加藤ヒロ、大人空間で円熟したバンドサウンドを響かせる

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加藤ヒロが5月27日に東京・BLUES ALLEY JAPANでワンマンライブ「スモーキーなスコッチと満月と」を開催した。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

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加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

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加藤の最新アルバム「スモーキーなスコッチと満月と」のリリースを記念して行われた本公演。BLUES ALLEY JAPANの場内にはたくさんの円卓が並べられており、観客はピザ、グラタン、パスタといった料理を嗜みながらライブを鑑賞した。なおこの日限りの特別メニューとして、加藤が運営する八ヶ岳の農場・チェリーズガーデンで採れた小麦粉を使ったピザも販売された。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

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フロアの明かりが落とされると、各円卓のろうそくが淡く浮かび上がる。加藤とKOSEN(G)、芳賀義彦(G)、目黒郁也(B)、工藤寛丈(Key)、海老原諒(Dr)がステージに登場し、「Ignition」でライブの幕を開けた。加藤はアロハシャツにサングラスという南国スタイルで、情感たっぷりに歌い上げる。続いてアコースティックギターを持った彼は「Superstar」「Lips & Dreams」を披露。目黒のベースがずっしりと頼もしく響き、その上で芳賀の華麗なギターソロが炸裂する。大歓声が沸き起こる中、加藤は「前作をリリースした頃はコロナで思うようにイベントができない状況でしたけど、今回は皆さんと一緒にアツい夜を過ごさせていただけるということで、最後までよろしくお願いします」と語り、自身がパーソナリティを務めるZIP-FMの番組「MIDNIGHT RUNWAY」のテーマソング「みんなのラジオ」を演奏。続く「紫のフュージョン」ではKOSENのカッティングギターが小気味よいグルーヴを生み出し、フロアは大人の色気で満たされた。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」のオフショット。(撮影:内藤まみ)

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「きみだけのランウェイ」「雨上がりの朝に」が披露されたのち、しばしの休憩時間が挟まれる。加藤は各円卓を回って、飲食を楽しむファンたちと談笑した。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)[拡大]

アロハシャツから黒ジャケットに着替えた加藤は「Fly into the Summer」でライブを再開。「9月のエアメール」が始まると海老原がハイハットで16分音符を刻み、目黒がたっぷりと余白を残したフレーズを奏でる。ちょうどよく酒が回ってきたファンたちは体を揺らし、今にも立ち上がって踊り出しそうな様子を見せた。「ヒロー!」という黄色い歓声や指笛が鳴り響き、宴もたけなわである。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)[拡大]

加藤は「僕らの世代ってバブルの頃に学生を経験していて。その頃は、とにかく勉強していい学校を出ろと言われました。いい学校をいい成績で出れば、いい会社に就職できると。いい会社に就職できれば、安定した生活が待っていると。そんな神話のようなことを教えられて、皆さん若いうちから仕事に力を注いできた。定年まであと何年、という今だからこそ、若い頃に夢見たことにもう一度、時間を使って打ち込むのもいいんじゃないでしょうか。そういう曲を、2曲続けてお届けします」と話したのち、「Dream it up!」と「Mr. Dreamer」を演奏。彼はさらに「迷うのは悪いことじゃない。選択肢があるというのは幸せなこと。ただ農業は自然相手なので、いろんな場面で判断をしないといけなくて。例えば育苗ポットで苗を育てるとき、間引きがあるんですよ。芽を出した苗のうち、どれかを切らないといけない。このときに迷うんです。どれを切ればいいのか(笑)」と語り、「間引きされた苗は、いったいどこへ行ってしまうんでしょうか」というなんとも珍しい曲振りで「Heaven」を届ける。荒んだ心を癒すかのように、加藤の伸びやかで優しい歌声が響いた。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」のオフショット。(撮影:内藤まみ)

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80'sサウンドへのリスペクトを込めた「二度目のGood-byeは僕が呟く」では各楽器のソロ回しがあり、場内のボルテージはより一層高まっていく。その後、KOSEN、芳賀、目黒、海老原がステージから姿を消し、加藤と工藤は2人きりに。工藤が22歳であることが告げられると、フロアから「素敵!」という声が上がり、加藤は「いいですね! 若いと素敵とか言ってもらえて」と笑った。2人はピアノと歌だけで「白い月」を披露。削ぎ落とされたアレンジが心地よい緊張感を生み、観客の視線を釘付けにした。

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」より。(撮影:内藤まみ)[拡大]

アンコールの拍手に迎えられて、三たびステージに現れた加藤たち。フォークロック曲「スタートライン」で会場は溌剌とした空気に包まれる。そして最後に届けられたのはもちろんアルバムの表題曲「スモーキーなスコッチと満月と」だ。海老原がスネアをブラシで撫で、ざらざらとムーディな音色を響かせる。加藤はその手にウイスキーグラスを持っているかのようなジェスチャーを見せながら歌唱し、壮年の魅力を存分に見せつけた。

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セットリスト

加藤ヒロ「スモーキーなスコッチと満月と」2024年5月27日 BLUES ALLEY JAPAN

<第1部>
01. Ignition
02. Superstar
03. Lips & Dreams
04. みんなのラジオ
05. 紫のフュージョン
06. きみだけのランウェイ
07. 雨上がりの朝に
<第2部>
08. Fly into the Summer
09. 9月のエアメール
10. Dream it up!
11. Mr. Dreamer
12. Heaven
13. 二度目のGood-byeは僕が呟く
14. 白い月
<アンコール>
15. スタートライン
16. スモーキーなスコッチと満月と

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目黒 郁也(メグロ イクヤ) @Megu_198

先日の加藤ヒロさんのブルースアレイでのレポート🙏 https://t.co/CTWX42Tjna

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