リリー・フランキー、場末のスナック感あふれるレーベル設立

リリー・フランキーが、EMIミュージック・ジャパン内に新レーベル「RECORDZとまり木」を設立。本格的に音楽活動をスタートさせることが明らかになった。

リリーは自身のアーティスト活動のみならず、コンポーザー、アートディレクター、新人発掘などレーベルにかかわるさまざまな活動に携わる。彼の多方面におよぶ創作活動の発信基地としても機能するレーベルとなる予定だ。

レーベル第1弾アーティストとして登場するのは、リリーが作詞、作曲、アートワーク、ビデオクリップの映像ディレクションなどすべてにおいてプロデュースを手がける謎の新人シンガー、ジミ・シジミ。8月17日に発売されるデビューシングル「シジミの女」は、癒しを求めるミドルエイジに捧げる新ジャンル「NEO MOOD歌謡曲」を打ち出した楽曲で、カップリングにはFPMと川辺ヒロシ（TOKYO No.1 SOUL SET）による同曲のリミックスバージョンも収められる。

なお、RECORDZとまり木では第1弾シングル「シジミの女」のリリースにあわせ、告知ポスター＆告知フライヤー入りティッシュの設置店を募集中。NEO MOOD歌謡曲のコンセプトがマッチする、スナックやバーなどのお酒が振舞われるお店に設置を呼びかけている。詳細はレーベルオフィシャルサイトにて確認を。

ジミ・シジミ「シジミの女」収録曲

01. シジミの女
02. 私ってなんなんですか
03. シジミの女（FPM EVERLUST REMIX）
04. シジミの女（川辺ヒロシ HAMMER BEAT REMIX）

＜初回限定盤DVD収録内容＞
01. シジミの女（ミュージックビデオ）
02. シジミの女（ショートフィルム・バージョン）
Directed by リリー・フランキー

リリー・フランキー コメント

夜に沈む、場末のスナック。
さきいかとツナピコと芳香剤の匂い漂う店内に流れてくる、スナッキーな音楽。
私は、トレンチコートの襟を立てながら、つい、そのメロディーを口ずさんでしまう。
かつて、男が、カッコいいままでいられた歌詞。
その音、女がセクシーであることに誇りを持てた頃のメロディー。
男と女の吐息。そして、因果。
大人の清濁をマドラーでかきまぜたサウンドに、ジンロのウーロン割りがしみじみと染みてくる。
カウンターの中には、モータウンの歌姫シャーリーンの名曲「愛はかげろうのように」で登場する女みたく、
一筋縄ではいかない人生を送り続けてきたであろうと思われる、尋常ではない厚化粧のママ。
最近、涙もろくなったと、十七本の歯で笑った。
“ありがとう。ジェニー。
お前はいい女だった。
お前と暮らすのが幸せだろうな。
だけど、ジェニー。
あばよ、ジェニー。
それが、男には出来ないのだよ。”
阿久悠の名フレーズを私は心の中でツイートした。

そして私は思ったのです。
現代の歌謡曲を作ろうと。
人間の弱さも酷さも美しさも受け入れ、人々の内側にへばりつく、スパイシーでスナッキーな音楽を作ろうと。

あなたの切ない夜の傍らに咲く、一輪の切り花になりたいと。

RECORDZとまり木について
リリー・フランキー
2011年6月9日

ジミ・シジミについて
海に沈むシジミのように、地味で見落としがちでありながらも、なかなかやりおる女がいます。付き合いを重ねるうちに、内臓と郷愁をわしづかみにされるような、女。そしてそんな貝。