SUPER★DRAGONが“9人”で魅せたダイナミックな躍動、熱狂の「Move On」から夢のステージへ

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SUPER★DRAGONが昨日9月25日に東京・豊洲PITでワンマンライブ「SUPER★DRAGON Special Live 2022『Move On !!!!!!!!!』」を開催した。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

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「SUPER★DRAGON Special Live 2022『Move On !!!!!!!!!』」は、大阪と東京の2会場で行われたワンマンライブ。肺気胸の療養中のため、ボーカルの古川毅がステージに立つことは叶わなかったが、メンバーはこだわりの舞台演出とセットリストで「Move On !!!!!!!!!」という公演タイトルをダイナミックに体現。集まったBLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)とともに、熱狂の空間を作り上げた。この記事では、昼夜2部にわたって行われた東京公演の第2部の模様をレポートする。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)[拡大]

2段構えの舞台セットに、テーブルや椅子があちこちに置かれた豊洲PITのステージ。開演時刻を回ると、そのステージのあちこちで身支度を整えるメンバーの姿が順にスポットライトに照らし出された。香水を身にまとう松村和哉に、サングラスを着ける池田彪馬……準備を済ませた彼らが並んでBLUEの前へと歩みを進めると、舞台上方から揃いのジャケットがゆっくりと降りてくる。そのジャケットをさっそうと羽織り、8人は「So Woo」でライブをスタートさせた。

志村玲於(撮影:相澤一茂)

志村玲於(撮影:相澤一茂)[拡大]

ファンキーなサウンドと力強いビートに自然と体が動く「So Woo」でパワフルに体を弾ませ、ジャケットを軽快に翻した8人は、そのまま夏の夜のドライブの情景を連想させるクールなナンバー「Cruisin’」で“ナイトクルージング”へと駆り出す。そして “僕たちが未来の先駆者になる”という思いを込めた最新アルバムのリード曲「Pioneer(Keep It Real)」へと展開すると、彼らは「Go Super Dragon Keep it real!」と声を合わせ、力強くフロアを埋め尽くすオーディエンスを牽引していった。

ジャン海渡(撮影:相澤一茂)

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“Move On”という公演テーマを想起させる3曲をオープニングに届け、ここで自己紹介を行った8人。ジャン海渡は「今回は毅が出られないけど、毅もここにいる気持ちで。9人で最高のライブ作り上げようと思ってます!」と約束した。そして志村玲於は「いろんな演出、こだわりにこだわってBLUEのためにやりたいなと思っているんですけど、ちょっとこのテンションじゃ無理かなと思ってます!」と言って熱くオーディエンスを煽り、「次のコーナー、めちゃくちゃ楽しんでいきましょう!」と続くセクションへとBLUEを導いてみせた。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

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「Jacket」でライブを再開させた8人がこの曲で見せたのは、観る者にストーリーを感じさせるコンセプチュアルなパフォーマンス。ステージセットの上段には8脚の椅子が置かれ、明滅する光の中をゆったりと動きながらその椅子に腰かけた彼らはジャケットと椅子を巧みに操りながら魅せるダンスでBLUEの視線を釘付けにした。そして曲の終わり、彼らが椅子を思い切り蹴り倒すと、ジャンの「OK, let’s move on!」という声を合図に、「My Playlist」のイントロに乗せて8人の立つステージセットが大きく前方へと動き出す。BLUEの驚きを誘ったサプライズ演出とともに、ここから8人は“動くステージ”を自在に行き来しながら楽曲を歌い踊る怒涛のメドレーへと突入した。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

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3つの大きなキューブに姿を変えたステージセットの上段に1人立つ池田彪馬がボーカルをリードする中、板の上では玲於と飯島颯がダイナミックなアクロバットを見せた「My Playlist」ののち、「Ringing, Love」では緩急のメリハリの効いた群舞を見せた8人。メドレー中盤にはグループ内ユニットにも次々とスポットライトが当たり、伊藤壮吾、田中洸希、彪馬、和哉、柴崎楽からなるサンダードラゴンはレゲエフレイバーの「Caravan」でラスタカラーの照明に照らされながら情熱的に裏打ちのリズムを乗りこなす。玲於、颯、ジャンによるファイヤードラゴンは毅を欠いた編成ながら、舞台を大きく使ったステージングで聴衆を巻き込み、ファンキーなカッティングギターが印象的な「On My Way」をグルーヴィに歌い踊った。

左から伊藤壮吾、田中洸希、柴崎楽。(撮影:相澤一茂)

左から伊藤壮吾、田中洸希、柴崎楽。(撮影:相澤一茂)[拡大]

