EBiDAN所属グループが一堂に会するライブイベント「EBiDAN THE LIVE 2025 HOTEL NINE STAR」が、8月15~17日の3日間、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された。「EBiDAN THE LIVE」(通称:エビライ)は毎夏恒例となっている、EBiDANによる年に一度のビッグイベント。開催14年目となる今夏のライブは「ホテル」がテーマだ。
ようこそ、天空に浮かぶHOTEL NINE STARへ
それぞれのイメージカラーの生地で仕立てられた上質な制服に身を包んだ全9組が次々に映し出されたオープニング映像を経て、今回の「エビライ」のために制作された新曲「HOTEL NINE STAR」で“9つ星ホテル”の扉は開いた。歌い出しを担うONE N' ONLYを筆頭に、BUDDiiS、ICEx、Lienelが花道に並び立った導入から、SUPER★DRAGON、Sakurashimeji、原因は自分にある。の3組に歌いつなぎ、メインステージで落ちメロを担うM!LK、大サビを歌い上げる超特急へ。後輩グループから先輩グループへと渡されていく歌声のバトン、そして61人がオールラインナップしポーズを決める壮観はこれから始まる夢のひとときへの期待感を大いに募らせた。
曲を終え、「ようこそ、天空に浮かぶHOTEL NINE STARへ!」と総支配人さながらに観客を歓迎したのは超特急のリーダー・リョウガ。彼の導きで各グループはそれぞれにひと言ずつ挨拶を行う。吉澤要人(原因は自分にある。)が「今日は僕らに惚れ散らかして帰ってください」と自信をのぞかせれば、佐野勇斗(M!LK)は「EBiDAN最高!」と声を上げ「今日ビジュ?」「イイじゃん!」「ジャン?」「海渡~!」と、ヒット曲「イイじゃん」とジャン海渡(SUPER★DRAGON)を掛け合わせたコール&レスポンスで盛り上がる。「上品な装いでスタートさせていただいたんですけど、毎年恒例のお祭り、心はホットにブチ上げていきたいと思います!」と気合いを入れたのは、EBiDANの“ブチかまし男”ことHAYATO(ONE N' ONLY)。さらにカイ(超特急)は、親指と人差し指を顎に沿わせるポーズを観客全員に作らせたかと思えば「ク~ル洸希!」と、かつて田中洸希(SUPER★DRAGON)が常用していた“いにしえのフレーズ”を引用。「びっくりしたー!(笑)」と洸希を焦らせるやりとりで場を和ませた。
エビライにも響き渡る「マウスウォッシュ!」
にぎやかなオープニングを経て、序盤に届けられたのは各グループが持ち曲を披露するパフォーマンスリレー。その1番手を担った原因は自分にある。は、大倉空人の「Make some noise!」という煽りから「因果応報アンチノミー」でアグレッシブにパフォーマンスリレーの火蓋を切る。彼らがまとっていたのは、1カ月前に同じ国立代々木競技場第一体育館で行われたワンマンライブで観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)を沸かせた、“堕天”を想起させるブラックスーツ。再び代々木のセンターステージに“降り立った”彼らはエッジィなサウンドにドライブするボーカルを乗せ、桜木雅哉は気合い十分に「因果応報JUDGE!」と審判を下してみせた。メインステージに現れたBUDDiiSは、メンバーのSHOOTが作詞を手がけたスタイリッシュなラブソング「LÖVE ME」を清涼感いっぱいのボーカルリレーで届け、キュートな表情やハートを形作る仕草でもオーディエンスの笑顔を誘う。そんな晴々しい歌とダンスに続いて、「罪と罰」のシリアスな表現で再び会場の空気を一変させたのは、EBiDAN最年少グループのLienel。たっぷりと布を寄せたダークスーツをドラマチックにはためかせながら、芳賀柊斗や武田創世が聴かせた渾身のボーカルと世界観に没入するダンスは、満員のオーディエンスをぐっと惹き付けた。
