ハナレグミ、スカパラ、ドレスコーズが熱演みせた映画「零落」イベント、カオスな終宴に斎藤工は苦笑い

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映画「零落」の公開を記念したライブ&トークイベント「零落ナイト」が4月4日に東京・LIQUIDROOMで開催された。この日のイベントではハナレグミ東京スカパラダイスオーケストラドレスコーズがパフォーマンスを披露。ライブの合間に、映画の監督を務めた竹中直人、主演を演じた斎藤工、出演者兼プロデューサーのMEGUMIが映画にまつわるトークを繰り広げた。

「零落ナイト」の様子。(撮影:石橋俊治)

「零落ナイト」の様子。(撮影:石橋俊治)

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チャーリー・ボブ彦(撮影:石橋俊治)

チャーリー・ボブ彦(撮影:石橋俊治)[拡大]

斎藤工と竹中直人。(撮影:石橋俊治)

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DJの高木完が会場をひとしきり盛り上げたのち、ステージには竹中によく似た“国分寺から来た流しの歌手”チャーリー・ボブ彦が前説として登場。自作曲をブルージーに歌い上げたボブ彦は、「司会の人を紹介してもいいかなー?」と満面の笑みで客席に呼びかけ、MCを務める斎藤工を「さいとう・え!」と豪快に誤読してステージに呼び込んだ。真っ赤な衣装に身を包み颯爽と現れた斎藤は、会場に足を運んだ観客に感謝の気持ちを伝えると、ボブ彦と入れ違いに登壇した竹中と息の合ったトークを繰り広げた。

ハナレグミ(撮影:石橋俊治)

ハナレグミ(撮影:石橋俊治)[拡大]

ハナレグミと竹中直人。(撮影:石橋俊治)

ハナレグミと竹中直人。(撮影:石橋俊治)[拡大]

最初のライブアクトとして登場したのは、映画「零落」で斎藤扮する落ち目のマンガ家・深澤薫の担当編集者・徳丸を演じたハナレグミ。「徳丸の歌を聴いてもらいましょうかね」と客席に挨拶すると、ハナレグミは「音タイム」で晴れやかにライブをスタートさせた。2曲目に届けられたのは、楽曲の世界観にインスパイアされた竹中が監督を務め2005年に同名映画が製作された「サヨナラCOLOR」。静まり返る場内に、まっすぐで力強い歌声が響きわたった。ここでハナレグミが竹中をステージに呼び込み、坂本龍一が竹中のために1997年に書き下ろした楽曲「君に星が降る」を2人で演奏。ハナレグミが奏でるボサノバギターの甘美な調べに乗せて、竹中は涼しげな口笛と穏やかな歌声を披露した。ハナレグミは最後に「大安」を演奏し、ピースフルな雰囲気で会場を包み込みステージを後にした。

東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:石橋俊治)

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東京スカパラダイスオーケストラとハナレグミ。(撮影:石橋俊治)

東京スカパラダイスオーケストラとハナレグミ。(撮影:石橋俊治)[拡大]

東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:石橋俊治)

東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:石橋俊治)[拡大]

大歓声に迎えられて登場したのは2番手の東京スカパラダイスオーケストラ。1曲目の「HURRY UP!!」で激しいビートに合わせて大森はじめ(Per)が客席を煽ると、観客たちも手を挙げてそれに応える。スカパラは畳みかけるようにライブ定番曲「スキャラバン」を演奏。アグレッシブなプレイで観客を興奮の渦にグイグイと巻き込んでいく。MCを挟み「YOU DON'T KNOW(WHAT SKA IS)」で場内のテンションを再び引き上げると、スカパラは「ルパン三世のテーマ'78」「DOWN BEAT STOMP」といったキラーチューンを連発してフロアをさらに盛り上げる。ここで、そろいのスーツに身を包んだハナレグミが合流。タイトなファンクビートに乗せてステージに登場したハナレグミは「朝まで踊りあかそうぜ!」とシャウトすると、「今日は『追憶のライラック』じゃなくて、『追憶の零落』でいきましょう」と映画のタイトルになぞらえて曲振り。自らがフィーチャリングボーカリストとして参加したスカパラの楽曲「追憶のライラック」をレゲエのリズムに乗せて気持ちよさそうに歌い上げた。歌唱後にはハナレグミが、「深澤先生、8年間の長期連載、おつかれさまでした」と劇中のセリフを再現して観客を沸かせる一幕もあった。続けて披露されたのは、竹中がこよなく愛するフィッシュマンズの名曲「いかれたBaby」。この曲ではハナレグミと茂木欣一(Dr)が交互にボーカルを取り、観客たちはゆったりとしたビートに身を任せ、2人のセンチメンタルな歌声に聴き入っていた。沖祐市(Key)の奏でる流麗なピアノが印象的な「水琴窟」を経てライブはクライマックスへ。ラストチューン「Paradise Has No Border」では、「どこが一番盛り上がってるんだ!」とGAMO(Tenor Sax)がお馴染みのフレーズで観客をアジテートし、スカパラのライブは狂騒的な雰囲気の中フィナーレを迎えた。

