マカロニえんぴつ10周年ツアーラストはSSA、「離れないでほしい」マカロッカーに届けた熱い思い

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マカロニえんぴつの全国ツアー「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」が昨日1月8日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで最終日を迎えた。

はっとり(Vo, G)(撮影:酒井ダイスケ)

はっとり(Vo, G)(撮影:酒井ダイスケ)

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高野賢也(B, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)

高野賢也(B, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

マカロニえんぴつの結成10周年を記念し、9月から1月にかけて全国14カ所19公演が行われた「マカロックツアーvol.14」。このうち1月7日と8日の公演はバンド史上最大規模の会場となるさいたまスーパーアリーナにて開催された。この記事ではセミファイナルにあたる7日公演の模様をレポートする。

田辺由明(G, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)

田辺由明(G, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

場内が暗転し、マカロッカー(マカロニえんぴつファンの呼称)の拍手を浴びながらステージに登場したはっとり(Vo, G)、高野賢也(B, Cho)、田辺由明(G, Cho)、長谷川大喜(Key, Cho)、サポートの高浦“suzzy”充孝(Dr)。彼らはマカロニえんぴつの紹介ソング「トリコになれ」でライブの幕を開け、ポジティブな推進力に満ちた「洗濯機と君とラヂオ」でオーディエンスを存分に踊らせる。そんなアッパーなムードから一転、「ワンルームデイト」では牧歌的なサウンドを紡ぎ、ファンにじっくりと聴かせた。

長谷川大喜(Key, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)

長谷川大喜(Key, Cho)(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

満員の客席を見渡し、喜びの表情を浮かべるメンバー。はっとりは「(さいたまスーパーアリーナ公演)両日ともにチケットが売り切れております。ありがとうございます。感慨深い。マカロニえんぴつに出会ったタイミングはそれぞれだと思うけど、今日はみんなファミリーのつもりで、この会場にいるうちは1人ぼっちだと思わないでね」とファンに語りかけた。アリーナに温かな空気が広がる中、「たましいの居場所」では晴れやかなアンサンブルに合わせ、無数のシャボン玉がステージを舞い、「mother」では開放感のある大自然の映像が、楽曲の壮大な世界観を引き立てる。そして、アコースティックギターの弾き語りで始まったのは「夜と朝のあいだ」。星のようにきらめく無数のライトを背に、はっとりは憂いのある歌声を届けた。

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演より「街中華☆超愛」のパフォーマンスの様子。(撮影:酒井ダイスケ)

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演より「街中華☆超愛」のパフォーマンスの様子。(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

ライブが中盤に突入すると、彼らの“ちょい長MC”がスタート。はっとりはオーディエンスに向けて「しっかり、じっくり聴いてくれてうれしいです」と話し、「俺たちはがんばっても小笑いしか生み出せないんですよ。もし変な場面があったら、心の中で笑ってくださいね」と促した。さらに、はっとりが「全国ツアーを回るとつい食べすぎちゃうんですよね。今年は痩せたい」と宣言し、「神戸の老祥記の肉まんがうますぎてびっくりした」と印象に残ったご当地グルメを挙げると、長谷川も「金龍ラーメンがめっちゃうまかった! 醤油豚骨なんだけどあっさりしてて塩味があって」と大阪で食べたラーメンの味を事細かに説明した。すると、はっとりが「王チャン(ワンチャン)っていう行きつけの中華料理屋さんがあって、そこの岩のりラーメンがめちゃくちゃおいしかったんですよ。でも区画整理で閉店しちゃって、待ってくれよと。何食べて生きていけばいいのって。その日から岩のりラーメンの味が口の中に広がるようになったんです」と思い出のラーメンについて熱弁。王チャンへの強い愛ゆえ、小芝居を始める。「はっとりくん、たまアリでライブ中だよ」と言うメンバーの声も耳に入らず、はっとりは割り箸を割り、熱々の岩のりラーメンを口に運ぶジェスチャーをする。突然我に返ったはっとりは「ホントにごめん! 記憶飛んでた」とメンバーに謝るが、ラーメンの味がどうしても忘れられないのか、「王チャーン!」と思いきり叫んだ。この声をきっかけに、ステージには「通心粉鉛筆亭」と書かれた赤い暖簾が登場。チャイナ風コスチュームに早着替えしたメンバーは、「街中華☆超愛」で豪快なロックサウンドを奏で、中華への愛を爆発させた。さらにカオスな世界観を引き継ぐように「カーペット夜想曲」を投下して、場内の熱気を引き上げた。