4番手でメインステージに登場したICExは、7月にリリースしたばかりのシングル曲「インストール」で最新のICExをEBiDANファンに提示。竹野世梛と阿久根温世が繰り出すパワフルなラップはこれまで見せることがなかった表情で、彼らが得意としているキュートなエレクトロポップに加わった新たなエッセンスを印象付けていた。そして、このリレーのラストを担ったのはM!LK。“M!LK印”のポップなエールソング「エビバディグッジョブ!」がドロップされるやいなや、み!るきーず(M!LKファンの呼称)を筆頭に、客席からは大声量のコールが沸き起こる。佐野がこの曲のために作り上げたクセの強すぎるコールは「エビライ」の会場も多いに沸かせ、「カツオ節、小松菜、もち、雑煮!」「マウスウォッシュ!」と声が上がる代々木第一体育館。その中心に立つ佐野もまた「M!LKの絆永遠だよーん!」と力強く叫び、その求心力で会場の熱をグッと引き上げてみせた。
EBiDANバンド、今年の布陣&ボーカルは
パフォーマンスリレーの余韻間も無く、来場客が誘われたのは「ロックラウンジフロア」。ここでは楽器の演奏スキルを持つEBiDANメンバーによる、バンド編成でのステージが繰り広げられた。昨年の「エビライ」では佐野が“EBiDANバンド”のボーカルを担っていたが、この日フロントマンとしてマイクを握っていたのはTETTA(ONE N' ONLY)。加えてベースの田中雅功(Sakurashimeji)、ギターの高田彪我(Sakurashimeji)、ドラムのEIKU(ONE N' ONLY)が鳴らす重厚なサウンドが導いたのは10-FEET「第ゼロ感」という選曲で、予想外の展開に客席からは驚き混じりの歓声が上がった。また、昨年のバンドの鍵盤担当はKEVIN(BUDDiiS)のみだったが、今年は伊藤壮吾(SUPER★DRAGON)がキーボードとしてメンバーに加わり、KEVINはピアノを担当。より表現力を増したバンドアンサンブルを背に、TETTAは彼らしい艶やかさを帯びたボーカルで楽曲を歌い上げる。曲の中盤からは、パッションのままに上着を脱ぎ去ったTETTA。その情熱的なパフォーマンスによって客席の熱を確かに引き上げ、「whoa whoa」の大きなシンガロングを起こしてみせた。
情熱の赤を背負って……福神漬けの舞
続いてシーンが「レストランフロア」に切り替わると、そこにはウェイターに扮したFUMINORI(BUDDiiS)の姿が。「創作レストラン Stellar Table」で働く彼は、この日最後のお客様として実の兄弟であるHAYATOとFUMIYA(BUDDiiS)の“高尾兄弟”を迎えた。ウェイターと客として小気味よいやりとりを繰り広げる3人。メニューを開いたHAYATOが「オススメは?」と尋ねると、FUMINORIは「オーダー、お願いします!」とベルを鳴らす。このベルを合図に展開されたのは、食べ物をモチーフにしたEBiDANの楽曲を使った、めくるめくダンスショー。「スパイシーカレー with 福神漬け」とメニューをアナウンスする吉澤の“イケボ”に導かれて登場したユーキ(超特急)、マサヒロ(超特急)、吉田仁人(M!LK)、飯島颯(SUPER★DRAGON)、TETTA、武藤潤(原因は自分にある。)、杢代和人(原因は自分にある。)、SEIYA(BUDDiiS)は、Lienel「Curry on love」でエキゾチックに舞う。参加メンバーそれぞれがインドの民族衣装風コスチュームを着こなす中で異彩を放ったのは、“隠し味”の福神漬け役を担ったユーキと武藤。情熱のメンバーカラー・赤を背負う2人は被り物の先から爪先まで赤に染まった姿で振り切った全力ダンスを見せてステージセンターに君臨。FUMIYAから「隠し味、隠れてない!(笑) ちょっと出しゃばりすぎてたなあ」と辛口な評価を受けていた。
