アルテミスの翼「わがまま☆契約書 / はにはにとらっぷ!」インタビュー|令和の時代に合った王道の“かわいさ”をお届け

多数のアイドルを擁するレコード会社・rock fieldがプロデュースを手がけるグループ・アルテミスの翼。結成当初よりギリシャ神話をモチーフに活動してきた彼女たちは、昨年発表したシングル「ちゅき…ちゅ!」でアイドル界のトレンドである“かわいい”路線に振り切り、ファン層を拡大することに成功した。そして8月12日にリリースされた最新シングル「わがまま☆契約書 / はにはにとらっぷ!」もその流れを引き継いだ作品。今回もリリースに合わせてメンバーにインタビューし、3月にライブラ・ヒナ、コイヌ・ユイ、アフロディーテ・サクラが加入したことで起きた変化や、香港で行われた「わがまま☆契約書」のミュージックビデオ撮影の思い出などを聞いた。また9人それぞれが持つ“かわいさ”についてお互いに解説してもらった。

取材・文 / 小野田衛撮影 / はぎひさこ

アイドルのキャリアが長い新メンバー3人

──アルテミスの翼が音楽ナタリーのインタビューに登場するのは6回目になります。前回取材させていただいた2024年11月以降、新たにメンバー3人が加わりました(参照:アルテミスの翼「ちゅき…ちゅ!」インタビュー|“かわいい”に全振りした新曲、リーダー卒業への思い)。まずは自己紹介がてら、それぞれのストロングポイントを教えていただけますか?

ライブラ・ヒナ 今年3月に加入しましたライブラ・ヒナと申します。担当カラーはミントグリーン。ダンス&ボーカルユニット・INSPIREとの兼任になります。INSPIREがCDデビューするときにお世話になったつながりで、アルテミスの翼が所属するrock fieldの社長さんに「アルツバでも活動してみない?」と声をかけられたんです。私の長所は“元気さ”ということになるのかな。ダンスのキレや歌の力強さには自信があるので、そういった面で今までのアルツバにないカラーを添えられたらいいなと考えています。よろしくお願いします!

ライブラ・ヒナ

ライブラ・ヒナ

──ほぼ同時期の今年4月に加入したコイヌ・ユイさんは、中島優衣名義でアイドルカレッジのメンバーとして活動していましたよね。

コイヌ・ユイ はい。アルツバではメンバーとして活動しながらも、同時にアシスタントプロデューサーとしてグループを盛り上げる立場になりたいと考えています。私はビジュアル的に、大人びていると思われがちなんですけど、話しているときは子供っぽいみたいで、そのギャップが売りなのかなと自分的には思います。パフォーマンスはカッコよく見せたいと考えていますが、ステージを降りると「意外に親しみやすいね」って言われることが多くて。

──同じく今年4月に加入したアフロディーテ・サクラさんは、元ラストアイドルで、幻想喫茶店にも在籍していたそうですね。

アフロディーテ・サクラ はい、アイドルは7年目になります。私の特徴は、グループ内で身長が一番低いことだと思います。でも「体は小さいけど、ステージに立って踊ったら迫力はほかのメンバーに負けていない」と言われることがけっこうあるので、そういった部分に注目していただけたらうれしいです。

アフロディーテ・サクラ

アフロディーテ・サクラ

──3人の加入で、グループはどう変わりましたか?

ユニコーン・リョーカ 3人に共通して言えるのは、アイドルのキャリアが長いことなんですよね。だから「初々しい新人が入りました」というよりは、「強力な即戦力が加わって全体がパワーアップした」感じです。例えばダンスの部分では、フリーに踊るパートでステージを大きく使ってパフォーマンスできるようになったり。3人が今までがんばってきたこと、キャリアが生かされているなと感じます。新人とはいえ、「先輩たちの足を引っ張らないように」という雰囲気はないですね。むしろ、うちらが「ヤバいな。置いていかれないようにしなきゃ」と焦っているくらいで(笑)。

ヒナ ……そこまでベタ褒めされると、なんか照れちゃう(笑)。

トライアングル・オト 私も3人に対して“新人”という感覚は持っていないですね。私は業界の歴は3人よりも短いし、パフォーマンス面で教わることがすごくたくさんあるんですよ。歌やダンスはもちろん、ステージでのレスとかも本当に勉強になります。ユイちゃんのことを内心では“先生”と呼んでいるくらいです(笑)。

