音楽ナタリー - 最新音楽ニュース

新編成チャットモンチー、工夫しながら2人きりでライブ敢行

751

チャットモンチーによる対バンツアー「チャットモンチーの求愛ツアー♡」の最終公演が12月4日にZepp Tokyoで行われた。9月末に高橋久美子(Dr)が脱退したチャットモンチーにとって、今回のツアーは新体制での初のライブということもあり、どのようなステージになるのかひと目観ようと会場には数多くのファンが集まった。

この日1番目の対バン相手は、ガールズバンドの先輩としてチャットモンチーをリスペクトするねごと。アグレッシブな演奏で観客を自分たちの世界にぐいぐいと引き込み、大会場ながら堂々としたパフォーマンスで満員のオーディエンスを踊らせた。そのクールなライブの一方でMCでは、ドラムの澤村小夜子がポケットにチョコレートを入れっぱなしでライブをしていたことに突然気づき「見て!ぐちゃぐちゃ!」と話したりと、独特のゆるい雰囲気も垣間見せた。

また蒼山幸子(Vo, Key)は、彼女たちが世に出るきっかけとなった10代限定フェス「閃光ライオット」を振り返り、当時チャットモンチーとラジオ番組の企画で生電話をしていたエピソードを告白。メンバー同士でプリクラを撮っていた最中にチャットモンチーからの電話がかかってきたとのことで「あのときは4年後に同じステージに立てるとは思ってませんでした」と、尊敬する先輩への感謝の言葉を述べていた。彼女たちのライブはラストに「カロン」「メルシールー」を立て続けに披露して大きな盛り上がりのまま終了。ステージを去る4人に向けて会場から惜しみない拍手が贈られた。

続いて登場した矢野顕子は、くるりのカバー「ばらの花」からライブを開始。グランドピアノの弾き語りで、ねごとのライブから一転して静かで厳かなステージが展開され、観客は美しい歌声にじっと聴き入っていた。矢野はねごとのライブを観て気に入ったとのことで「さっそくAmazonでポチります」と語り、ねごとのメンバーが現在21歳だという話から自分がデビューした21歳のころを思い出していた。

「ばらの花」に続いて矢野は、THE BOOM「中央線」、チャットモンチー「ツマサキ」と立て続けにカバー曲を披露。矢野はチャットモンチーがメジャーデビューしてすぐに彼女たちの楽曲「ツマサキ」を気に入っていたが、これまで発表する機会がなかったため今回のライブで6年越しで初披露されたという。

矢野はその後も「LUNA SEAを意識してムナシーというユニットを組みたいとSUGIZOに言ったら呆れられた」など、自由なトークで会場を沸かせながらライブを進行。定番曲「ラーメンたべたい」や、12月14日に発売されるyanokamiのアルバム「遠くは近い」の収録曲「Don't Speculate」、そして最後に「ひとつだけ」を熱唱した。

そして橋本絵莉子と福岡晃子の2人編成になったチャットモンチーのライブがスタート。1曲目に演奏された新曲では、橋本が荒々しくギターを弾きながら首にかけたブルースハープを吹き、福岡は3人編成時代のベースからドラムにパートチェンジして力強くダイナミックにリズムを刻む。ベーシストの不在を補うように、2人の演奏はこれまで以上にエモーショナルなものになっていた。

新曲のみならず既発曲も2人で演奏するためのアレンジに一新。「東京ハチミツオーケストラ」では「そんなに甘くはないよって 早く誰か教えてよ」のフレーズを何度もリピートし、会場中から手拍子と大合唱が沸き起こった。続いて披露された新曲は、ベース歴がまだ3~4カ月だという橋本がベースを弾き、福岡はドラムを叩きながら右手でキーボードを演奏。橋本のボーカルにはエフェクトがかかり、これまでのチャットモンチーとはひと味違う世界観を提示した。

「世界が終わる夜に」は福岡晃子が楽器をベースに持ち替え、ドラムレスの弦楽器2本のみでしっとりと演奏。ステージを照らす青い光に包まれて2人のハーモニーがZepp Tokyo内に響き渡った。福岡がドラムに戻り「バスロマンス」が披露されると会場は興奮状態に。2人だけとは思えないほどのエネルギッシュなサウンドに、観客も一斉に手を振って応えた。

本編最後の曲も新曲で、橋本はギターフレーズをエフェクターでループさせたまま、クマの着ぐるみと一緒にキュートな振り付けのダンスを披露。たった2人で手さぐりしながらも、どうやって来場者を楽しませるのかを考えぬいた末の、エンタテインメント性の高いライブとなった。

アンコールで再びステージに現れた2人は、2月1日と2月8日にニューシングル、2月15日にベストアルバム「チャットモンチー BEST~2005-2011~」と、3週連続リリースを行うことを発表。ひさびさの新作リリースに会場が大いに沸く中で、チャットモンチーは「ふたりのビッグショー」と称してこの日の共演者2組のカバーを演奏した。このコーナーでは橋本はアコースティックギターを弾き語り。福岡はねごとのカバー「ふわりのこと」ではベースと鉄琴を、矢野顕子のカバー「ひとつだけ」ではiPadを操作して打ち込みのリズムを鳴らしていた。

その後、福岡にドラムを教えている先生であり、このツアーにも帯同したというdetroit7の山口美代子をステージに呼び込み、感謝の気持ちを込めて橋本は手品で取り出した小さな造花を、そして福岡は大きな本物の花束を山口にプレゼント。最後は出演者が全員登場し「シャングリラ」をセッション。この日最大の盛り上がりのまま、新編成お披露目の対バンツアーは幕を下ろした。

音楽ナタリーをフォロー