続いてのメニュー「スイーツの盛り合わせスペシャル」では、ICEx「CANDY」と原因は自分にある。「チョコループ」の2曲が届けられ、参加メンバーはそれぞれの楽曲衣装をまとって登場。大きなキャンディを手に花道で笑顔を振りまくタカシ(超特急)、ハル(超特急)、塩崎太智(M!LK)、志村玲於(SUPER★DRAGON)、古川毅(SUPER★DRAGON)、長野凌大(原因は自分にある。)、YUMA(BUDDiiS)、高桑真之(Lienel)による「CANDY」チーム、チョコミントアイスを手に軽やかなステップを踏むリョウガ、山中柔太朗(M!LK)、曽野舜太(M!LK)、ジャン、柴崎楽(SUPER★DRAGON)、SHOW(BUDDiiS)、竹野による「チョコループ」チームが送る甘いひとときに、HAYATOも「めちゃくちゃおいしかったです。推しがいっぱいいました!」と満足げに語って席を立つ。そして彼は「期間限定で“エンタメチャンネル”が観れるって聞いたんですけど……」とセリフを投げかけ、「エビライ」恒例の人気企画・シャッフルユニットのコーナーへとシーンを進めた。
愛犬家大集合!原因は自分にパグ
1日目「Emerald GATE」公演にはBUDDiiSならぬTEDDiiS、原因は自分にある。ならぬ原因は自分にパグ🐾、SUPER★DRAGONならぬULTRA★PHOENIXが登場した。TEDDiiSが届けたのは、それぞれの“ありのまま”を肯定するアップチューンの「Brightness」。EBiDAN最多の10人組ならではのダイナミックなフォーメーションダンスを見せながら、10人が細やかに歌いつないでいくボーカルワークでファンをときめかせた彼ら。FUMINORI役の芳賀、KEVIN役の八神遼介(ICEx)、SHOW役の中村旺太郎(ICEx)ら若手メンバーも伸びやかに曲を歌い上げる中、本人役のMORRIEとともにサビの見せ場を担ったSHOOT役の武田もまた、堂々としたパフォーマンスでしっかりと存在感を示していた。
原因は自分にパグ🐾に集ったのは、山本龍人(ICEx)、近藤駿太(Lienel)、リョウガ、洸希、池田彪馬(SUPER★DRAGON)、YUMA(BUDDiiS)、吉澤要人(原因は自分にある。)という、各グループを代表する“犬好き”メンバーたち。パグの垂れ耳を付けたキュートな姿で現れ観衆の黄色い悲鳴を誘った彼らは、ゲンジブのデビュー曲「原因は自分にある。」を歌い踊る。この曲のメインボーカルを担う武藤潤役の池田が艶やかなボーカルを響かせる中、ターンの前後で表情を変えるサビの決めパートでカメラに抜かれた桜木雅哉役のリョウガはにっこりと笑みを浮かべての“ワンちゃんポーズ”でファンをノックアウト。大倉空人役の山本も、同じパートで子犬のような無邪気な仕草を見せ、客席を大いに沸かせた。
ULTRA★PHOENIXは志村玲於役に竹野、古川毅役にシューヤ(超特急)、ジャン海渡役に森田璃空(Lienel)、飯島颯役に高桑真之(Lienel)、伊藤壮吾役にNAOYA(ONE N' ONLY)、田中洸希役にSHOW(BUDDiiS)、池田彪馬役に武藤、松村和哉役にSEIYA(BUDDiiS)、柴崎楽役に柴崎本人という布陣で「La Vida Loca」をパフォーマンス。池田とは“入れ替わり”のシャッフルとなった武藤は、池田へのお返しとばかりに熱のこもった歌声を聴かせた。シューヤの突き抜けるようなハイトーンボイスもラテン調のサウンドと絶妙に絡み合い、熱気渦巻いた彼らのステージ。SEIYAや森田による声を歪ませたラップも、彼らの新たな表情をオーディエンスに知らしめた。
EBiDAN筋肉自慢たちの競演