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

マカロッカーをさらなる興奮へと誘うように、長谷川の歪んだシンセ音をきっかけにセッションがスタート。各々がテクニカルなプレイで個性を発揮すると、人気曲「ブルーベリー・ナイツ」へとシームレスにつないだ。ここで、はっとりが「元気残ってるかい! 声は出せないけど我々は声なき声を聞き取る能力を身につけました。それぞれが持ってる臓器から“臓声”を聞かせてください」と独特な煽りをし、ライブ定番の「ワンドリンク別」「MAR-Z」へ。観客は勢いあふれるサウンドを浴びながら、リズミカルにハンズアップした。はっとりの威勢のいいカウントで始まったのは「星が泳ぐ」。深遠なアンサンブルでドラマチックなムードを描いた彼らは、ファンから長く愛される「ヤングアダルト」を情感豊かに披露した。

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

本編は残すところあと1曲となり、はっとりはギターを弾きながら思いの丈を言葉にする。「すべての出会いに意味があったと思います。いろんな道を自分たちで選んだきたつもりだけど、ひょっとしたら導かれていったのかもしれません。バンドをやっているとなかなかしんどいわけです。最初の2、3年は1人でやってもよかったなと思ったんだけど、大好きなユニコーンがいたから、バンドとしてやってきたのかもしれない。憧れ続ける、その意地だけで。今があるのはあなたの、事務所のスタッフの、ツアーを回ってる仲間の、テレビ局の人の、無名時代にラジオで僕らの歌を流してくれたミュージシャンのおかげなんです。僕がこうやって恥ずかしげもなくさいたまスーパーアリーナで伝えられることがうれしい。そして離れないでほしいんです。あなたは離れないとわかってます。あなたが導いてくれたマカロニえんぴつという音楽でした」と熱い思いを届けた。そしてマカロニえんぴつは「第64回 輝く!日本レコード大賞」の優秀作品賞にも選ばれた「なんでもないよ、」で本編を終えた。アンコールでは、はっとりの「触れられない愛を自分たちなりの角度で歌ってみました」という紹介で、井上真央が主演を務めるTBS系金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」の主題歌「リンジュー・ラヴ」が初披露される。彼らははっとり、高野、田辺、長谷川が作詞を分担した「僕らは夢の中」でロックバンドとしての生き様を見せ、2015年発表のバンド初のオリジナル曲「鳴らせ」でにぎやかにライブを締めくくった。

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(撮影:酒井ダイスケ)

「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(撮影:酒井ダイスケ)[拡大]

ツアーを成功に導いたマカロニえんぴつは、3月8日に新作EP「wheel of life」をリリース。4月から5月にかけてワンマンライブとツーマンライブからなるZeppツアー「マカロックツアーvol.15 ~あやかりたい!煌めきビューチフルセッション編~」を行う。

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マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」2023年1月7日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. トリコになれ
02. 洗濯機と君とラヂオ
03. ワンルームデイト
04. 愛のレンタル
05. たましいの居場所
06. MUSIC
07. mother
08. 恋人ごっこ
09. 夜と朝のあいだ
10. 街中華☆超愛
11. カーペット夜想曲
12. ブルーベリー・ナイツ
13. 愛の手
14. ワンドリンク別
15. MAR-Z
16. 星が泳ぐ
17. ヤングアダルト
18. なんでもないよ、
<アンコール>
19. リンジュー・ラヴ
20. 僕らは夢の中
21. 鳴らせ

マカロックツアーvol.15 ~あやかりたい!煌めきビューチフルセッション編~ワンマンライブ

2023年4月6日(木)神奈川県 KT Zepp Yokohama
<出演者>
マカロニえんぴつ

2023年4月13日(木)北海道 Zepp Sapporo
<出演者>
マカロニえんぴつ

2023年4月20日(木)愛知県 Zepp Nagoya
<出演者>
マカロニえんぴつ

2023年4月27日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
<出演者>
マカロニえんぴつ

2023年5月10日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
<出演者>
マカロニえんぴつ

2023年5月18日(木)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
マカロニえんぴつ

ツーマンライブ
2023年4月7日(金)神奈川県 KT Zepp Yokohama
<出演者>
マカロニえんぴつ / Vaundy

2023年4月14日(金)北海道 Zepp Sapporo
<出演者>
マカロニえんぴつ / くるり

2023年4月21日(金)愛知県 Zepp Nagoya
<出演者>
マカロニえんぴつ / サンボマスター

2023年4月28日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
<出演者>
マカロニえんぴつ / ウルフルズ

2023年5月11日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
<出演者>
マカロニえんぴつ / My Hair is Bad

2023年5月19日(金)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
マカロニえんぴつ / ユニコーン

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読者の反応

酒井ダイスケ @imdaisukesakai

これまでの集大成です。
素晴らしいツアーでした https://t.co/YEmYvb60gj

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