映秀。×キタニタツヤがコラボ、敬意を送り合う2人による対バンライブ

映秀。の対バンツアー「一味同心 2023」の東京公演が2月11日に東京・Zepp DiverCity（TOKYO）にて開催された。

「一味同心 2023」は映秀。にとって初の対バンツアー。TENDRE、NakamuraEmi、Tani Yuuki、キタニタツヤ、崎山蒼志という、映秀。と交流のあるアーティストを対バン相手に迎え、全国5カ所のZepp会場にて開催される。4公演目となるこの日のライブでは、映秀。とキタニタツヤのパフォーマンスが繰り広げられた。

先行を務めるキタニは「聖者の行進」でライブの火蓋を切って落とし、1曲目からオーディエンスの視線を釘付けに。2曲目「悪魔の踊り方」で激しいパフォーマンスを繰り広げたのちに披露された「PINK」では、会場全体に力強いハンドクラップが広がっていく。その後、駆け足気味で言葉が紡がれる「タナトフォビア」、ダンサブルなビートが特徴的な「化け猫」がドロップされると、観客の動きはより一層激しくなっていった。ここまでほぼノンストップでパフォーマンスを続けたキタニは、この日初のMCで対バン相手である映秀。への印象を語る。「すごく才能がある恐ろしい後輩なんですけど、いつも魂の会話をしていると僕は勝手に思っていて。向こうもそういうふうに見てくれてるとうれしいなあと思って、今日はホクホクの気持ちでここにやって参りました」と映秀。のことを讃えながら、この日のライブへの思いを語った。

続けてキタニは、サビでの大胆な転調が耳を引く「愛のけだもの」を披露し、ファルセット混じりの歌声を響かせていく。ギターのカッティングが心地いい「人間みたいね」やパワフルな歌声が会場中にこだました「プラネテス」などを歌唱し、キタニのライブパートは早くもラストスパートへ。彼は対バンツアーのゲスト陣について言及しながら「こんなすごいやつらと一緒にやってきた人間が俺の友達なんだなと思うと、やってる途中に誇らしい気持ちになってグッときちゃいましたね」と率直な思いを述べ、鋭利なギターサウンドから始まる「スカー」を演奏。一心不乱なパフォーマンスで轟音を観客に浴びせ、ステージをあとにした。

続く映秀。のステージはバンドメンバーのセッションでスタート。しなやかな演奏で観客の期待感が高まる中、映秀。が両手を広げて颯爽とステージに現れた。彼は「ようこそお越しくださいました。短い時間ですが、楽しいライブにしましょう」とさわやかに挨拶し、力強く飛び跳ねながら「脱せ」を歌唱。続く「失敗は間違いじゃない」では、たびたび登場する「Hands up」というフレーズの通り観客が手を高く掲げた。フレッシュながらも堂々としたパフォーマンスで観客を引き込んでいく映秀。はMCでキタニと出会った頃を振り返りつつ「キタニさんは自分の色があって、歪さと美しさの調和がすごくいいバランスで、カッコいいなと思ってます。受けていただいて本当にありがとうございます」と敬意を表した。

その後、「砂時計」の演奏がスタートするとステージ背後のスクリーンをさえぎっていた幕が開き、「朝焼け」という歌詞が登場するパートでは鮮烈な橙色があたり一面に広がった。続けて映秀。は「残響」「雨時雨」を歌唱し、アコースティックギターをかき鳴らしながら力強い歌声を目一杯響かせる。さらに彼は「反論」「生命の証明」と激しいロックチューンを連投。「生命の証明」ではステージを所狭しと動き回り、聴覚と視覚の両方で観客を魅了した。ハンドクラップで会場中がひとつになった「My Friend」を経て、曲途中からジャジーな展開を見せる「東京散歩」が演奏されると、ステージ上方から色とりどりの照明の光が降り注ぎ、会場に高揚感が満ちていく。そして映秀。は本編最後に「よるおきてあさねむる」を披露し、ステージをあとにした。

しばし続いたアンコールの拍手に応えて、映秀。が再びステージに登場。「幸せの果てに」でパフォーマンスを再開させる。さらに「今日はキタニタツヤさんにお願いをしました。『一緒に歌っていただけませんか？』って」とキタニを呼び込み、2人で映秀。の楽曲「喝采」を披露。彼らはステージの中央から端まで行ったり来たりと、コラボを楽しんでいるかの様子で歌声を合わせた。貴重なコラボに観客の熱気が会場中に充満する中、深い余韻を残してライブの幕が下ろされた。