三者三様の熱演が繰り広げられたシャッフルコーナーを終えると、シーンはホテルのロビーへと切り替わる。ロビーに立っていたリョウガと吉田のもとに慌ててやって来たのはユーキ。彼が「大変だよ~、お部屋ってまだ空いてる?」と尋ねると、リョウガは「“すみっこ”のお部屋なら空いてますよ」と答えた。ここで登場したのは、先日SDRの研究生として活動することが発表された、すみっコぐらしの「しっぽず」。えびてんのしっぽ、えびふらいのしっぽ、あじふらいのしっぽは“先輩”であるEBiDANの61人をバックにEBiDAN全体曲の「恋のDing Dong」を披露し、キュートなステップで観客を魅了した。アイドルとしての初舞台を華やかに飾ったしっぽずに、リョウガは「僕たちが持ち得ないかわいさだな……」とひと言。ユーキは「これからも研究生・しっぽずのことをよろしくお願いします!」と、しっぽずに代わり観客に挨拶した。
リョウガと吉田によるMCタイムには、“スイートルーム(バックステージ楽屋)”と中継をつなぐ「突撃訪問サービス」のコーナーも。レポーター役のタカシ、飯島がスイートルームを訪れると、そこにはEBiDANの筋肉自慢であるシューヤ、志村、TETTA、EIKU、TAKUYA(BUDDiiS)がタンクトップ姿で集結していた。筋肉アピールでお互いを牽制する5人は握力測定でトップを決める「筋肉王子は誰だ? 握力チャレンジ」で対決することに。まずEIKUが「EBiDANに筋肉キャラは1人でいい!」と46.6kgを記録すると、シューヤは「最年長なんで。空気読んでね?」と言いながら59.9kgというハイスコアを叩き出す。「(筋肉は)大きさじゃなくて形」と告げた志村が45.5kgを記録する中、優勝候補の一角であるTETTAは「測定器ぶっ壊していいですか?」と言いながら測定器を握ったが、結果は51.2kgでトップのシューヤには及ばず。ラストのTAKUYAはほかの4人とは異なる“細マッチョ”体型ながら「てっぺん目指しましょうか?」と気合い十分で、測定結果もシューヤに次ぐ54.8kgを記録。TAKUYAによる番狂わせにも盛り上がる中、優勝を勝ち取ったシューヤは「ぷぅい!」とおなじみの“顎ピース”を決め、EBiDANの“筋肉王国”の玉座に君臨。この様子に吉田は「ヤな王国だよ。絶対行きたくない(笑)」と小さくつぶやいていた。
ホテル自慢のアイドル・情熱アチチ♡恋泥棒
筋肉自慢たちの競演を経て、メインステージにて届けられたのは、グループ混合のスペシャルユニットによる「エビライ」ならではのショーの数々。まず「MORE FIVE」というグループ名でステージに上がった阿久根、FUMIYA、千田波空斗(ICEx)、近藤、森田の5人は、NHKでオンエアされたドラマ「ひとりでしにたい」の劇中に登場したナンバー「Break Free」をファンの前で初披露する。センターに立つ阿久根を筆頭に5人は重低音の効いたクール&スタイリッシュなダンスビートに力強い歌声を響かせ、グループで見せる表情とはひと味異なる顔でオーディエンスを魅了した。続いて登場したのは吉澤、REI(ONE N' ONLY)、志賀からなる「3★STAR」。彼らも同ドラマの劇中曲「限界Lonely☆」を届け、MORE FIVEとは対照的な愛嬌たっぷりの歌とダンスでファンを魅了した。グループでは持ち前の低音ボイスを生かしたラップやクールなボーカルを聴かせることの多い吉澤のアイドル然としたメインボーカルに、その佇まいが「メロい」とSNSで話題を集めたREIによる“メロさ全開”の振る舞い、末っ子らしい無邪気さに満ちた志賀の天真爛漫な笑顔。3人がそれぞれの魅力を解き放つパフォーマンスを見せる中、吉澤は「そう、君となら永遠の愛を誓えるさ」と告げて曲を締めくくる。
すると、ホテル館内には宿泊客の母子に扮したSakurashimejiの高田と雅功が登場。「おばけつかまえるの~」と網を振り回す雅功を横目に高田は何かを探している様子で、そこに現れたホテルマン・カイに「スパがどこにあるのかわからなくて……」と尋ねた。ここで口を開いたカイは、「HOTEL NINE STAR」のスパでは“当ホテル自慢のアイドルグループ”のショーが楽しめることを高田と観客に伝える。そして「ショーの時間までラウンジでゆっくりしては。フレッシュな従業員による甘いひと言をお楽しみいただけます」と、ホテルクルーの八神と武田を呼び寄せた。そんな八神と武田は“胸キュンフレーズ”で高田をおもてなし。しっかりと役に入り込んだ演技で甘い言葉をかけ、高田をとろけさせた。