サンダーとファイヤーの見せ場を経て、ステージセットに上ったのは彪馬。続く「夢で逢えたら」は彼と毅のデュエットナンバーだが、この日は彪馬が1人でマイクを握り、毅の分まで歌声を届ける。ライブハウスいっぱいに響き渡るクリアでエモーショナルなボーカルに、客席のBLUEはじっくりと耳を傾けた。彪馬が姿を消し、今度は洸希が1人舞台上に姿を見せると、彼は得意のヒューマンビートボックスをオーディエンスに叩き付ける。力強く響くベースからパーカッシブなスネア、スクラッチにいたるまで、あらゆる技を巧みに使いこなす彼の独壇場に、BLUEは惜しみない喝采を送る。そして洸希に代わり、ステージの最前線へと躍り出たのはMCのジャンと和哉。彼らが見せたアカペラのラップは今回のライブのために2人が書き下ろしたもので、そのリリックは彼らがSUPER★DRAGONとして活動するうえでの覚悟や揺るぎないアティチュードを感じさせるもの。言葉の1つひとつにほとばしるような熱を込め「いこうぜ、We are SuperD!」と叫んだ2人はそのまま洸希を迎え入れ、3MCによる“怒り”をテーマにしたハードトラップ「Set It Off」で昂る感情を思いきり解放した。

松村和哉(撮影:相澤一茂)

松村和哉(撮影:相澤一茂)[拡大]

飯島颯(撮影:相澤一茂)

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3MCのパフォーマンスによって一気にアンダーグラウンドな空気感が充満すると、今度は3人からバトンを受け取ったダンサーチームの玲於、颯、壮吾、楽が危険なムードをいっそう深めてゆく。サイレンが鳴り、無数の赤いサーチライトが交差するステージに姿を見せた4人はピエロの仮面を被っており、その手には鉄パイプや鎖、モデルガンといった武器が。仮面を剥いだ彼らはワイルドでエッジーなダンスのリレーをつなぎ、最後には4人そろってダイナミックな群舞を披露。この姿にジャンは「ダンサーチーム最高だったぜ。つまり俺らは最高ってことだ。立ち上がろうぜ」とメンバーに声をかける。トラックに大胆なアレンジが加えられた「Monster!」で改めて全員がそろい、ここからは8人でメドレーのラストスパートをかけたスパドラ。彪馬を中心に、メンバーがレーザー光線を操る動きがオーディエンスの注目を集めた「PANDORA」、8人が真顔で踊るダンスで楽曲のシュールな世界観が際立った「SAMURAI」を経て「Bad Day」まで、全11曲のメドレーをパワフルに駆け抜けてみせた。

伊藤壮吾(撮影:相澤一茂)

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14曲を終えたところで初めてしっかりとしたMCタイムを設け、壮吾は「ノンストップ新幹線みたいな感じでやってきましたけど……あれ、あんまウケなかったですね!」と笑う。ここでは、本公演のすべての衣装を毅が担当していることが颯の口から明かされ、颯は「パフォーマンスは8人だけど、9人で思い届けてますので!」とBLUEに伝えた。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

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柴崎楽(撮影:相澤一茂)

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MCの最後に「BLUEが盛り上がってくれればくれるほど、俺たちのパワーになるんで!」と、オーディエンスへの思いを伝えたジャン。そんな彼らのBLUEへの思いは、ライブ後半パートの幕開けを告げる3曲で形となって客席へと送られる。洸希が歌う「Blue Magic」というフレーズでBLUEを楽曲の世界観へと誘う最新ナンバー「Indelible Magic」をまっすぐ歌い届けたのち、8人が披露したのはメンバーの情熱を“RED”、ファンを“BLUE”に例えながら両者の絆を歌う「Purple Moon」。この曲では「Move On!!!!!!!!!」の舞台セットに合わせてパフォーマンスがアレンジされ、8人はステージを行き交う複雑なフォーメーション構成でオーディエンスの目を奪った。そして、続く「Distance」では、黒い幕に覆われていたステージセットの壁面が色鮮やかなフラワーウォールに姿を変える。コロナ禍に“離れていても その時はやってくるから”という願いを込めて作られたこの曲のオーガニックなサウンドに身を委ねる8人は、フラワーウォールから青い花を1輪ずつ手に取り、曲の終わりにその花をそっとBLUEへと差し出した。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

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田中洸希(撮影:相澤一茂)

田中洸希(撮影:相澤一茂)[拡大]

温かなムードが充満するライブ空間は、メンバーが次に用意したダイナミックな演出で一気に塗り替えられる。オールブラックのモッズコートとスキニーパンツという衣装に着替えたメンバーがステージに再登場すると、彼らの合図で無数の鎖が舞台上に垂れ落ちた。この“鎖のカーテン”を操る動きをダンスの中に組み込んだ彼らは舞台セットに鎖をつなぎ、無骨なバリケード空間をBLUEの眼前に出現させる。ここからは、スパドラのアイデンティティとも言えるハードなミクスチャーサウンドのアッパーチューンを畳みかけるセクションで一気にラストスパートへ。洸希の「おいおいMove On、こんなもんかよ? かかって来いよ!」というアジテートとともになだれ込んだ「BADASS」では、3MCのラップもぐんぐんと熱を帯びていく。和哉が「OK東京、黙って……叫べ!」とオーディエンスに求めた「Shut up, Shout out」は、ラウドなロックサウンドに皮肉を効かせたリリックが乗るパワフルなナンバー。BLUEを、そして自らを鼓舞するように頭を振り、曲に没入する8人はラストサビを前に舞台セットにつながれた鎖を手に持って掲げ、その鎖をステージ上部の舞台装置から切って落としてみせた。重たい鎖が床に打ち付ける激しい音はメンバーのリミッターを外し、続く「Dragonfly」では颯が「タオル振って一体になろうぜ!」と思い切り叫んでフロアの熱気も急上昇させる。本編ラストにドロップされた「SWEET DEVIL」では、和哉の「俺たちに青い景色を見せてくれ!」という呼びかけに応じたBLUEが手にしたペンライトを高く掲げ、ライブハウスに広がる壮観に和哉は「最高じゃん」とひと言。大きな熱狂の中でパフォーマンスを終え、彪馬は「最高の熱と最高の景色をありがとうございました!」とBLUEへ思いを伝えた。

