anoが舞い散るアンチコメントの中で熱唱、幾田りらコラボステージも実現した初のホールワンマン

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anoが自身初のホールワンマン「スーパーニャンオェちゃん発表会」を1月14日に東京・NHKホールで開催。チケットは完売し、会場は3階席まで熱烈なファンで埋め尽くされた。

「YOU&愛Heaven」を歌うano。(撮影:横山マサト)

「YOU&愛Heaven」を歌うano。(撮影:横山マサト)

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舞い散るアンチコメントの中心に立って

「普変」を歌うanoの上から、アンチコメントが降り始める。(撮影:横山マサト)

「普変」を歌うanoの上から、アンチコメントが降り始める。(撮影:横山マサト)[拡大]

ステージの幕が上がり、アコースティックギターを弾きながらanoが歌い始めたのは「YOU&愛Heaven」。アンコールやライブ終盤で歌われることの多い、本人作詞作曲のこの曲で始まるという意外な展開が、これまでのライブとはどこか違う夜になることを予感させた。エレキギターに持ち替えたanoが「普変」を熱唱すると、ステージの天井から大量の紙吹雪が。よく見るとこれらの紙には、anoを誹謗中傷するSNSの書き込みが1枚1枚に書かれている。anoは舞い散るアンチコメントの中心に立ちながら、床に降り積もるアンチコメントを踏み締めながら、強い意志を乗せて歌声をオーディエンスに届けた。

「社会の窓」をカバーするano。(撮影:横山マサト)

「社会の窓」をカバーするano。(撮影:横山マサト)[拡大]

続いての曲は、「普変」の作者である尾崎世界観のバンド、クリープハイプの「社会の窓」のカバー。8月にリリースされたクリープハイプのトリビュートアルバム「もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって」の収録曲だ。ここでanoは真っ赤な照明に照らされながら「愛してる 今も愛してる」とエモーショナルに歌い上げた。anoがギターを下ろしてマイクを握ると、ダンサーたちが登場して「猫吐極楽音頭」がスタート。目まぐるしく変化するカオスな映像と、床から吹き出すスモーク、飛び交うレーザーというド派手な演出に、観客の興奮は一気にピークへと達した。

幾田りらと再会、互いに渾身のパフォーマンス

ano(撮影:横山マサト)

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なお、この日のバンドメンバーは、TAKU INOUE(G)、西浦謙助(Dr)、真部脩一(B)、永山ひろなお(Key)という編成。彼らのアグレッシブな演奏によって、打ち込み中心の曲も含めて全編にわたり、ライブ感が増したサウンドが届けられた。「イート・スリープ・エスケープ」や「swim in 睡眠 Tokyo」などの曲では、歌うanoの姿をリアルタイムでモーフィングしたりエフェクトをかけたりといった、これまでにない映像演出も。ライブ前半はMCらしいMCをほとんどしないまま進行し、anoが話し始めた頃にはすでに8曲が終了していた。NHKホールの客席を見渡しながら「なんかすごく変な感じだ。四角い。ホールって言葉は丸そうすぎる」と困惑するano。2023年の「NHK紅白歌合戦」でこの会場に来たときのことを思い出しながら「そのときの景色と、今ライブをしている景色が全然違うから不思議です。ホールなのにホールじゃないみたいで面白いです」とうれしそうに話していた。

ano(撮影:横山マサト)

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「スマイルあげない」で再びダンサーたちが登場すると、これを皮切りに「ちゅ、多様性。」「許婚っきゅん」と、anoが振付に合わせてダンスする曲を連発。テレビアニメ「らんま1/2」のオープニングテーマである「許婚っきゅん」では“パンダになった早乙女玄馬”もステージに登場し、anoが巨大な銅鑼を叩いたのを合図に、客席に向かって銀テープが発射された。会場がハッピーな空気で満たされる中、そのまま「F Wonderful World」に突入し、オーディエンスはますます大盛り上がり。そしてanoがスペシャルゲストとして幾田りらを呼び込むと、客席から大歓声が湧き上がった。