そんなやりとりを経てスパの準備が整うと、センターステージには「情熱アチチ♡恋泥棒」が姿を見せた。今回の「エビライ」のために結成されたこのアイドルグループのメンバーはリョウガ、曽野、洸希、TETTA、武藤、TAKUYAの6人。スカーフたなびくキザな白スーツで決めた彼らは、光る星型のタンバリンを手に、スタンドマイクで「Resplandor」を歌い上げる。普段ボーカルを担うことが滅多にないリョウガによる甘さ全開のボーカルに客席中がときめきの歓声を上げたのを皮切りに、メンバーたちが次々に見せる湿っぽい視線、愛を伝えるセリフの応酬に観客は熱狂。名前に違わぬ“恋泥棒”ぶりでファンを夢中にした6人は、「愛してる」の決めゼリフを残し、ライブを次のシーンへと進めた。
舞台はクラブフロアへ
恋泥棒たちが「次はディナーショーフロアです」と切り出すと、メインステージにはタカシ、EIKU、KEVINの姿が。3人がここで送ったのは、本公演が初披露となったバラードナンバー「How Fool We Are」だ。各グループでボーカルを担い、それぞれに魅力あふれる歌声を持つ3人。彼らの伸びやかで自由な歌声は代々木第一体育館の広い空間で心地よく混ざり合い、曲中で歌われるまっすぐなメッセージは聴衆の心を震わせる。美しいハミングで曲が結ばれるまで、巧みなボーカルワークで魅了した彼らには、客席中から惜しみない拍手が送られた。
「EBiDANにまた新しくバラード曲ができました。僕も歌っていて、この曲がもっと好きになりました」。そう伝えたタカシによるミニトークのコーナーを経て、おもてなしの舞台は「クラブフロア」へ。このセクションではEBiDANメンバーがそれぞれにチームを組んで己のスキルを解放する、臨場感あふれるステージが繰り広げられた。先陣を切って登場したユーキ、ハル、HAYATO、FUMIYA、筒井俊旭(ICEx)の5人は、過去にTBSの番組で披露したVaundy「しわあわせ」のダンスパフォーマンスをファンの前で披露。コンテンポラリー的要素を取り入れたリリカルなダンスでドラマチックに躍動し、クライマックスでユーキが見せたリップシンクの表現でも観衆を釘付けにする。そんな5人からバトンを受けたのはマサヒロとEIKU。お互いの名前の頭文字を取り「MEtheFIRE🔥」というチームを組んだ2人はダンス巧者の余裕すら感じる、グルーヴィなシンクロダンスで存在感を示す。続いてメインステージに現れたのは、ICExとLienelの14人を率いた塩崎とFUMINORI。2人が得意とする、キレのあるロックダンスを群舞で見せるというエナジーあふれるパフォーマンスで、3組のリレーを勢いよく締めくくった。
ラップで示したそれぞれの生き様
すると今度は、各グループからラップスキルを持つメンバーたちが名乗りを上げ、「To the Top for Top」と名付けられたヒップホップナンバーでひりつくようなマイクリレーを繰り広げた。スタンド2階の通路に現れたトップバッターのカイが自身のヴァースで示したのは、道なき道を切り拓いてきた先駆者としての矜持。続くSEIYAもスタンド通路を進みながら、パワフルなフロウでバディ(BUDDiiSファンの呼称)への熱い思いを表明してみせる。「リビングデット 蘇る」というフレーズとともにスポットライトを浴びた高岡ミロ(Lienel)が叩き付けたのは、MAGiC BOYZの“小学生DJ”として一歩目を踏み出してからLienelの一員になるまでをたどる自身のルーツ。