予想外の登場にフルファミ驚喜
THE SUPER FRUITは昨年12月にリリースされた1stアルバム「青い果実」を引っさげ、3月16日より宮城、福岡、大阪、愛知でツアーを展開。その集大成となる東京公演を見届けるべく会場へ詰めかけた約2000人のフルファミ(THE SUPER FRUITファンの呼称)が今か今かと開演を待ちわびていると、不意に場内の明かりが落とされ、ハウスミュージックテイストのオープニングSEが響き渡る。フロアを埋め尽くした聴衆はこれを合図に一斉に立ち上がり、その手に携えた色とりどりのペンライトやうちわ、タオルなどを掲げて臨戦態勢に。必然的にオーディエンスの視線がステージへと集中する中、予想に反して客席の背後から阿部隼大、小田惟真、鈴木志音、田倉暉久、星野晴海、堀内結流、松本勇輝の7人が「こんばんはー!」の声とともに勢いよく姿を現した。
各メンバーカラーがあしらわれた色鮮やかなジャケットを着込んだ彼らは、歓喜の絶叫をもって迎えるオーディエンスたちの間隙を縫い、満面の笑みを振りまきながら元気よくフロアを疾走。7人がステージにたどり着くと、堀内が英語で前口上をまくし立てて今から巻き起こるエキサイティングなショーへの期待を煽る。そして7人が声をそろえて「It's Show Time!」と高らかに宣言すると、舞台を覆っていた幕が一気に取り払われてカラフルなステージセットがお目見えした。アメリカンテイストのポップな世界観を表現した舞台美術を背に、スパフルは「サクラフレフレ」でライブをスタート。ミュージカルを思わせるオーケストラアレンジやラインダンスを取り入れた振付で華々しくオープニングを飾った。
そんなオープニングナンバーに続いて、間髪をいれずにファンキーなソウルポップ「ポップコーンフィーバー」、定番カバー曲「学園天国」と、明るく元気なアッパーチューンが畳みかけられる。続くMCでは1人ずつが個性を爆発させる自己紹介を行ったのち、堀内が自身の背丈に対する世間の評価に疑問を呈するコント調のくだりを絡めつつ次曲「SCH。。L!」へつなげるなど、抱腹絶倒の朗らかなステージングでアットホームなムードを醸成していった。なお、コントくだりの台本は優(ex. CUBERS)の手による書き下ろしとのことだ。
その後、阿部のソロ歌唱で始まるミディアムダンスチューン「叫べない僕らの」を契機に、ライブは一転シリアスなムードへ。歌唱を排除してダンスパフォーマンスに特化したストイックな「Dance Section」でダンススキルの高さを存分に見せつけたかと思えば、続くスリリングなEDMナンバー「馬鹿ばっか」ではワイルドな一面を、ソウルフルなミディアムバラード「愛の仕組み」ではメランコリックな表情を、ドゥーワップ調にアレンジされた「Juicy Smile」ではセクシーな側面も披露。堀内のアクロバットや小田のラップパート、星野のセリフパートなども含め、多角的なポテンシャルを惜しみなく発揮することでグループとしての幅の広さを大いにアピールした。
怒濤のパーティーチューンにハッピームード加速
「君はリアコ製造機」の披露前には長めのMCパートが設けられ、衣装解説やツアーの振り返りに加え、ファン同士の交流を深めるための試みも行われた。田倉や星野の指導のもと、オーディエンスは自分の周りの席の人たちとコミュニケーションを図るよう促され、多くのフルファミがその意図を汲み取って忠実に会話を繰り広げる。場内がファン同士の私語で満たされていくと、7人は「最高じゃん!」と満足げだ。星野は「終演後も仲よくごはん行ったりしてくれると、ハル(星野)たちも感激しますので」と顔をほころばせた。
これを契機に、ライブは怒濤のパーティーチューン連発ゾーンへ。7人は「君はリアコ製造機」に続いては陽気なテクノビートが炸裂する「サマー☆★げっちゅー」、猫耳カチューシャを装着して猫ダンスを披露する「I My Me Meow」といった楽曲を次々に畳みかけていく。さらにスパフルを一躍スターダムへと押し上げた代表曲「チグハグ」では、メンバーが客席に散ってフルファミと至近距離でコミュニケーションを図りながらパフォーマンス。感激のあまり崩れ落ちるファンの姿も見受けられるなど、会場のハッピームードは天井知らずに上昇していった。
そして阿部が「みんなと一緒にアリーナへ行きたいという思いをこの曲に込めて歌います」と前置きして披露された「ボクらの夜明け」、7人全員がボーカルを取る新たなアンセム「青い果実」が届けられ、ライブはひと区切りを迎える。7人は深々と頭を下げ、大きく手を振りながらステージ袖へと姿を消した。
メンバーもびっくりのサプライズ発表