手を握る幾田りら(左)とano。(撮影:横山マサト)

手を握る幾田りら(左)とano。(撮影:横山マサト)[拡大]

2024年春に公開されたアニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」にて主演声優を務め、タッグを組んだ主題歌「絶絶絶絶対聖域」「青春謳歌」をリリースした彼女たちの、ライブでの共演は約半年ぶり。ひさびさの再会を喜ぶのもつかの間、2人は一緒に「青春謳歌」を歌い始め、アイコンタクトを取りながらうれしそうに掛け合いを繰り広げた。一転して「絶絶絶絶対聖域」では、壮大なバンドサウンドに乗せて互いに渾身のパフォーマンスを展開。迫力あるグロウルを響かせて観客を圧倒する。歌の終わりで手をつないだ彼女たちに、惜しみない拍手が送られた。幾田が去ったあとでanoとバンドメンバーは、深い海に沈むような浮遊感のある演奏で「鯨の骨」を披露し、ライブ本編を終えた。

ラストナンバーに圧倒された観客がじっとステージを見入る

ano(撮影:横山マサト)

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観客がアンコールを求める声を上げていると、突然スクリーンに映像が。そこに流れていたのは、ライブのバックステージの様子と、苦悩と葛藤を振り絞るように語るanoの声だった。映像内のanoが「僕は絶対に、僕自身が変わらずにここに立つよ」と力強く語った直後、9月3日に初の東京・日本武道館公演を開催することがスクリーンで告知され、会場は興奮に包まれた。再びステージに戻ったanoは、日本武道館公演の開催について「武道館が目標だったことはないんですけど、どんだけ周りからバカにされようが僕についてきてくれるみんなと、いい景色を一緒に見れたらなって感じです」と説明。「今までの僕はめちゃくちゃ必死で本気でしたから、全部必然なんですけど、怖いものは怖いです。でも、嫌なことも怖いことも不安なことも全部、ぶっ壊して抱きしめたいです。あなたはあなたのまま、僕は僕のまま、またステージで会えるのを楽しみにしています」と観客に呼びかけた。

床に積もるアンチコメントの上で歌うano。(撮影:横山マサト)

床に積もるアンチコメントの上で歌うano。(撮影:横山マサト)[拡大]

そんなMCのあとでanoが「そういう言葉にできないものを、今からやる曲に全部込めました。これからの僕は最強です。楽しみにしててください」と挨拶して、ライブはいよいよラストナンバーへ。彼女が最後の曲に選んだのは、2024年いっぱいで解散したI'sのラストシングル「Past die Future」だった。パンキッシュで荒々しいバンド演奏をバックに、anoは「僕だけの武器突き刺して 愛も血も晒して 地獄から生き上がってやる」と力いっぱい熱唱。その姿に圧倒されたのか、アッパーな曲でありながら多くの観客はじっとステージに見入っていた。歌い終えたanoはやりきったように「またステージで会いましょう! 生きて帰ってきます!」と叫び、笑顔で舞台から去っていった。

セットリスト

ano「スーパーニャンオェちゃん発表会」2025年1月14日 NHKホール

01. YOU&愛Heaven
02. 普変
03. 社会の窓
04. 猫吐極楽音頭
05. 絶対小悪魔コーデ
06. Peek a boo
07. イート・スリープ・エスケープ
08. swim in 睡眠 Tokyo
09. SWEETSIDE SUISIDE
10. AIDA
11. デリート
12. 愛してる、なんてね。
13. 涙くん、今日もおはようっ
14. スマイルあげない
15. ちゅ、多様性。
16. 許婚っきゅん
17. F Wonderful World
18. 青春謳歌(幾田りら feat. ano)
19. 絶絶絶絶対聖域(ano feat.幾田りら)
20. 鯨の骨
<アンコール>
21. Past die Future

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Koji Takeuchi @co_jit

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