Ålborgの初ツアー終幕、BROTHER SUN SISTER MOONとそれぞれの音で観客を酔わせた東京の夜

Ålborgの全国ツアー「Hello, we are Ålborg!」が、9月29日に東京・青山 月見ル君想フでファイナルを迎えた。

「Hello, we are Ålborg!」は、7月に1stアルバム「The Way I See You」が配信とアナログ盤でリリースされたことを記念したもの。Ålborgは自身初となる本ツアーで全国8カ所を巡り、Chappo、三輪二郎、工藤祐次郎、東郷清丸、幽体コミュニケーションズ、山二つ、VIDEOTAPEMUSICといった多彩なゲストを迎えてライブを行った。ファイナルにはゲストとして、BROTHER SUN SISTER MOONが出演。さらにツアー埼玉公演の会場となったカフェクウワの出店もあり、Ålborgの楽曲「Lemon Cake」をイメージしたレモンケーキが販売された。

先攻のBROTHER SUN SISTER MOONは、まず静かな音の重なりで観客を惹きつけると、惠翔兵（Vo, G）の感傷的なボーカルが胸を打つ未発表曲でライブの幕を開ける。続く「I Said」では浮遊感漂うバンドサウンドに惠愛由（Vo, Syn, B）の淡く美しいボーカルを溶かし、場内をドリーミーな空気で満たしていった。ライブ中盤、岡田優佑（Dr）の手数を抑えたドラムで「All I Want」の演奏が始まる。曲が進むに連れて彩り豊かになるバンドサウンドと、儚げなボーカルの重なりが生む心地よいグルーヴを浴びたオーディエンスはゆったりと思い思いにステップを踏んだ。幽玄な音の響きが印象的な「Cactus」で観客を異次元へと導いたBROTHER SUN SISTER MOON。最後は「Fake My Heart」をパフォーマンスし、会場に深い余韻を残してステージをあとにした。

続いて登場したÅlborgは、1曲目に「The Way I See You」のオープニングナンバー「Same Page」をセレクト。広がりのあるフォーキーなサウンドとMiya（AG, Vo）の透き通った歌声を会場いっぱいに響かせると、安田くるみ（Tb, Cho）が吹くトロンボーンの音色が心地いい「Stray Cat」や、功刀源（EG）のギタープレイが光る「Somebody, Somewhere」を続けて観客の体をゆったりと揺らした。美しい歌声の重なりが印象的なフォークナンバー「Window」を経て、真っ赤なライティングの下で披露されたのは新曲「So」。岩方禄郎（Dr）の肉体的なドラミング、鎌田達弥（B, Cho）の包容力のあるベース、Miyaのクールなボーカルを聴かせ、オーディエンスをバンドの世界観に引き込んでいった。

MCでは安田が「初めてアルバムを出して、ツアーを回って……どちらも大切な思い出になっているのですが、何よりも素敵なことが起こりました。かまちゃんのベイビーが昨日生まれました」と報告。温かな拍手に包まれる中、鎌田は「ありがとうございます。名前は一平です。一番平和と言う意味で名付けたけど、平和なやつかはまだわからない（笑）」とうれしそうに語った。Ålborgはカクバリズム所属後の第1弾シングル「Change / Memory」から「Memory」でライブを再開すると、続けて2022年発表の1stシングルで代表曲「Girl」をじっくりとプレイ。最後はエバーグリーンな1stアルバムの表題曲「The Way I See You」を高らかに響かせてステージを終えた。

アンコールでは安田がツアーを振り返り、「平日はみんな働いているから大変だったけど、カクバリズムと出演者とライブハウスと皆さんに感謝しています。今日は来てくれてありがとうございます」とファンへの感謝を伝える。そしてMiyaの「毎日忙しくて大変なこともありますが、前を向いてがんばっていきましょう」という言葉で「Lemon Cake」を演奏。最後はポップパンク調の「Same Page!」をエネルギッシュに届け、フロアに熱狂を生み出して初のツアー「Hello, we are Ålborg!」を締めくくった。