凛として時雨、新機軸を構築した初ホールツアー完結

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凛として時雨の全国ホールツアー「VIRGIN KILLER SUICIDE」の最終公演が、昨日7月6日に東京国際フォーラムホールAにて行われた。

会場の広い空間を生かした演出でオーディエンスを魅了した凛として時雨。

会場の広い空間を生かした演出でオーディエンスを魅了した凛として時雨。

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「VIRGIN KILLER SUICIDE」東京国際フォーラムホールA公演の様子。

「VIRGIN KILLER SUICIDE」東京国際フォーラムホールA公演の様子。

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アコースティックスタイルでパフォーマンスを披露するTK(Vo, G)。

アコースティックスタイルでパフォーマンスを披露するTK(Vo, G)。

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本来この公演は、5月下旬に行われる予定だったが、東日本大震災の影響により会場の施設に不具合が生じ延期されたもの。約1カ月越しのツアーファイナルとなったが、各地から多くのファンが足を運び、時雨初のホールツアーの終幕を見届けた。

会場の雰囲気もあってか、開演前の場内にはライブハウスとは異なる特別な空気が漂う。ときおり客席が静まり返る瞬間もあり、時間が経つにつれてオーディエンスの緊張と期待が高まっていく。さらにこの日はピエール中野(Dr)ではなく、女性による落ち着いた前説が行われ、厳かな空気に拍車をかけていた。

静かに客電が落ち、紗幕の向こうにメンバーの姿が浮かび上がると、待ちかねたオーディエンスの大きな歓声が轟く。そして揺らめく水面のような映像にあわせて、「illusion is mine」を歌う345(B, Vo)の歌声が響き、ライブの幕が上がった。

幻想的な映像演出と音響の良さが相まって、3人の奏でる音像がより立体感を増してオーディエンスに届けられる。「I was music」で紗幕が引き上げられると、赤くゴージャスなカーテンに囲まれたステージの全貌が明らかに。それにあわせて観客の熱烈な歓声がひときわ大きく響いた。

ツアー初日から、ホールならではの演出が展開されていたが、この日はさらに会場の特性を生かしたライティングも加わり、楽曲の世界観により深みを与える。345の奏でるイントロで瞬時に悲鳴があがった「DISCO FLIGHT」では、サーチライトのような照明と3人の繰り出す強靭な音が絡み、刺激的な空間を作り出す。また「Re:automation」では、TK(Vo, G)の浮遊するような歌声とディストーションギターに、宇宙空間をワープするような映像が重なり、楽曲のスケールが増幅されていた。

観客は1曲終わるごとに息を呑み、メンバーの一挙一動に鮮やかな反応を示す。特に前半は曲間が空いていたため、静寂と喧噪が入り交じる瞬間が何度も繰り返された。

TKと345のツインボーカルが冴え渡る「Sadistic Summer」に続いては、「想像のSecurity」「鮮やかな殺人」といったライブの定番曲を間髪入れることなく演奏。その間も、ミラーボールのような光がステージから放たれたり、無数の球体がスクリーンに映し出されたりと、さまざまな演出がライブを彩っていく。

「tremolo+A」でノスタルジックな空気が作り出されたあとは、TKがガットギターを手に短いMCを披露。「これ、初めてライブで使うギターなんですけど。いろんな影響で公演が遅れてしまったので、このギターで特別なことをしたいと思います」と語り、スパニッシュテイストのアレンジを施した「シークレットG」を弾き語りで歌い始めた。TKの柔らかく艶のある歌声と生々しいギターの音色によって、原曲とは異なる側面が引き出されていく。楽曲の後半では345とピエール中野(Dr)の音も重なり、ふくよかなサウンドスケープが紡がれた。

意外なパフォーマンスに会場が沸き立つ中、続けてピエール中野のドラムソロに突入。激しく圧巻のドラミングにオーディエンスは喝采を贈った。そのままなだれ込んだ恒例のMCコーナーは、嵐の「ARASHI」をエレキギターで弾き語ることに始まり、時事ネタと友人バンドthe telephonesへの応援を盛り込んだコール&レスポンス、Xジャンプと相変わらずのフリーダムすぎる流れに。観客の失笑と爆笑が会場にこだまする時間となった。

後半は前半とは打って変わって、会場を激震させるキラーチューンを息をつく間もなくプレイした3人。緩急をつけたライティングとサウンドが融合した「JPOP Xfile」や、火花を散らすように拮抗するアンサンブルで魅せた「Telecastic fake show」、ピエール中野による怒濤のドラミングが繰り出された「nakano kill you」と、クライマックスにふさわしいパフォーマンスが観客の興奮をさらに煽る。

そして熱狂が飽和状態になると、今度は激しさと穏やかさのコントラストが印象的な「a symmetry」を投下。楽曲の最後はTKの絶唱が、オーディエンスを圧倒的な世界へと引き込んでいた。

ラストナンバーの直前には、345による告知コーナーが展開され、恒例の物販紹介に加え、9月下旬よりライブハウスツアーが行われることがアナウンスされた。このうれしいニュースにオーディエンスは大きな拍手で応えた。

そして、深遠なバスドラから「mib126」へ。穏やかなTKの歌声は、いつしか怒気をはらんだ咆哮へと変わり、それにあわせて345とピエール中野の攻撃的なリズムが重なる。最後はTKの雄叫びがリフレインするという、ドラマチックな形でライブの幕が引かれた。

今回のツアーでは、ライブハウスとは異なる演出や手法や貪欲に取り入れ、新たな形で自分たちの楽曲をオーディエンスに届けた凛として時雨。そんな彼らの挑戦を讃えるように、3人が去ったあとも拍手が止むことはなかった。

「VIRGIN KILLER SUICIDE」東京国際フォーラムホールAセットリスト

01. illusion is mine
02. I was music
03. DISCO FLIGHT
04. Re:automation
05. a 7days wonder
06. this is is this?
07. Sadistic Summer
08. 想像のSecurity
09. 鮮やかな殺人
10. seacret cm
11. tremolo+A
12. シークレットG
13. JPOP Xfile
14. Telecastic fake show
15. nakano kill you
16. a symmetry
17. 24REVERSE
18. mib126

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