石原慎也がスカパラの中心で楽器手に熱演、NARGO「チューバ持ってジャンプする人を初めて見た」

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東京スカパラダイスオーケストラが11月12日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)でSaucy Dogとのツーマンライブを開催した。

スカパラと石原慎也(Saucy Dog)のコラボレーションの様子。(撮影:勝永裕介)

スカパラと石原慎也(Saucy Dog)のコラボレーションの様子。(撮影:勝永裕介)

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東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:勝永裕介)

東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:勝永裕介)[拡大]

スカパラは現在、全国ツアー「Traveling Ska JAMboree 2022-2023」を開催中。このツアーはワンマンライブと対バンライブを織り交ぜたもので、全国7都市で15公演が行われる。Saucy Dogは、対バン相手の1組目として今ツアーに参加した。

Saucy Dogのライブの様子。(撮影:白石達也)

Saucy Dogのライブの様子。(撮影:白石達也)[拡大]

先攻を務めたのはSaucy Dog。せとゆいか(Dr, Cho)、秋澤和貴(B)、石原慎也(Vo, G)は順にステージに姿を見せて掛け声をかけ合い、「結」でライブをスタートさせた。1曲目から石原の切ないボーカルが満員の場内を優しく包み込み、石原とせとによる美しいコーラスワークが楽曲の世界観をさらに広げていく。

石原慎也(Vo, G)(撮影:白石達也)

石原慎也(Vo, G)(撮影:白石達也)[拡大]

MCではせとがスカパラについて、フェスで会うたびにいつも優しく話しかけてくれることを明かし、そんなスカパラから対バンに呼んでもらったことに感謝の言葉を述べた。さらに、スカパラのバンドとしてのキャリアがSaucy Dogの5倍ほどあることや、スカパラが音楽を心から楽しんでいる姿勢をリスペクトしていることを伝える。

秋澤和貴(B)(撮影:白石達也)

秋澤和貴(B)(撮影:白石達也)[拡大]

そのあとも「シンデレラボーイ」や「ノンフィクション」といったヒットナンバーを次々に披露し会場を盛り上げたSaucy Dog。石原が「いつもとここから見える景色がちょっと違うので」と言ったあとに「あっ、違いますよ、平均年齢がといった話ではなく」とフォローした場面では、場内から大きな笑いと拍手も沸き起こった。また彼は、フェスの会場でスカパラと一緒になると谷中敦(Baritone Sax)から「写真を撮ろう」と言われることを明かし、いつも仲良くしてもらっていることへの感謝も口にした。

せとゆいか(Dr, Cho)(撮影:白石達也)

せとゆいか(Dr, Cho)(撮影:白石達也)[拡大]

ラストナンバーとして、石原が「今日も仕事、学校、育児、いろいろがんばっているあなたへ届けたい歌」として披露したのは「優しさに溢れた世界で」。加藤隆志(G)は音楽ナタリーのインタビューの中で、Saucy Dogの演奏について「2時間のライブを3つの楽器と声だけで構成していくのは相当なことで、Saucy Dogの曲って、普通に考えたらもう1人ギターかキーボードがいてもっと楽器がその曲を説明すると思うんです。そこを楽器の代わりにメロディとコーラスで説明してる」と評していたが、Saucy Dogはその言葉に違わぬ力強く巧みなアンサンブルを最後までオーディエンスに提示して自分たちのステージを終えた。

東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:勝永裕介)

東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:勝永裕介)[拡大]

後攻のスカパラのアクトでは、谷中が「Saucy Dog、すごいよかったね。負けてられないんで、俺たちも気合入れていくよ!」とひと言。9人はライブ定番曲とレアナンバーを織り交ぜたセットリストで、会場の熱気をさらに上昇させるような激しいプレイを見せていった。

石原慎也(Tuba / Saucy Dog)(撮影:勝永裕介)

石原慎也(Tuba / Saucy Dog)(撮影:勝永裕介)[拡大]

そして、沖祐市(Key)が美しいピアノの旋律を奏でると、ステージには石原が登場。彼が軽く息を吸い込む音を合図に、10人はスカパラの最新ナンバー「紋白蝶 feat.石原慎也(Saucy Dog)」をプレイした。スカパラメンバーの9人が重ねる音の圧に負けないように、いつも以上に声を張ってより力強い歌声を響かせる石原は、歌唱だけでなくチューバの演奏も披露。NARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、GAMO(Tenor Sax)、谷中が立ち並ぶスカパラホーンズの真ん中で、小学4年から高校3年までの9年間をかけて磨き上げたチューバの腕前を堂々と示してみせた。

スカパラと石原慎也(Saucy Dog)のコラボレーションの様子。(撮影:勝永裕介)

スカパラと石原慎也(Saucy Dog)のコラボレーションの様子。(撮影:勝永裕介)[拡大]

演奏が終わる直前には大きなチューバを片手で掲げ、ステージ中央のお立ち台からチューバを抱えたまま大きくジャンプをして演奏を締め、最後にもう一度チューバを片手で掲げるという離れ業も披露した石原。2組のコラボレーションにライブハウスは大いに盛り上がったが、その余韻に浸る間もなく加藤は「帰さないよ」と石原に伝えた。スカパラのライブには欠かせないインストナンバー「Paradise Has No Border」がスタートすると、GAMOは「さっき急遽決まりました! 今日はスペシャルな夜だからさらに上げていこうぜ!」とシャウト。10人編成で披露されたこの曲で、チューバを抱えた石原はスカパラメンバーとともにステージを左右に動き回り、低音をしっかりと響かせ、ラストには「紋白蝶」のときよりも大きなジャンプで楽曲を締めくくっていた。

沖祐市(Key)とGAMO(Tenor Sax)。(撮影:勝永裕介)

