「ATEEZ WORLD TOUR 『THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL』ANCHOR IN JAPAN」は昨年12月に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールにて2日間開催された日本単独コンサートのアンコール公演という位置付け。ATEEZの日本公演としては初の試みとして、アリーナは全席スタンディング席となり、携帯電話を使用した写真撮影や動画撮影が可能となっていた。5月2、3日に東京・有明アリーナ、6、7日に兵庫・神戸ワールド記念ホールにて計4公演開催されたアンコール公演のうち、本稿では5月2日に開催された初日の様子をレポートする。
開演時間を少し過ぎた頃、突如として耳をつんざくような激しい衝突音が場内に響き渡り、「Wake up, Wake up, Tokyo」というアナウンスが。これを合図にステージ上部には磔にされたかのような、人形らしき巨大な舞台セットが登場し、会場はますます禍々しいムードに包まれる。しばらくすると後方から黒のケープに身を包んだ集団が現れ、楽曲のスタートともに彼らがATEEZであることが明らかになった。大量のダンサーを引き連れて姿を現した8人は、「HALAIZA」で勢いよくライブの火蓋を切る。JONGHOの驚異的な高音やHONGJOONGとMINGIが繰り出す怒涛のラップが炸裂し、1曲目からフルスロットルのパフォーマンスを見せた。
ATEEZが白熱のステージを終えると、SANは「よっ! ひさしぶりね!」、YUNHOは「Wake up, Tokyo!」などとメンバーそれぞれがはつらつと挨拶。MINGIは「君の瞳に乾杯! MINGIです」と威勢よく声を張り上げて投げキッスをし、それに対して「おい! ヤバいでしょ!」とメンバーがツッコむなど、彼らは昨年末に行われた日本公演からさらにパワーアップした日本語を披露する。中でも、隙あらばATINY(ATEEZファンの呼称)に向けて情熱的なメッセージを送っていたのはSAN。「いくら忙しくても、自分自身のことを大切にすることを忘れずに!」「ストレスも! パッと発散して! 気分転換できる存在がいること自体が力になるでしょ? 僕たちも同じです」「ATEEZがするすべてのことは、全部ATINYのためなんです。僕たちがどこで何をしていても、ATINYが見て喜ぶものとか、ATINYに話してあげたいこととか……ATINYのことが頭から離れないです」と熱を込めて語り、愛ある言葉でファンを感激させる。またHONGJOONGが「正直、僕は(今回の日本でのライブは)少し緊張しました。日本語をたくさん勉強しましたからうまくやっている姿をお見せしたくて……」と明かす場面では、SANが「けど、今上手ですよね? 毎日日本語をたくさん勉強する姿をよく見ますから」と笑顔を見せ、キャプテンをフォローするひと幕もあった。
「DIAMOND」「Limitless」といった今回のアンコール公演で新たに追加された楽曲もありつつ、「Dazzling Light」「MIST」など、昨年末の日本公演も踏襲するようなセットリストが組まれた本公演。前回の日本公演でも披露された「ILLUSION」「WAVE」の際には、巨大な透明の風船が客席のあちこちに放たれる演出が加えられるなど、アンコール公演ならではの新しいステージングでオーディエンスを喜ばせる。このほかにも「Fireworks(I'm the One)」では、メンバーが手に持つペットボトルの水を客席に向けて荒々しく撒き散らすなど、あの手この手でATINYの熱気を煽った。
