真っ暗な会場に鍵盤の音色が響き渡ると、チェアに腰をかけた赤西の姿が幻想的な光の粒に照らされる。観客の視線が注がれる中、繊細な鍵盤の音色に乗せて赤西が歌い始めたのは「Love Song」。彼は約4年半ぶりとなる有観客ライブをこの曲でスタートさせ、愛あふれる言葉を大切に紡ぎ上げた。赤西がスタンドマイクの前に立ち「Love Yourself」を披露すると、スケール感のあるサウンドに合わせて会場に観客が掲げる青と白のペンライトの光がキラキラと揺れる。レーザーライトが飛び交う中で「Yesterday」を軽やかに届けたあと、赤西は「こんばんは。クリスマスライブという名のリハビリライブへようこそ。4年半くらいのブランクがあるので、今日はちょっとお手柔らかに楽しんでいってくれればと思います」と穏やかに挨拶した。
“リハビリライブ”と言うも、赤西のクオリティの高いパフォーマンスと演出へのこだわりは徹底しており、彼は鮮やかな光の演出に彩られながら「Roll With Me」を披露してオーディエンスを魅了する。「Back to Me」ではイラストを主体としたクールな映像をバックに、ステージ上段に赤西の姿がシルエットのように浮かび上がった。そして赤西は息をつかせる間もなく「Shine」をパフォーマンスしたあと、ギターを携えて「Mi Amor」をバンドメンバーとともにエモーショナルにプレイ。強靭なバンドアンサンブルとEDMが合わさったサウンドをバックに、慈しむような歌声が神聖な雰囲気を伴って響き渡る。さらに赤西は「Fill Me Up」をクールに歌い上げたあと、「アイナルホウエ」をステージを歩きながら軽やかに届けた。
赤西は椅子に腰かけてアルコールドリンクを作り、「4年半ぶりのライブで今なんとなく『こんなんだったな』ってわかってきた感じ。それまではリハーサルのときから『どうやって準備してたっけ?』みたいな」と話し始める。MCが苦手だという彼はスクリーンに映し出される経過時間を見て「7分もしゃべれたか! もともとそんなにしゃべりがうまくなかったので、ソロになって独立して、最初はMCで1分もしゃべれなかったよね。来年10周年なんですけど、修行を重ねて1人でしゃべれるように成長しました」と満足げに述べた。ここで赤西が「次の曲の衣装が決まってなくて。ちょっととりあえず衣装を決めたいです」と切り出すと、スタッフが衣装ラックをステージに運び込む。カメラが寄ってスクリーンにスタッフを抜くと、そこに映し出されたのは“元相方”の山田孝之の姿だった。JINTAKAのユニット曲「Choo Choo SHITAIN」の披露が期待されるも、2人は「今日はしないよ!」「しないって決めた」と強調。山田は「意地があるもんね。そんな簡単にはさせないよっていう。今日は仁とひさしぶりに会ったファンの方々に、仁のいろんな衣装を堪能させたいという気持ちで来たわけですよ」と述べ、肌触りのよさそうなモコモコの服からタンプトップまでさまざまな衣装を赤西に勧めた。
本公演は新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインのもと声出し可能ということで、赤西は「なんでも答えます」と山田とともに質問コーナーを展開。初めて赤西のライブ来たという観客の「どうやって楽しめばいい?」という声や、男性客からの「なんでそんなにカッコいいんですか?」という質問に次々と応じていく。「仁くんのどんなところが素敵ですか?」という質問を受けた山田は「やっぱりフラットなところじゃないですかね。飾らないところが一番。人から見た“カッコいい”じゃなくて、会ったときにいつでもフラットだからラクなんですよね。僕はそれが素敵だなって思いますね」とまっすぐに答えた。赤西が「孝之がいなかったらこのMCが成立してないと思う。本当にありがとう。来年はなんか一緒にやろうよ。スケジュールはどんな感じなの?」と山田の来年の予定を聞くも、山田は「一応過去にユニットを組んだことはありますけど、方向性の違いで解散したわけじゃないですか。方向性をお互い確かめ合って、合ってるところがあったらその方向にいくのはいいけど……」と首を傾げる。「そこが合ったらちょっとやろうよ」と赤西が話を持ちかけると、山田は「したいよ!」とついに本音を見せ、来年への期待を残して舞台を去って行った。
約45分の豪華なMCを経て、ライブは後半へ。山田と選んだピンクのニット衣装を身にまとった赤西は「みんなで合唱をしましょう」と提案し、「Baby」をオーディエンスとゆったりと歌い上げた。「NO GOOD」ではリラックスした心地のいいムードが会場に広がる。さらに赤西は2019年にリリースした最新アルバム「THANK YOU」からフューチャーベースの要素がある「Runnin’」やR&B調の楽曲「On My Mind」、ダンサブルなビートが印象的なナンバー「Candy Flava Girl」を立て続けに披露した。
続いて穴空きのワイルドな衣装にチェンジした赤西は「In The Sky」「Dayum」を勢いよく連投。グルーヴ感のあるバンドサウンドに乗せて歌を届けたあと、その勢いを加速させるようにパーティチューン「We The Party」を軽やかにスタンドマイクを回しながら投下。そして「Hey What's Up?」で開放感のある空気をオーディエンスと楽しみ、ラストナンバー「THANK YOU」へ。4年間ライブを待ち続けたファンへの感謝の思いを歌に乗せて届け、「来年からもよろしくお願いします。ありがとうございました」と晴れやかに告げた。
ライブ終了と同時に、スクリーンには「JIN AKANISHI 10th Anniversary Live 7月1日 国立代々木競技場 第一体育館」の文字が。最後まで会場が歓喜で満たされたまま、4年半ぶりのライブは幕引きとなった。
赤西仁「JIN AKANISHI Christmas Live 2022」2022年12月23日 東京ガーデンシアター セットリスト
01. Love Song
02. Love Yourself
03. Yesterday
04. Roll With Me
05. Back to Me
06. Shine
07. Mi Amor
08. Fill Me Up
09. アイナルホウエ
10. Baby
11. NO GOOD
12. Runnin'
13. On My Mind
14. Candy Flava Girl
15. In The Sky
16. Dayum
17. We The Party
18. Hey What's Up?
19. THANK YOU
JIN AKANISHI 10th Anniversary Live
2023年7月1日(土)東京都 国立代々木競技場第一体育館
田中 聖太郎 @seitaro_tanaka
赤西仁 さん
「JIN AKANISHI Christmas Live 2022」
感情の中なのか、身体の奥なのか。
その所在は明確ではなくとも、
4年半前から押しっぱなしのスイッチがあり、それが昨日やっと通電した様な感じです😌
答えは、
閃光とも言うべき光の中に。📸
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