沖祐市(Key)とGAMO(Tenor Sax)。(撮影:勝永裕介)[拡大]

アンコールを求める拍手に応じてスカパラメンバーが再びステージに登場すると、谷中は「慎ちゃんすごいね! メチャクチャ楽しそうだし、前からスカパラメンバーにいるみたいだよね。対バン初日がサウシーでよかった!」と充実感いっぱいに語った。メンバー1人ひとりが順に挨拶をした場面では、加藤が「世代も超えて音楽でひとつになれるっていうのは本当に最高の時間でした」とコメント。NARGOは「管楽器を長くやってますけど、チューバを持ってジャンプする人を初めて見ました!」と驚きの心境を明かしつつ「『紋白蝶』のミュージックビデオ撮影はスカパラ史上一番長い撮影だったんですけど、石原くんはずっとニコニコしていて前向きで、みんなと楽しそうに会話をしている姿を見て、本当にいいやつだなと感じて大好きになりました! こういう人が歌う歌だから、こういう人がいるバンドだから、皆さんの心に刺さっているんだなって、一緒にやって感じました」と実感を語る。GAMOが「『Paradise Has No Border』の演奏中は、横にいる石原くんを誰よりも楽しんで見ていました!」と語ったのち、谷中が「それでは改めて、奇跡的にピュアでナチュラルな天才、世界一カッコいい石原慎也を紹介します!」と声をかけると、石原は「上げすぎです!」と照れ笑いしながらステージに再登場した。

石原慎也(Saucy Dog(撮影:勝永裕介)

石原慎也(Saucy Dog(撮影:勝永裕介)[拡大]

石原が「いつものSaucy Dogとはひと味違った曲になっています」と言ってスタートしたのは、Saucy Dogの初期の代表曲である「いつか」。スカパラのアレンジによるスペシャルバージョンで披露されたこの曲では、スカパラが奏でるリズムとブラスサウンドに感情を豊かに乗せた石原の切ない歌声が混じり合い、オーディエンスの感情を揺さぶる。曲を終えると石原は「今日はどうもありがとうございました! Saucy Dogでした!」とバンド名を名乗り、特別なひと時を締めくくっていた。

スカパラと石原慎也(Saucy Dog)のコラボレーションの様子。(撮影:勝永裕介)

スカパラと石原慎也(Saucy Dog)のコラボレーションの様子。(撮影:勝永裕介)[拡大]

「Traveling Ska JAMboree 2022-2023」の今後の公演には、対バン相手としてMr.Children、Creepy Nuts、SUPER BEAVER、ORANGE RANGE、The Birthday、尾崎世界観(クリープハイプ)が登場する。なお2023年1月29日の宮城・SENDAI GIGS公演の競演相手に関しては、後日発表される。

関連する特集・インタビュー

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石原慎也(Saucy Dog)終演後コメント

ゲストボーカルとしてスカパラに参加したいってずっと思っていたんですけど、ありがたいことに谷中さんとも加藤さんとも一緒に「やりたいね」って以前から話させていただいていたので、こうして一緒にできてうれしかったです。スカパラとの対バンはかなり重労働でしたけど、本当に楽しかったですし、光栄でした。一緒にやってみて思ったんですけど、僕は「Paradise Has No Border」もコラボさせてもらったのでイレギュラーだと思うんですけど、ほかのアーティストのボーカルの方も1日の間にこの工程をやっているのかと思ったら、ちょっと強くなれた気がします!
スカパラとの「いつか」は、いつもと違った色というか風景が見える「いつか」だったなと思っていて、
雰囲気もまったく違うような、曲自体がガラッと変わったような気がしていて、こういうアプローチの仕方もあるんだなあって思うと、単純に自分たちの楽曲に生かせたら面白いなと思いました。

谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)終演後コメント

Saucy Dogのライブ自体すごくよかった。折り目正しいのにすごくピュアだし、オープンだし、最初から自分たちのことを知らない人たちを巻き込んでいける懐の広さというか、器の大きさがあるんだなと。
サウンドもそうだし、慎也くんの人柄もそういう部分がすごくあるのかなと思って、それがちゃんと人に伝わるっていうのがすごいんだよね。
そういう素晴らしさってなかなか人に伝わりづらいものだと思うんだけど、人に伝わる善良さがあるっていうのは素晴らしいなと、頼もしく思いました。
音楽自体も本当にレベルが高いし、歌詞もいいしね。さすがいい歌詞を書く人は人格も一流ですね。
一流のものを見させてもらって、一流の人をステージに呼び込んでコラボレーションしたわけですけど、慎也くんは「緊張した」って言っていたけど、チューバの演奏もメチャクチャよかったですね。
「Paradise Has No Border」では、ステージのセンターで慎也くん1人を裸にして「さあ、どうぞ!」っていう状態で、メインテーマを吹かなければいけないパートをたった1人でやるのはすごく大変なことですけど、しっかりと演奏してくれていたし、「紋白蝶」では素晴らしい歌を歌ってくれて,間奏でもすごくいい音でチューバを吹いてくれたし、スカパラメンバーそれぞれのところを周りながら歌ってくれて、エレカシの宮本(浩次)くんみたいな動きもしてくれたんだけど、歌心が本当にありますね。その余韻に今は浸っています。寝るまで浸ると思います。
「いつか」は本当にいい曲ですね。構成が難しい曲だと思うんですけど、聴いているとそう感じさせない曲で。歌詞とストーリーに合わせて音楽が最後までずっと変化していくっていう曲で、ピュア感あふれるかけがえのない幸せを歌ってくれているという切なさを感じながら演奏できたことが今日は本当にうれしかったです。メチャクチャよかったですよ、「いつか」。

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