さわやかな楽曲やメンバーの歌唱力が際立つバラードも多数披露されたが、壮絶な盛り上がりを見せたのは、ATEEZのお家芸とも言える、激しすぎる歌とダンスが繰り出される「WIN」から「WONDERLAND(KINGDOM Ver.)」にかけてのブロックだった。このブロックはHONGJOONGの「では、出港しましょうか!」「この曲知ってますか? 『우리 배는 편도로만 가』」という言葉でスタート。「WIN」では険しい航海を連想させる、嵐が吹き荒ぶ映像が8人のパフォーマンスをいっそう勢いづけ、最後はキャプテン・HONGJOONGが手に持つ旗をステージ中央に豪快に突き刺す。続く「Horizon」ではYUNHOが黒ずくめのダンサーたちに背中から寄りかかって宙に浮いた状態でパフォーマンスし、WOOYOUNGやYEOSANGは射抜くような狂気的な眼差しで激しく舞う。そしてJONGHOは会場の天井を打ち破るかのような、ド迫力の高音を響かせ観客の度肝を抜く。「WONDERLAND(KINGDOM Ver.)」での刀剣を用いた演出も顕在で、SEONGHWAが剣を抜き、それを豪快に振りかざすと背後の舞台幕がはたりと切り落とされ、客席からは激しい歓声が噴出。ライブのボルテージは最高潮に達し、この日一番の熱狂を見せた。
「Cyberpunk」で本編を終えたATEEZだが、ATINYからの熱を帯びた情熱的なコールを受けて再びステージに上がり、「夜間飛行 야간비행(Turbulence)(Japanese Ver.)」「Celebrate」「From」を披露するアンコールステージへ。ラストソングを残した最後の挨拶では、この日MINGIのコンディションが万全でなかったことが本人の口から明かされる。MINGIは「コンディションがよくない姿をお見せしてしまいすみません」と悔しさを滲ませるも、すかさずHONGJOONGが「MINGIは最高。僕が一番好きなラッパーですから」、SANが「MINGIの努力は知っていますよね。心配しないでください」とあたたかいフォローで彼を包み込み、ATINYもまた彼を労うように万雷の拍手と“MINGIコール”を送った。
その後はWOOYOUNGが「日本でもアンコールコンサートをできるということが本当に幸せで感謝しています」、YEOSANGが「今日1日ATINYと大切な時間を過ごしましたが、これからもATINYと作っていく思い出がとっても気になるし、楽しみです。僕たち、これからも一緒に過ごしましょう。いつも幸せで元気でいてください」、SEONGHWAが「離れていた分、今日この時間が皆さんの心を慰める時間になったらいいなと思います。僕にとって、一番輝く星は皆さんです」と語るなど、メンバーたちはATINYに向けて感謝の気持ちを述べていく。最後に公演の感想を述べたのはYUNHO。「日本のATINYともっと仲よくなりたくて日本語の勉強を一生懸命していますが、今までATINYが韓国語で話してくれていた言葉を見ると、もっと努力しなければならないと感じます。たくさんの愛をくださって感謝しています。その気持ちに恩返しできるYUNHOになります、愛してるよATINY!」と晴れやかな表情で客席を見渡した。
メンバー全員が挨拶を終えて寂しさが滲むムードの中、HONGJOONGは「僕たちと旅をともにしてくださった皆さん、本当にありがとうございます。最後の曲もエネルギーがいっぱいです。ATINY、準備できましたか?」と語ってMCを締めくくり、 ATEEZは「The Real(興 Ver)」をラストに投下。ATEEZもATINYも最後の力を振り絞るかのように全身全霊で歌い踊り、お祭りムード全開で公演の幕を下ろした。
ATEEZ最後のMCでの挨拶(2023年5月2日 有明アリーナ公演)
MINGI
アンコールコンサートを日本ですることができて本当に幸せです。日本のATINYを見るたびに感じる感情があるんですが、どうしてこんなにも僕を愛しく見つめてくれるのか。こんな瞬間を見てると僕も幸せになるような気がして、確信したことがあります。今日より明日、もっと僕が幸せにしてあげるよ。
実は今日、僕はコンディションがあまりよくなかったんですけど、ベストを尽くしました。これからもっと自分をケアできる人になれるよう努力します。コンディションがよくない姿をお見せてしてしまい申し訳ありません、今日は本当にありがとうございます。愛してるよ!
