夢だった東京・日本武道館ワンマンや初の舞台公演の開催、一度卒業するも復帰の道を選んだ的場華鈴をはじめとする予科生の活動開始など、濃密な1年を過ごした虹コンが2022年の締めくくりとして行ったのがこの日比谷野音公演。今回のライブでは、約3年ぶりに観客の声出しが可能になることが最大の注目ポイントとなった。虹コンはアイドル現場で定番となるコールが生まれるほど客席での声出しの文化が活発で、コロナ禍の日々の中でメンバーと虹コンだいすきマン(虹コンファンの呼称)はこの日を来ることを待ち続けていた。そのような背景もあり、新たに用意されたキヤノンの“撮れる、望遠鏡”「PowerShot ZOOM」レンタル付きの撮影席を含め当日の会場は満員に。生配信でも多くの虹コンだいすきマンがライブを観賞した。
日々寒さが増す12月中旬、日が暮れたあとに開演を迎える野外ライブということで、開場前は静けさと寒さが会場を支配していたが、虹コンだいすきマンによって客席が埋まり始めると、徐々に高揚感と熱気で場内が満たされていく。そして待ちに待った開演の瞬間、観客は「Overture」に盛大な拍手と歓声を乗せてメンバーを迎え、1曲目「戦場の聖バレンタイン」のイントロから盛大な“MIX”を響かせた。虹色の衣装に身を包み、予科生を含む総勢16人編成でステージに登場した虹コンは、続いて「THE☆有頂天サマー!」「限りなく冒険に近いサマー」「愛をこころにサマーと数えよ」とアッパーなサマーチューンを連発。虹コンだいすきマンの力強い声を一身に浴びながら、冬の日比谷野音をまるで夏フェスのような熱い一体感で満たしていった。序盤のブロックを勢いよく終えると、メンバーは「みんなの声が聞けたー!」と大興奮し、自己紹介で自分の名前を観客に目いっぱい叫ばせて声出しありの環境を満喫。特に昨年虹コンに加入した石原愛梨沙や神田ジュナ、今年活動を開始した予科生のメンバーは初めて聞く虹コンだいすきマンの歓声に感激し、満面の笑みを浮かべた。
夏曲だけでなく冬曲も毎年発表している虹コンは序盤のセットリストから一転、「パウダースノーランデブー」「ふたりのシュプール」「Snowing Love」といったウインターソングを歌唱。メンバーを入れ替えながらメドレー形式で歌を届け、会場の空気を一気にきらびやかでキュートな世界観で染めていく。3カ月連続リリース企画の第3弾作品である今年の冬曲「想いが積もる、午前2時。」も披露され、片思いする女の子の気持ちが平成の着メロを彷彿とさせるサウンド、大人びた振付に乗せて表現された。
続いて疾走感あふれるナンバー「chaos and creation」や激しいバンドサウンドの「Luv♡Unbalance」を披露し、楽曲のイメージを視覚化する照明に彩られながらクールかつパワフルなパフォーマンスを繰り広げる虹コン。ライブは勢いそのままに「パラダイスな片思い」「in(door)the Summer」といった鉄板曲へとなだれ込み、会場の盛り上がりが右肩上がりに加速する。公演の中盤には新曲「勝手に最高!ディスティニー」の振付を手がけたダンサー・FISHBOYがスペシャルゲストとしてステージに登場。FISHBOYは現れるやいなや自身が在籍するRADIO FISHの楽曲「PERFECT HUMAN」を踊り始め、その動きを真似する虹コンメンバーに「I'm a perfect human」というフレーズに合わせて無茶振り。突然の展開に清水理子は思わずステージの端へ逃げ出すも、続く中村朱里がNAKATAのように首を傾けて客席を沸かせた。そしてFISHBOYが虹コン初の“タオル曲”である「勝手に最高!ディスティニー」の振付を観客にレクチャーしたあと、この楽曲の初披露へ。メンバーは会場の虹コンだいすきマンと一緒に一心不乱にタオルを振り回し、間奏では両手を広げた岡田彩夢がメンバーに担がれながらステージ上を“滑空”するという、奇抜な振付で観客の目を引いた。
日比谷野音にさらなる一体感が生まれたところで、ライブは怒涛のラストスパートに突入。「やるっきゃない!2018」「ずっとサマーで恋してる」「パラドキシカル・コンプレックス」など6曲がノンストップで畳みかけられた。ライブの人気曲の1つ「ずっとサマーで恋してる」では、客席の虹コンだいすきマンがジャンプしながら両手で作ったハートを掲げ、メンバーとの絆をより強固なものにした。
アンコールではディスコ調のサウンドの「BE MYSELF」、今年の夏曲「キミは夏のレインボー」を立て続けにパフォーマンスしたのち、メンバーが「私たちへの愛、まだ伝えきれてないですよね!?」と客席に向かって呼びかける。「おむすびの形は?」「(底辺)×(高さ)÷2で面積が求められる図形は?」「みんなが大好きな図形は?」という彼女たちの問いかけに、虹コンだいすきマンは「三角形!」と力いっぱい声をそろえて返答。そして三角形のモチーフがあちこちにあしらわれたステージで、数々の対バンやフェスを沸かせてきた虹コン屈指のキラーチューン「トライアングル・ドリーマー」が披露されると、会場のボルテージは最高潮に。アウトロでは「言いたいことがあるんだよ」というフレーズで始まる“ガチ恋口上”が夜空に響き渡った。
