ファイナル公演は穏やかさと熱さを合わせ持ったナンバー「wallflower」で幕開け。じっくりと5人のサウンドに耳を傾けていたオーディエンスだが、続いて因幡始(Key)が奏でる「ピアノ線」の鮮烈なイントロが響くと一斉に立ち上がり、目を輝かせた。その後も疾走感にあふれた「夜を越えて」で会場のテンションを急上昇させた5人は、「別の人の彼女になったよ」をゆっくりと聴かせて切ない世界へと引き込んでいった。
橋口洋平(Vo, G)は今回のツアーファイナルを迎えた心境を「声を出すことができないライブを数年続けてきましたけど、やっぱりみんなの声を聴けるのはすごくうれしいです」と笑顔で語り、大きな拍手と歓声を浴びる。その後は村中慧慈(G)のエモーショナルなギターソロが印象的な「東京24区」、小野裕基(B)が奏でるウッドベースが優しくボトムを支えた「劇」と哀切なナンバーを連続で届ける。そして橋口の「この歌が広がっていく世の中はとても素敵な世の中だと思います」という言葉に続き、バンドを代表するヒット曲「恋だろ」が披露された。
MCでは橋口が「恋だろ」を歌う路上シンガーを目撃したときのエピソードをユーモラスに語るが、勢い余ってマイクに歯をぶつけてしまい因幡から「それはないわ!(笑)」とツッコまれるひと幕も。「エピソードトークで笑わせようとしたのに、自分が笑われるのはキツい(笑)」とこぼす橋口の姿に観客も大笑いとなった。会場の空気が和む中、続く「ピント」ではメンバーたちのレクチャーに従ってオーディエンスが美しい2声のハーモニーで合唱。横山祐介(Dr)が軽快なビートを刻んだ「運命じゃない人」、ドラマチックなアンサンブルに乗せて橋口がハンドマイクで歌声を響かせた「東京ドリーム」など、後半も幅広いタイプの楽曲が次々と演奏された。
2015年にリリースしたシングル「大丈夫」を歌ったあと、橋口は「この曲はいろいろな人が人生のいろいろなときに聴いてくれたという感想をもらえて、すごくうれしいです。伊達に11年歩んでいない、積み重ねてきた分だけ誰かに届いているのは幸せだなという思いを強くしています」と、5人がこれまで歩んできた道のりを振り返る。そして「ここにいるみんなに出会えて、あなたがいるから止めずに歩んでいられます。誰かのためにというのが使命だったし、それが似合うバンドだと思います」と熱く語り、その思いを込めるようにラストナンバー「まばたき」を丁寧に奏でた。
アンコールの1曲目で4月にリリースした楽曲「ジグソーパズル」を披露したのち、橋口は5月24日にリリースした最新曲でフジテレビ系「めざましどようび」テーマソングの「リバイバル feat.
大きな拍手の中でステージに現れたasmiは、曲を初めて聴いたときの印象を「鳥肌が頭のてっぺんまで立って……!」とジェスチャーを交えて明かす。そして彼女を加えた6人で「リバイバル feat. asmi」をライブ初披露。壮大なアレンジに乗せて響く橋口とasmiのパワフルなハーモニーに、オーディエンスは高揚した様子で聴き入っていた。
asmiを見送ったのち「びっくりした?」と笑顔で尋ねた橋口は、さらなるサプライズとして8月に東京と大阪で行うホールライブ「wacci 夏の東西 Special Live 2023」のゲストを発表。東京公演にはナオト・インティライミ、大阪公演には川崎鷹也を迎えることを明かし、ファンの期待を高めた。最後に5人はこのツアーを経た新たな出発を印象づけるように「リスタート」を披露。橋口は「あなたを信じているから続けていける、そんなバンドのすごみをこれからも見せていきたいです」と力強く宣言し、ツアーを締めくくった。
「wacci Live Tour 2023 ~growing~」2023年6月20日 Zepp DiverCity(TOKYO) セットリスト
01. wallflower
02. ピアノ線
03. 夜を越えて
04. 別の人の彼女になったよ
05. 東京24区
06. 劇
07. 空に笑えば
08. 恋だろ
09. ピント
10. 運命じゃない人
11. 東京ドリーム
12. 今日の君へ
13. 僕らの日々
14. 大丈夫
15. まばたき
<アンコール>
16. ジグソーパズル
17. リバイバル feat.
18. リスタート
ヨコヤン♨wacci🥁 @yokoyamayan
ツアーファイナルの写真もりもりなライブレポートでした👀
見てね〜。
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