shallmは19歳のボーカリストliaが中核を担い、作詞作曲を手がけるバンドプロジェクト。今年3月に初のオリジナル曲「夢幻ホログラム」を発表し、9月に配信シングル「センチメンタル☆ラッキーガール」でメジャーデビューを果たした。初のワンマンライブではこれまで発表してきた楽曲に加え、カバー曲、そして未発表曲を全18曲披露。鈴木栄奈（Key）、浅倉高昭（B）、遠藤勝彦（Dr）、坂本遥（G）、パスタ（Manipulator）とともに熱演を繰り広げた。
shallmは紫と白を基調としたフリルのキュートな衣装を身にまとってステージに登場し、初のオリジナル曲「夢幻ホログラム」でライブを開始。1stライブとは思えないほど堂々とした佇まいで、エネルギッシュなギターロックサウンドに乗せて芯の強い歌声を響かせた。「一緒に素敵な時間を作りましょう」とliaがにこやかに告げ、歌い始めたのは12月6日に配信リリースしたばかりの新曲「白魔」。「夢幻ホログラム」とは一転して、艶やかなアンサンブルと憂いを帯びた歌声を届ける。そしてその陰のある雰囲気をまとったまま、彼女はバルーンの代表曲「シャルル」をクールにカバーした。
壮大なバラードナンバー「短夜の星」を切なさあふれるハイトーンボイスで歌い上げたあと、liaは「今日のライブではまだリリースしていない曲だったり、“歌ってみた”でカバーさせてもらった楽曲をやっていくので、よろしくお願いします」と挨拶。その後“もしもの世界の話”を書いたという未発表の楽曲「if 1/2」を、メロディアスな鍵盤の音色と疾走感のあるビートに乗せて披露した。さらにliaは自身が尊敬する米津玄師の楽曲「灰色と青」を1つひとつの言葉を大切に紡ぐようにじっくりと歌う。続いて未発表曲「ハイドレンジアブルー」を届けたliaは「このライブは1年ぐらい前から『絶対ここに立ちたい』と決めて準備してきました。こんなにいっぱいお客さんが来てくれて本当にうれしいです。ありがとうございます」と感謝の思いを伝え、「1年前といえば、shallmのSNSアカウントを作ったばかりぐらいの、まだ名前もまったく知られていないときだった。こんなに素敵な箱を埋められるんだろうかとか、いろいろ不安になって。ひたすら走ってきた1年だったなと思っています。私はまだ少ししか生きていないんですけど、人生で一番濃い1年を過ごしました」と充実した表情で語った。
ノスタルジックな雰囲気が漂う、じんの夏の楽曲「サマータイムレコード」のカバーを経て、liaは「まだまだいけますかー！」と観客を煽り「stardust」を演奏。熱を帯びたサウンドに駆り立てられるようにオーディエンスは拳を突き上げる。その勢いを加速させるように、彼女はテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の劇中歌「God knows…」、Last Note. の「セツナトリップ」をパワフルに歌唱。さらにオリジナル曲「脳内ディストーション」、GOUACHEによる映画「カゲロウデイズ-in_a_day’s-」主題歌「RED」とアッパーチューンを畳み掛けるように熱唱して会場を盛り上げた。liaは「皆さまにこれからどんな景色を見せていけるのかがとても楽しみです。皆さまも楽しみにしていてください。大きい箱でも小さい箱でも、どんな場所で歌っていても、みんなに届くような歌を私はずっと歌い続けていきたいです」とまっすぐに述べ、最後にドラマ「女子高生、僧になる。」のオープニング主題歌「センチメンタル☆ラッキーガール」を披露。軽快なリズムに乗せて楽しげにこの曲を歌い、「ありがとう！」と声を弾ませてステージを去っていった。
アンコールを求める拍手に呼ばれ、liaは1人で再びステージへ。彼女はアコースティックギターを携え、n-bunaの「夜明けと蛍」を感傷的に歌い上げた。さらに2024年1月に放送されるテレビアニメ「姫様“拷問”の時間です」のオープニングテーマ「まっさかさマジック！」が初披露される場面も。ポップなメロディと語感のいいキャッチーな歌詞に乗せて、オーディエンスのハンドクラップが鳴り響いた。はるふりの楽曲「右に曲ガール」を軽快にカバーしたあと、liaはもう一度「先ほども言ったように、どんな場所に立っていてもみんなに届く歌を私はずっと歌い続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いします」と決意を言葉にする。そして凛とした佇まいで11月にリリースしたロックナンバー「境界戦」をエモーショナルに歌い、初のワンマンライブを笑顔で締めくくった。
セットリスト
shallm「shallm 1st Live - liliana -」2023年12月11日 UNIT
01. 夢幻ホログラム
02. 白魔
03. シャルル（カバー）
04. 短夜の星
05. if 1/2
06. 灰色と青（カバー）
07. ハイドレンジアブルー
08. サマータイムレコード（カバー）
09. stardust
10. God knows…（カバー）
11. セツナトリップ（カバー）
12. 脳内ディストーション
13. RED（カバー）
14. センチメンタル☆ラッキーガール
＜アンコール＞
15. 夜明けと蛍（カバー）
16. まっさかさマジック！
17. 右に曲ガール（カバー）
18. 境界戦
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音楽ナタリー @natalie_mu
shallm、初のワンマンライブで伝えた決意「どんな場所に立っていてもみんなに届く歌を」
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