Bialystocks、満員のリキッドを熱気で包んだ「Quicksand」ツアーファイナル

17

221

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 37 124
  • 60 シェア

Bialystocksの1stライブツアー「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の最終公演が2月18日に東京・LIQUIDROOMで開催された。

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)

大きなサイズで見る(全15件)

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

Bialystocksが昨年11月にリリースしたメジャー1stアルバム「Quicksand」を携えて行ってきたこのツアー。チケットは大阪、愛知、東京の全公演ともに完売となった。最終日の東京は春の接近を感じさせる陽気で、開演前の満員のフロアには熱気が立ち込める。甫木元空(Vo)と菊池剛(Key)は、サポートメンバーの西田修大(G)、越智俊介(B / CRCK/LCKS、Shunske G & The Peas)、小山田和正(Dr / ex. ソノダバンド)、オオノリュータロー(Cho)、早川咲(Cho)とともに暗いままのステージに姿を見せた。

菊池剛(Key / Bialystocks)(撮影:山川哲矢)

菊池剛(Key / Bialystocks)(撮影:山川哲矢)[拡大]

ライブは「Quicksand」のオープニングナンバーでもある「朝靄」で幕開け。美しくも怪しげな残響音の中、続く「雨宿り」の力強い出だしと同時にステージが明転すると、観客から大きな拍手と歓声が起こった。なおこの曲は「Quicksand」を締めくくる楽曲で、早くもその場にフィナーレのような雰囲気が漂う。次の「あくびのカーブ」はスケール感のあるギターサウンドが特徴で、アウトロでは菊池のシンセソロが冴え渡った。

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

その後のブロックでは「All Too Soon」「花束」と過去曲が続く。Bialystocksが初めて配信した、にぎにぎしい曲調の「Emptyman」では自然と手拍子が発生しフロアに一体感が生まれた。次に演奏されたのは「ただで太った人生」。この曲は昨年11月より公開されている甫木元の監督映画「はだかのゆめ」の劇中歌で、ライブでは音源のシンプルな雰囲気を保ちつつバンド編成ならではのアレンジで届けられた。「コーラ・バナナ・ミュージック」や「I Don't Have a Pen」ではCGアニメーションがステージを彩り、観る者をカオティックな世界に引き込むなど、見た目にも刺激的なライブが展開されていく。

この日のハイライトの1つとなったのが「灯台」の演奏だ。タイトなドラム、うねるようなベース、トリッキーなボーカル、効果的に差し込まれるコーラス、どこか不穏なピアノ、浮遊感のあるギターといった各パートがシビアなタイミングで巧みに絡み合うこの曲。不意に訪れる展開もスリリングで、観客はステージから放たれる灯台さながらの光に照らされながら息を飲む。楽曲は終盤で急激に熱を帯びていき、ついに甫木元が高音を張り上げるラストの山場を迎えて終了。それまで聴き入っていた観客は堰を切ったように歓声を上げ、高ぶる感情を演者に伝えた。

甫木元空(Vo / Bialystocks)(撮影:山川哲矢)

甫木元空(Vo / Bialystocks)(撮影:山川哲矢)[拡大]

甫木元は「悲しいことがあって、ぬかるみに足を取られても、砂時計のように何かしら動いているものはある」という思いでアルバムに「Quicksand」というタイトルを付けたと説明。「なんか、いろいろありますけど、なんとかなりますからね」と大づかみな発言をして、思いがけなく拍手を浴びると「いいことを言おうとすると空回りしてしまう」と苦笑した。そしていよいよライブ終盤、「Nevermore」の開放感のある大サビでフロアにこの日一番の盛り上がりがもたらされ、そのままご機嫌なポップチューン「Upon You」に突入。場内が一体感と幸福感に包まれる中でライブ本編は終了した。

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

アンコールで甫木元は映画「はだかのゆめ」について、数年前にがんで亡くなった自らの母親が余命宣告を受けた際の思いを込めたと語り、主題歌「はだかのゆめ」を弾き語りで歌唱。さらに劇中でストリングスアレンジバージョンが使用されている「ごはん」を菊池とサポートメンバーも交えて披露した。最後に明日への希望を感じさせる「差し色」が演奏され、華やかなムードで「"Quicksand" Tour」は幕を閉じた。

なおBialystocksの2ndツアーが6月から7月にかけて開催されることが決定。チケットぴあでは2月28日までチケットの先行予約を受け付けている。

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全15件)

「Bialystocks "Quicksand" Tour 2023」2023年2月18日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 朝靄
02. 雨宿り
03. あくびのカーブ
04. またたき
05. All Too Soon
06. 花束
07. 光のあと
08. Emptyman
09. ただで太った人生
10. コーラ・バナナ・ミュージック
11. I Don't Have a Pen
12. Winter
13. 灯台
14. Over Now
15. Thank You
16. 日々の手触り
17. 夜よ
18. Nevermore
19. Upon You
<アンコール>
20. はだかのゆめ
21. ごはん
22. 差し色

Bialystocks 2nd Tour 2023

2023年6月11日(日)東京都 東京キネマ倶楽部
2023年6月16日(金)福岡県 DRUM Be-1
2023年6月24日(土)北海道 BESSIE HALL
2023年7月1日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2023年7月8日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO

※Shunske G & The Peasの1つ目の「e」はアキュートアクセント付きが正式表記。

全文を表示

読者の反応

Bialystocks @bialymusic

MEDIA - 📝Live Report
#Bialystocks_Media

音楽ナタリー(@natalie_mu)にて
Bialystocks "Quicksand" Tour 2023 のライブレポートが掲載されました!
https://t.co/BpLtkgFB4F

#Quicksand_Tour
#ビアリストックス https://t.co/PdcyRejPmc

コメントを読む(17件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 Bialystocks / はだかのゆめ の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。