古川毅(撮影:相澤一茂)

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1986オメガトライブの名曲をカバーした「君は1000%(Vantage Remix)」でアンコールをスタートさせたメンバーは舞台セットの上段と下段に分かれ、彪馬のさわやかな歌声に乗せて笑顔でBLUEに手を振った。曲を終え、会場後方の客席まで大いに盛り上がったBLUEの応援に改めて感謝を伝えたジャンは「ラストはスマイルで終わりたいと思います!」と「Brand New Music」をコール。「笑って笑ってー!」と呼びかけながら、朗らかなムードを作り上げる。2曲を終えて8人がファンと向き合うと、ここでジャンは「なんとですね。毅、来てます!」とパフォーマンスでの出演が叶わなかった毅を呼び込み、BLUEの歓喜を誘った。

池田彪馬(撮影:相澤一茂)

池田彪馬(撮影:相澤一茂)[拡大]

少し照れたような表情を浮かべながらBLUEの前に姿を見せた毅は「1部も2部も、ずっと後ろで観てました。こんな機会ないなって……」と切り出し「BLUEの気持ちになってスパドラを観ることができたんですけど、いやあ、お前ら最高だったわ」と8人に声をかけた。すると、ジャンは即座に「そんな毅も最高。9人が最高ってことね」と返し、毅は「しっかり治して、フルパワーで帰ってこようと思います」と約束する。メンバーが全員そろった壇上で発表されたのは、彼らが今年の目標として掲げていた神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでのワンマンライブが2023年3月25日に決まったという吉報。メンバーはBLUEと喜びを共有し、ジャンは「ビッグなステージでライブができるのはBLUEのおかげです。本当にありがとう」と、改めてファンに感謝を伝えた。

SUPER★DRAGON(撮影:相澤一茂)

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「次なるステージが決まって、パシフィコ横浜に向かって準備をしていきたいと思います。ここにいる人だけじゃなく、これまで僕たちに関わってくれたすべての皆さんに感謝します。これからも龍のごとく駆け抜けていけるように……皆さんのその青い光で照らしてもらって。進んでいきたいと思います。最後にこの曲を届けて終わります」。そう伝えた彪馬のタイトルコールと共に、ライブは「-Tweedia-」で幕を閉じる。9人横1列になり、BLUEとまっすぐに向き合いながら思いを届けたメンバー。最後に毅は「まだまだ楽しいことたくさんあるから安心してー!」と笑顔で手を振り、ステージをあとにした。

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SUPER★DRAGON「SUPER★DRAGON Special Live 2022『Move On !!!!!!!!!』」2022年9月25日 豊洲PIT セットリスト

第1部

01. So Woo
02. Cruisin'
03. Pioneer(Keep It Real)
04. Jacket
05. My Playlist
06. Ringing, Love
07. Caravan
08. On My Way
09. 夢で逢えたら
10. Set It Off
11. Monster!
12. PANDORA
13. SAMURAI
14. Bad Day
15. Indelible Magic
16. Purple Moon
17. Distance
18. BAD BOY
19. BADASS
20. Shut up, Shout out
21. Dragonfly
22. SWEET DEVIL
<アンコール>
23. SOUL FLAG
24. Brand New Music
※04~14はメドレー

第2部

01. So Woo
02. Cruisin'
03. Pioneer(Keep It Real)
04. Jacket
05. My Playlist
06. Ringing, Love
07. Caravan
08. On My Way
09. 夢で逢えたら
10. Set It Off
11. Monster!
12. PANDORA
13. SAMURAI
14. Bad Day
15. Indelible Magic
16. Purple Moon
17. Distance
18. BAD BOY
19. BADASS
20. Shut up, Shout out
21. Dragonfly
22. SWEET DEVIL
<アンコール>
23. 君は1000%(Vantage Remix)
24. Brand New Music
25. -Tweedia-
※04~14はメドレー

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逆立ちるっちょ @piyoshi__0227

天才的1枚奇跡すぎるHappySmile、、、、、 https://t.co/oQSs01aFNW https://t.co/t0U3Kg5ZbB

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このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 SUPER★DRAGON の最新情報はリンク先をご覧ください。

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