JONGHO
今日こうして日本でのアンコール公演をすることになりましたが、ワクワクして始まった分、もっと楽しくてよかったです。日本のATINYの皆さんの愛のおかげで、アンコールコンサートもできて、僕にいい思い出をもう1つプレゼントしてくださってありがとうございます。これからも引き続き進むATEEZになるので、たくさん応援してください。ATINYにいつもいい瞬間だけをお届けするJONGHOになります。ありがとうございます!
WOOYOUNG
WOOYOUNGです。今日の公演は楽しかったですか、ATINY? 僕たちがアンコールコンサートを日本でもできるということが本当に幸せで感謝しています。今日来てくださった皆さん、本当にありがとうございます。これからも幸せな思い出をたくさん作りましょう。本当にありがとうございますATINY! あっ、皆さん!b.stage(ATEEZの公式プラットフォーム)知ってますか? ATINYの皆さんが上げてくださるコメントを見るときに僕の気分……ワクワク! ありがとうございます!
HONGJOONG
HONGJOONGです。今日の時間(が経つのは)は本当に早すぎました ね。ね! 今日ひさしぶりに日本で公演をしましたが、僕が期待していたよりもっと幸せな時間でした。本当に。ATINYのおかげでもっと幸せでした。僕にとって一番大事なATINYがそばにいてくれて、僕は今日世界で一番幸せな夜を過ごしています。僕らはこれからも努力をいっぱいします。本当に今日はありがとうございます!
YEOSANG
ATINY、今日1日楽しかったですか? 今日のコンサートに来てくださってありがとうございます。今日1日、ATINYと大切な時間を過ごしましたが、これからATINYと作っていく思い出がとっても気になるし、楽しみです。僕たちこれからも一緒に過ごしましょう。大好きです。いつも幸せで、元気でいてください。愛してるよATINY!
SAN
皆さん、来てくれて本当にありがとうございます。僕の父が、僕に「1人でも君を観に来てくれる人がいるのであれば、ずっと全力で、君の全力を込めて舞台に立て」と言いました。僕はこの言葉が本当に好きですから、今日も僕は全力を尽くして舞台に立ちました。楽しかったですか? これからもATINYのために舞台をする人になります。今日もありがとうございます。
SEONGHWA
皆さーん、楽しみましたかー? 今日僕はとても幸せでした。本当に貴重な思い出をプレゼントしてくださってありがとうございます。離れていた分、今日この時間が皆さんの心を慰める時間になったらいいなと思います。……僕も好きだよ? 僕にとって一番輝く星は皆さんです。いつも大好きです!
YUNHO
ATINY、今日も楽しかったですか? 僕は今日、日本のコンサートがひさしぶりだったのでとても緊張しましたが、ATINYがたくさん応援してくれて本当に楽しかったです。そして、ATINYと一緒にできてとても幸せでした。いつも僕たちを待ってくださって本当にありがとうございます、ATINY。
そして日本のATINYともっと仲よくなりたくて日本語の勉強を一生懸命していますが、今までATINYが韓国語で話してくれていた言葉を見ると、もっと努力しなければならないと感じます。たくさんの愛をくださって感謝しています、ATINY。その気持ちに恩返しできるYUNHOになります。愛してるよATINY!
「ATEEZ WORLD TOUR 『THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL』ANCHOR IN JAPAN」2023年5月2日 有明アリーナ セットリスト
1. HALAZIA
2. Paradigm
3. The Ring
4. HALA HALA
5. Dazzling Light
6. MIST
7. AURORA (Japanese Ver.)
8. DIAMOND
9. Limitless
10. ILLUSION
11. WAVE
12. WIN
13. Horizon
14. WONDERLAND (KINGDOM ver.)
15. Cyberpunk (Japanese Ver.)
16. Fireworks (I'm The One)
17. ROCKY (Boxers Ver.)
18. Say My Name
19. Guerrilla
20. 夜間飛行 야간비행(Turbulence)(Japanese Ver.)
21. Celebrate
22. From
23. The Real(興 Ver.)
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