マジボ時代の楽曲のフレーズもサンプリングしながら「続けて来た君の倍の倍の倍」と力を込める、気迫あふれるラップでオーディエンスを圧倒する。2本の花道で対を成すようにリレーを繰り広げたのは同郷の仲良しコンビである大倉とアロハ(超特急)。“レペゼン湘南”の彼らはフリーキーなフロウで花道を進み、その固いブラザーフッドをEBiDANファンの前で示してみせた。ペアで登場した竹野と阿久根が互いにヒューマンビートボックスも担いながらラップするテクニカルなパフォーマンスを見せたかと思えば、メインステージではFUMIYAからHAYATOへ、兄弟でつなぐ高速ラップがオーディエンスを圧倒する。それぞれのグループの楽曲やゆかりの深い楽曲の名を巧みに盛り込んだリリックを、9人が白熱のラップでつないだクライマックス。メインステージに立ち並んだ面々はファイヤーボールが吹き上がる中で声を重ね、代々木第一体育館を熱狂へと導いた。
熱いムードのまま展開されたのは「エビライ」恒例となったダンスサイファーのコーナー。今年のサイファーでは超特急、M!LK、SUPER★DRAGON、ONE N' ONLY、原因は自分にある。BUDDiiS、ICEx、Lienelがステージセンターを囲み、次々にバトルフィールドに飛び出すメンバーを大いに盛り上げた。キャップを使ったトリックで魅せた志村や高速ステップやキックといった足技を繰り出した長野が躍動したのに続いてセンターに躍り出たのは竹野。昨年の「エビライ」終わりに、次回のサイファーへの参加表明をしていた彼の晴れ舞台、ダイナミックなダンスで存在感を示すパフォーマンスに仲間たちは喝采を送る。リレーのラストを担った吉田もサイファー初参戦で、彼が見せたジャズダンス仕込みの優雅な舞いには観衆も惜しみない賞賛の声を上げていた。
ダンスサイファーの熱狂を受け取ったSakurashimejiの「ランドリー」でスタートした、9組によるパフォーマンスリレーの後半戦。雅功のパワフルな歌い出しに高田のギターリフが呼応し、2人はアグレッシブなロックサウンドで観衆を盛り上げていく。「エビライそんなもんかい?」と客席に問いかけた雅功が「彪我!」と振ると、高田はギターキッズらしい自由なソロで暴れ、そのサウンドでステージの勢いを加速させた。続くSUPER★DRAGONは、最新アルバムの収録曲「Dark Heroes」で最新形のスパドラをEBiDANファンに力強く提示。緊迫感に満ちたサウンドの上、確かなスキルに裏打ちされた鋭利かつ精緻なパフォーマンスで“ダークヒーロー”という言葉に重ねた自分たちのアイデンティティを示してみせた。そしてONE N' ONLYもまた最新EPの楽曲「BLAST」で闘志を爆発させ、高らかなボーカル、アグレッシブなラップ、猛々しいダンスで5人が渾然一体となる熱いパフォーマンスを見せた。各グループがつないだバトンを最後に受け取った超特急は、最新EPのリード曲「キャラメルハート」の甘く晴れやかな歌とダンスで満員のオーディエンスを笑顔にする。センターを務めるタクヤとハルは時折目を合わせながらしなやかなペアダンスでも観客を魅了。さわやかな充足感に満ちたムードの中で最後の決めポーズに笑顔を浮かべた。
EBiDAN総動員!「超えアバ」でクライマックスへ
中村旺太郎の「さらに盛り上がっていきましょう!」という声からICExの「CARNIVAL」でライブはラストスパートへ。クライマックスのメドレーでは9組がとびきりの“盛り上げ曲”を持ち寄り、オーディエンスを熱狂の最高潮へと導いた。タオル回しで盛り上がるICExのパーティチューンにはLienelも合流し、フレッシュな14人が全力で代々木第一体育館を盛り上げていく。そのままLienelのアッパーなディスコチューン「親指☆Evolution!」へなだれ込むと、ミロが盛り上がりをリードして「Ha! Ha!」というコールを巻き起こした。BUDDiiSがICExとLienelを引き連れ、花道を歩きながら届けた「BUD」も彼ら屈指の声出しソングとあって、10人の誘いに乗った客席からは「Go! Go! バディ Go!!」の声。これに続く原因は自分にある。は、大倉の「カマすぞ!」という叫びを合図にエッジィなエレクトロスウィング「Paradox Re:Write」で空気を一変させる。
