまれました。本能に訴える、〈唾液〉を出させるデザイン。看板の文字も、デザインの教科書的には「もうちょっときれいに整理すべきだ」と言われそうだけれど、本当にそうだろうか?デザインの本質みたいなものが隠れているっていう風に思うところがあって、不思議に惹かれました。
展覧会「DESIGN MUSEUM JAPAN 展 2025」~集めてつなごう 日本のデザイン~
2025年5月15日(木)~25日(日)東京都 国立新美術館 3階 展示室 3B
※5月20日は休館。
すみれ𓂃 𓈒🌸chap.,II @sumire125as
櫻井翔、“デザインの宝物”を探すEテレ番組「デザインミュージアムジャパン」今回もナビゲート
https://t.co/PDGf3zJt6R
#櫻井翔 🌸
#デザインミュージアムジャパン