計23曲を披露し終えたメンバーは、ステージ上に16人全員で整列。国家資格の勉強に専念するためこの公演をもって当面の間活動を休止する石原愛梨沙が「夢を叶えて、もう一度このステージに立ちたいと思っています。それまで待っていただけたらうれしいです。そして、今後も虹のコンキスタドールの応援をよろしくお願いします」とおじぎをすると、客席からは温かい拍手が沸き起こった。続いて虹コンは、今年6月より開催されていた「虹でんJrオーディション」の合格者・川端優が予科生の一員に加わることを発表。2007年12月3日生まれの中学3年生、グループの中で最年少メンバーとなる川端は虹コンの衣装を身にまとって観客の前に登場し、「もともと虹コンだいすきマンだったので、今の状況が夢のようです。これから一生懸命がんばるので、応援よろしくお願いします」と初々しく挨拶した。虹コンの“推しメン”を聞かれた川端が「鶴見萌さんです」と答えると、鶴見は「チェキとかグッズとか常に持ち歩いてくれていて、ありがとうねー」と照れた様子を見せる。さらに「なんで萌ちゃん推しなの?」という質問に対し、川端は「お顔がとても美人だからです」と澄み切った表情で即答。その言葉を受け、鶴見は床にへたりこむようにしてリアクションした。
虹コンは今年行われた全国ツアーの続編「虹のコンキスタドール全国美味いもの征服ツアー2023~おかわり編~」を2月より全国10都市で開催すること、そのファイナルが4月7日に東京・中野サンプラザホールで行われることも告知。そして「皆さん、たくさんの愛、そして声を届けていただきありがとうございます!」と感謝の気持ちを叫んだあと、「虹のコンキスタドールはもう一度武道館を目指します! そしてそこで満員の景色を見たいと思っています」とグループの目標を高らかに宣言した。この日は雨の予報が出ていたが、蓋を開けてみればアンコールの最後に小雨がぱらつく程度。虹コンは盛大な拍手と歓声を浴びながら、日比谷野音公演を無事成功へと導いた。
虹のコンキスタドール「虹のコンキスタドール ONE-MAN LIVE『愛の三角関数おしえてよ♡ in 日比谷野外音楽堂』」2022年12月17日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音) セットリスト
SE. Overture
01. 戦場の聖バレンタイン
02. THE☆有頂天サマー!
03. 限りなく冒険に近いサマー
04. 愛をこころにサマーと数えよ
05. パウダースノーランデブー
06. ふたりのシュプール
07. Snowing Love
08. 想いが積もる、午前2時。
09. chaos and creation
10. Luv♡Unbalance
11. パラダイスな片思い
12. in(door)the Summer
13. きみの気持ち教えて
14. 勝手に最高!ディスティニー
15. 世界の中心で虹を叫んだサマー
16. サマーとはキミと私なりっ!!
17. やるっきゃない!2018
18. 響け!ファンファーレ
19. ずっとサマーで恋してる
20. パラドキシカル・コンプレックス
<アンコール>
21. BE MYSELF
22. キミは夏のレインボー
23. トライアングル・ドリーマー
虹のコンキスタドール全国美味いもの征服ツアー2023~おかわり編~
2023年2月1日(水)東京都 EX THEATER ROPPONGI
2023年2月4日(土)新潟県 NIIGATA LOTS
2023年2月11日(土)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
2023年2月18日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
2023年2月19日(日)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2023年2月23日(木・祝)石川県 金沢EIGHT HALL
2023年3月11日(土)佐賀県 LIVE HOUSE GEILS
2023年3月12日(日)熊本県 熊本B.9 V1
2023年3月31日(金)大阪府 GORILLA HALL OSAKA(※声出し可能公演)
2023年4月2日(日)兵庫県 神戸VARIT.
2023年4月7日(金)東京都 中野サンプラザホール
鶴見 萌@虹のコンキスタドール @tsurumi_moe
ナタリーさんありがとうございます✨
何度でも武道館に立てるアイドルになるぞーっ!! https://t.co/bGJogwVSF5 https://t.co/HQv69PCiWl