“あなた”がいてくれたから…Aimerがファン1人ひとりに歌で感謝を伝えた5年ぶりFCツアー

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Aimerのファンクラブ「Blanc et Noir」限定ツアー「Aimer Fan Club Tour "Chambre d'hôte"」が、11月23日の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演をもってフィナーレを迎えた。Aimerにとって約5年ぶりのファンクラブ限定ツアーは全国7都市のライブハウスで展開され、国内外から多くのファンが参加。この記事ではセミファイナルとなった11月22日のZepp Haneda(TOKYO)公演の模様をレポートする。

Aimer(撮影:加藤アラタ)

Aimer(撮影:加藤アラタ)

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ゲストルームに招くように

この数年、ホールやアリーナを中心としたライブを行ってきたが、今回のファンクラブ公演では心の距離だけでなく、物理的な距離も近くありたいという思いからライブハウスを選んだというAimer。ツアーのタイトルに冠されている「Chambre d' hôte(シャンブル・ドット)」は、一般家庭でゲストルームを提供する宿泊施設を指すフランス語で、その意味を体現するように2時間に及んだライブはアットホームな空気が通底していた。

Aimer(撮影:加藤アラタ)

Aimer(撮影:加藤アラタ)[拡大]

開演時刻を迎えると白光がステージとフロアを行き来し、ステージの壁にかけられた電飾の数々が星のように瞬き出す。幻想的なムードに会場が包まれる中、仄暗いステージにAimerのシルエットが浮かび上がり、野間康介(Key)が弾くピアノに乗せて「Even Heaven」を歌う柔らかく繊細な声がフロアに広がった。

Aimerファンはワールドワイド

コアなAimerファンが集まるライブであることを受け、普段のツアーやライブのセットリストには組み込まれないレア曲も披露されたこの日の公演。ライブの序盤では、ポエトリーラップのエッセンスを盛り込んだ「Life is a song」を跳ねるようなビートと観客のクラップに乗せてパフォーマンスしたり、艶やかな照明演出の中でリスペクトする梶浦由記に提供された「花の唄」を披露して深淵な空気を紡いだり、Aimerは楽曲ごとに異なる表現で観客を魅了していく。

Aimer(撮影:加藤アラタ)

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かと思えばトークパートでは来場者の出身地アンケートにたっぷり時間をかけ、ファンとのコミュニケーションを堪能。マレーシア、カナダ、アメリカ、香港と日本以外のさまざまな地域から足を運んでいるファンの姿を認めると「(Aimerファンは)ワールドワイドなんです」とはにかむ。そんなAimerのフランクでチャーミングな表情にオーディエンスはノックアウトされていた。

最新モードを提示した後半戦

ライブの中盤戦を盛り上げたのは、切迫感に満ちたボーカルが響く「ONE AND LAST」、ジャジーな雰囲気が香る「空噪wired」など、2020年代に入ってから発表されてきた楽曲群。最新モードを提示するブロックの途中では、Aimerが自身のステージを支えるバンドメンバーを丁寧に紹介する場面も。7人のメンバーは、それぞれの個性を発揮したソロパフォーマンスを繰り広げて万雷の拍手を浴びた。

Aimer「Aimer Fan Club Tour "Chambre d'hôte"」の様子。写真は11月2日のKT Zepp Yokohama公演より。(撮影:加藤アラタ)

Aimer「Aimer Fan Club Tour "Chambre d'hôte"」の様子。写真は11月2日のKT Zepp Yokohama公演より。(撮影:加藤アラタ)[拡大]

「最高だね、まだまだいけるんじゃない? もっと声、出せるよね?」。Aimerの煽りを受けてステージを彩る「Blanc et Noir」のネオンが極彩色に灯る中で始まったのは、スリリングな展開がリスナーを翻弄する「残響散歌」。フロアと2階席から起きる大合唱を全身で受け止めながらAimerはエネルギッシュな声で絶唱した。

本編最後のMCでAimerは「今年の9月でデビュー12年を迎えることができました」と切り出し、「こんなに長く歌を歌い続けられるとは、歌い始めた当初は想像ができてなくて。ただただこうやって応援してくれるあなたのおかげだなと感謝の気持ちでいっぱいです」と目の前のファン1人ひとりに思いを伝える。続けてこの12年の間に歌うことが苦しくなった瞬間があったことも口にしつつ、「たくさんの素敵なアーティストがいる中で私の音楽を手に取ってくれて、見つけてくれて、一番側で応援してくれて、本当に本当にありがとう」「あなたにこれからも返していけるように、この先もまだまだ一緒に行けたらとても幸せです」とファンの存在が活動の支えになっていると明かした。Aimerの今の思いを伝えるように届けられたのはインディーズ時代に発表された人気曲「キズナ」。「ひとりきりじゃない みんなそばにいるから…」。そう優しく歌うAimerのたおやかな声が、会場を優しく包み込んだ。

歌い踊るAimer

ファンクラブツアーらしい特別な演出はアンコールにも。Tシャツ姿でファンの前に戻ってきたAimerは、自ら振付をレクチャーしながら、サングラスを着用したバンドメンバーをダンサーとして従えザ・ウィークエンドの「Blinding Lights」をカバー。80年代を彷彿とさせるディスコチューンを、美しい英語の発音とハスキーなボーカルで歌い上げた。従来のイメージを覆す姿に驚くファンに向けて、当のAimerは「いつもはこんなことやってないからね!」とエクスキューズ。ファンクラブツアー限定のパフォーマンスであることを説明し、「1回、史上最強にチョケてみようと思って」と照れ笑いした。

Aimer(撮影:加藤アラタ)

Aimer(撮影:加藤アラタ)[拡大]

Aimer「Aimer Fan Club Tour "Chambre d'hôte"」の様子。写真は11月2日のKT Zepp Yokohama公演より。(撮影:加藤アラタ)

Aimer「Aimer Fan Club Tour "Chambre d'hôte"」の様子。写真は11月2日のKT Zepp Yokohama公演より。(撮影:加藤アラタ)[拡大]

さらにAimerは「前から素敵だなと思っていた曲」という紹介から米津玄師「Lemon」をアコースティックサウンドをフィーチャーしたアレンジで歌唱し、12月6日リリースの新曲「白色蜉蝣」をひと足早くファンに“プレゼント”。最初から最後まで、ファンである“あなた”を楽しませる心遣いで観客を笑顔にしていた。

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Aimer&staff @Aimer_and_staff

【WEB】

音楽ナタリーにて「#Aimer Fan Club Tour "Chambre d’hôte"」のライブレポートが掲載されています!

https://t.co/TjJHcyNMql
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