アテナ・シオリ パフォーマンスだけじゃなくて、“華”という意味でも3人が入ってパワーアップしたと思います。自分たちとしても「これならいけるぞ!」という手応えが今はあります。

アルテミスの翼

アルテミスの翼

苦労も多かった香港でのMV撮影

──そんな中で8月12日にニューシングル「わがまま☆契約書 / はにはにとらっぷ!」がCDリリースされます。表題曲の聴きどころを教えてください。

カシオペア・キアラ 前作の「ちゅき...ちゅ!」では思いっきりかわいい系に振り切りましたけど、今回の「わがまま☆契約書」も同じ路線です。ただ、今回のほうがより今の時代に合った王道のかわいさになっていると思います。「絶対絶対やだ!」というフレーズを繰り返すキャッチーなアプローチも、くどい印象がないですし。

ユイ 「わがまま☆契約書」は、イントロ部分のセリフから引き込まれると思います。振りもすごく印象的で、音源で聴くときとライブで観たときの感想が違うんじゃないかな。音源だと「かわいい!」、ライブだと「面白い!」。ダンスにちょっとコミカルな要素があるんですよ。

オト シオリさんとキアラさん2人のラップパートにも注目していただきたいです! ミュージックビデオは香港で撮ったのですが、歌詞には「我愛你」「再見」とか広東語も入っているんです。

──香港でのMV撮影はいかがでしたか?

ヒナ 最高に楽しかったです! というのも、私は加入したばかりのタイミングで急に香港へ行くことになったんですね。先輩メンバーの方たちといっぱいおしゃべりできたので、そこで距離が一気に縮まりました。MVにはパフォーマンスのシーンだけじゃなく、Vlogっぽいメンバーのオフショットもたくさん映っていまして、ちょっとした旅行日記みたいになっています。

ドルフィン・カレン びっくりしたんですけど、香港って湿度がすごく高いんです。ホテルのテレビで観たニュースでは湿度90%とか言っていました。

シオリ 日本も湿度が高いとよく言われますけど、香港は本当に経験したことがないようなジメジメ度! 何もしなくても手汗が勝手に出てくるレベルでした。

カレン ゲリラ豪雨もすごいんです。それで撮影が中断になって、メイクが崩れたり苦労が絶えなかったんですけど、MVではかわいさを前面に打ち出していきたくて……。

──あのキラキラしたMVの裏で、涙ぐましい努力があったんですね。

オト でも、楽しいことのほうが多かったですよ。なんといっても最高だったのは食べ物! 間奏部分でも私がモグモグ食べているシーンが映っているんですけど、特にハマったのは香港名物のエッグワッフルです。小さい卵型のワッフルなんですけど、外がカリカリなのに中はモチモチしていて超おいしいんですよ! ……ああ、こうやって話していたら、また食べたくなってきた(笑)。

リョーカ 私が驚いたのは、カレンちゃんの“値切り能力”! 土地勘もなく、言葉もままならないのに、サングラスを買うときに超強気の交渉をしていたんですよ。MVで使うものだから経費で落とせるのに、すごい執念だなって(笑)。

ユニコーン・リョーカ

ユニコーン・リョーカ

──もう1つの表題曲「はにはにとらっぷ!」については、いかがでしょうか?

リョーカ 今回のシングルには4曲が収録されているのですが、個人的には「はにはにとらっぷ!」が一番お気に入りです! 歌詞がすごくかわいいんですよね。擬音がふんだんに使われていたり、1つの歌詞に2つの意味がかかっていたり、今の時代らしいアイドルソングになっていると思います。早口なので歌詞がよく聴き取れないかもしれませんが、できればCDの歌詞カードを読んでほしいです。

ペルセウス・ツカサ ほかのカップリング曲で言うと、「Brave heart」は少し異色作かもしれません。歌詞は英語のパートがすごく多くて、レコーディングで苦戦しました。発音も難しいし、意味もわからなくて。でも新しいチャレンジでしたし、なんだかアーティストっぽい一面が出せたんじゃないかと思っています。

オト 「ENJOYOUS」も今までのアルツバにはないタイプの曲じゃないかな。思いっきり騒げる“タオル曲”になっているんですよ。最初はタオルなしで披露したんですけど、「タオルをみんなで振り回したら、もっと盛り上がれるかもね」と、ライブを重ねながらパフォーマンスを変えていったんです。