アンコールに応え、7人はツアーTシャツを思い思いにアレンジした出で立ちでステージに再登場。モータウンビートアレンジの「素敵なMy Life」、明朗快活なスカポップ「パノラマ」を続けざまに披露してホール内をポジティブなムード一色に染め上げた。続くMCでそれぞれの衣装アレンジのこだわりが語られたのち、ラストナンバーとして彼らの主題歌とも言えるディスコポップナンバー「Seven Fruits」をはつらつとパフォーマンス。カラーボールの投げ入れなども行いながら、ライブは大団円を迎えたかに思われた。
しかし、ここで鈴木が「僕、まだ帰りたくないよー!」と駄々をこね始める。「今日、新曲やりたいよー!」と声を荒げ、それに呼応して客席からは悲鳴のような大歓声が上がった。そして彼らは新曲「らりるサプライズ!」を文字通りサプライズ披露。鈴木、小田、田倉がボーカルを務めるその楽曲は、印象的な敬礼ポーズで始まり、ゴリゴリしたベースラインと勇ましいコード進行、ハイテンションなブラスセクション、前向きな歌詞などが相まって、ある種のヒーローソングを彷彿とさせるアッパーなブラスロック歌謡であった。
無事に初披露を終えると、そこへメンバーも知らない新たな解禁情報が盛り込まれた映像がスクリーンに映写され始めた。まず5月に初の海外遠征となる韓国でイベントが行われること、11月には過去最大規模となる東京・TOKYO DOME CITY HALLにてワンマンライブが開催されることが告知される。驚きを隠せずにいる7人のもとへ場内の至るところから大きな拍手と「おめでとうー!」の声が飛び交い、会場はたちまちのうちに祝福ムードに包まれた。
この発表を受け、阿部は「マジかー……」と言葉にならない様子だったが、気を取り直して「これからノンストップで1年、2年と駆け抜けていくので、皆さんぜひついて来てください!」とどうにか心境をまとめ、鈴木は「今日来てくれたみんなメンバーだと僕は思っているので、ここにいるみんな一緒にアリーナという舞台へ行きたいです」と改めて所信を表明。堀内は「今日もすごく楽しかった。この活動をしてきて本当によかった」と感慨深げに語り、松本は発表されたばかりの新情報について「整理がついてないんですけど(笑)」と笑わせつつも「つらいこともあると思うんですけど、僕たちには大好きなフルファミの皆さんがいるので。ぜひぜひこれからもよろしくお願いします!」と呼びかけた。
続いて星野は「ハルたちはフルファミの皆さんに支えられている部分がすごく大きくて。戦友とも言えるような、一緒に駆け上がっていく仲間みたいな意識もあるので、こうしてサプライズをともにできるのがすごくうれしいなって」と笑顔を弾けさせる。田倉はスパフルのこれまでを振り返りながら、「勝手に思ってることなんですけど……4月13日、今日この日までがTHE SUPER FRUITの物語の第1章だと思ってます」と総括。「今いろいろ発表がありましたけど、明日からはそれに向けてひたすらがむしゃらに駆け上っていくだけだと思います。ここにいる全員、1人残らずアリーナに連れて行きます!」と新章スタートを高らかに告げた。
そして最後に小田が涙で声を詰まらせながらも家族や友人、フルファミへの感謝をぽつりぽつりと絞り出しながら「こうしてここに立っていることが奇跡だと思う」と述懐。か細くも強い意志のこもった口調で「その一瞬一瞬を大切にして、次のステップへ向けてこの気持ちを乗せてがんばっていこうと思います」と結び、会場は盛大かつ温かな喝采に包まれた。
セットリスト
「THE SUPER FRUIT 2nd ONEMAN TOUR - Blue Fruits Tour2024 -」2024年4月13日 昭和女子大学人見記念講堂
01. サクラフレフレ(オーケストラ Ver.)
02. ポップコーンフィーバー
03. 学園天国(オーケストラ Ver.)
04. SCH。。L!
05. 叫べない僕らの
06. Dance Section
07. 馬鹿ばっか(デジタルロック Ver.)
08. 愛の仕組み
09. Juicy Smile(ドゥーワップ Ver.)
10. 君はリアコ製造機
11. サマー☆★げっちゅー
12. I My Me Meow
13. チグハグ
14. ボクらの夜明け(ストリングス Ver.)
15. 青い果実
<アンコール>
16. 素敵なMy Life(倍テンポ Ver.)
17. パノラマ
18. Seven Fruits
19. らりるサプライズ!
る み し ん 🍎💞 @yvKEN2dTbiyYqtT
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これー!見れる、??