各グループの楽曲披露を、ほかのグループのメンバーがバックダンサーとして彩るという、にぎやかな光景が展開されたこのメドレー。BUDDiiS、原因は自分にある。のメンバーもさわやかなダンスで盛り上げたM!LK「恋がはじまる」を経て、Sakurashimeji「大好きだったあの子を嫌いになって」ではM!LKや原因は自分にある。、BUDDiiSの面々がダンスで演奏を盛り上げるという「エビライ」ならではの演出が雅功と高田の笑顔を誘う。SUPER★DRAGONの「Untouchable MAX」からONE N' ONLYの「EVOL」へ、EBiDANファンに高い人気を誇る鉄板の盛り上げソングの連発に会場の一体感がどんどん強固なものになっていく中、最後に投下されたのは超特急のキラーチューン「超えてアバンチュール」。この曲のセンターを務めるリョウガを中心に、総勢61人のEBiDANメンバーが激しい胸の鼓動を表現するダンスを全力で踊りまくるという壮観がステージ上に広がり、満員の観客は「リョウガのせい! リョウガのせい!」と推しの名前を叫ぶコールでカオティックな盛り上がりを作り出す。超特急が築き上げてきたシグネチャーとも言える、全身全霊の歌とダンスでEBiDANメンバーが一体となるひとときをもってメドレーが締めくくられると、ユーキは「EBiDANでしか見られない景色がここにあると思います。僕たちEBiDANと一緒に最高の未来を描いていきましょう!」と、本編ラストを飾る「New day! New wave! (2025 ver.)」へライブを進める。EBiDANの歌の大黒柱とも言えるタカシの力強い歌い出しで始まるこの曲を61人は笑顔で歌い踊り、「皆様のような素敵なお客様とまたお目にかかれますよう、ホテルマン一同楽しみにしております」という言葉をもって「HOTEL NINE STAR」での“おもてなし”に幕を引いた。
「また代々木で楽しいライブができることを楽しみに」
会場中から送られた熱い声に応える形でステージに姿を見せたEBiDANメンバーは、スターダストの“走れ曲”の系譜となる新たな全体曲「好きだから走れ!!!!!!!」をアンコールで初披露。さわやかな疾走感に満ちたこの曲でステージ、花道、客席通路を進むトロッコ……と会場のあちこちに散らばり、ファンのすぐそばで笑顔を交わした。そしてこの日のラストナンバー「恋心」が届けられると、池田は「EBiDAN、来年で15周年です。最高の思い出を作っていきましょう!」と叫び、61人は客席へボールを投げ入れながらファンに手を振り、改めてメインステージに集結した。
フィナーレには各グループの代表メンバーがひと言ずつコメント。EBiDAN最年少の高桑は「今年高校生になったので、ライブの最後まで出られるのがうれしかったです!」と初々しいコメントで先輩メンバーたちの笑顔を誘い、志賀は「皆さんをエスコートしましたが、付いてこられましたか?」と呼びかける。REIは「個人的には“筋肉バンド”が観られたことがうれしかったです」と仲間のTETTAの健闘を称え、「楽しかった~?」と客席に問いかけた塩崎は「俺らM!LKも楽しかったよ~! イイじゃん!」と“イイじゃんポーズ”を決めた。そして最後に、超特急を代表したタカシは「僕たちEBiDANもすごく楽しい1日になりました」と振り返り「1つのパワーとなって、また代々木で楽しいライブができることを楽しみにしています!」と、未来を見据え瞳を輝かせた。
タント・ド・シホ @vertetquatre
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