左から、竹中直人、MEGUMI、浅野いにお、斎藤工。(撮影:石橋俊治)

左から、竹中直人、MEGUMI、浅野いにお、斎藤工。(撮影:石橋俊治)[拡大]

高木完のDJを挟みトークコーナーに。ここでは監督の竹中、主演の斎藤に加え、出演者兼プロデューサーのMEGUMIが登壇。原作者であるマンガ家の浅野いにおも途中から加わり、映画「零落」が完成するまでの紆余曲折を語り合った。また、竹中はこの日のイベントについて、「大好きなミュージシャンと、大好きな俳優と、そして大好きな原作者と、ここにこうやって存在していることが信じられないです」と感慨深そうに語った。

ドレスコーズ((撮影:石橋俊治)

ドレスコーズ((撮影:石橋俊治)[拡大]

ドレスコーズ(撮影:石橋俊治)

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ペレス・プラード&ローズマリー・クルーニーの情熱的なマンボ「Sway(Quien Sera)」が鳴り響き、妖艶なライトが照らす中、ドレスコーズの演奏メンバー、有島コレスケ(B)、田代祐也(G)、ビートさとし(Dr)、中村圭作(Key)が次々とステージに登場。スパンコールをあしらったグリッターな衣装に身を包んだ志磨遼平(Vo)が現れると会場の雰囲気が一気に華やぐ。志磨はバンドが繰り出すストレートなロックンロールサウンドと全身で戯れるように、「コミック・ジェネレイション」「ビューティフル」といった毛皮のマリーズの楽曲を躍動感あふれるパフォーマンスとともに歌い上げた。「やりすぎた天使」を軽やかに歌唱したのち、志磨はアコースティックギターを手に取ると劇中でも使用された「スーパー、スーパーサッド」を披露。続く「愛に気をつけてね」のイントロでは、この日の出演者たちに賛辞を送り、「最高のみんなで、最高の映画を作ったよ!」と、自らが音楽を手がけた映画「零落」の完成に快哉を叫んだ。そして志磨は、「こんなに楽しかったのに、結局、帰るときは1人です。そういう映画を作ったので、僕らは」と話し、客席に向かって「最後は、みんなにじゃなくて、客席のあなた、あなた、あなた1人にこの曲を送ります」と語りかけて、映画「零落」の主題歌「ドレミ」を演奏。劇中に漂う、心の深淵に沈み込んでいくような重くメランコリックなムードで場内を染め上げた。

「零落ナイト」のエンディングを仕切るチャーリー・ボブ彦。(撮影:石橋俊治)

「零落ナイト」のエンディングを仕切るチャーリー・ボブ彦。(撮影:石橋俊治)[拡大]

ライブ終了後には再び出演者が登壇。「人前に出るのが恥ずかしくて帰っちゃった」という竹中に代わり、前説を担当したボブ彦が場を仕切ろうとするも、「東京パラスカ」「ドレスコード」など、アーティスト名をことごとく言い間違えたり、締めの言葉に続けて何度もほかの出演者に話を振ったりするなどグダグダな展開に。「後味、これで合ってるんですかね?(笑)」という斎藤の苦笑いとともにイベントはカオティックに幕を閉じた。

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「零落ナイト」2023年4月4日 LIQUIDROOM セットリスト

ハナレグミ

01. 音タイム
02. サヨナラCOLOR
03. 君に星が降る w / 竹中直人
04. 大安

東京スカパラダイスオーケストラ

01. HURRY UP!!
02. スキャラバン
03. YOU DON'T KNOW(WHAT SKA IS)
04. ルパン三世のテーマ'78
05. DOWN BEAT STOMP
06. 追憶のライラック w / ハナレグミ
07. いかれたBaby w / ハナレグミ
08. 水琴窟
09 Paradise Has No Border

ドレスコーズ

01. コミック・ジェネレイション
02. ビューティフル
03. やりすぎた天使
04. スーパー、スーパーサッド
05. 愛に気をつけてね
06. ドレミ

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